従来、コンピュータ技術はムーアの法則によって進化してきた。しかしその進化も限界を迎えており、量子コンピュータや脳型コンピュータと呼ばれる次世代コンピューティング技術に期待が集まっている。そこで富士通は、量子コンピューティングに先駆けてデジタル回路で設計した「デジタルアニーラ」を開発した。

本稿では、金融資産の実運用業務の一部にデジタルアニーラを活用しているメルコインベストメントの事例を紹介する。

「組合せ最適化問題」の解を高速で導く

デジタルアニーラは、量子現象に着想を得たデジタル回路で、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解くことが可能である。現在の技術では、すべての可能性のなかから解を創出するため膨大な時間がかかってしまうところ、デジタルアニーラでは、求めたい最適値を定義、さらに求めたい最適値に影響を与える変数も定義できるため、最適解を求めるまでにかかる時間を大幅に短縮できる。

すでにデジタルアニーラを導入しているメルコインベストメント株式会社は、金融資産の実運用業務にこの技術を活用している。デジタルアニーラの導入前は、数百以上もの株式銘柄の中から目的のポートフォリオになるよう制約をかけるなどして問題の規模を小さくし、最適な組み合わせを探索していた。これが導入後、全ての組み合わせの中からの解の探索が可能となり、数百銘柄の組合せ最適化計算が10分程度で完了しより精度の高い分析結果を金融資産の実運用業務に活用できているという。

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PDFでは、富士通が開発した「デジタルアニーラ」の可能性について「素粒子物理学」の権威である東京大学 素粒子物理 国際研究センター准教授の澤田 龍氏と、早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構 准教授 田中 宗氏の対談の模様を紹介している。「デジタルアニーラ」について、ひいては研究分野における最先端のコンピューティングについてご興味のある方は、是非ご一読いただきたい。

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導入事例 富士通デジタルアニーラ・スペシャル対談 デジタルアニーラは、素粒子新発見の夢を導くか

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