バックアップ専業ベンダーのArcserveが事業継続のための新クラウドサービス「Arcserve Business Continuity Cloud」の提供を開始した。BaaSとDRaaSを提供し、コスト、運用、セキュリティ面での課題を解決した本サービスの魅力とは。

バックアップ専業ベンダーが提供する「事業継続クラウド」

自然災害や大事故、サイバー攻撃などによってITシステムが被害を被るケースが増えている。ITとビジネスの一体化が進む今日では、システムの停止やデータの損失は事業継続(Business Continuity: BC)に直接的に影響する問題だ。いまやバックアップや災害対策(Disaster Recovery: DR)によるシステムとデータの保護は、重要な経営課題になったと言っていい。

とはいえ、バックアップやDR対策を検討する際には、課題もある。最大の課題の1つがコストだ。大規模な自然災害を考慮するなら、システムやデータを遠隔地にバックアップすることが本来望まれる。またバックアップだけでなく、事業継続に向けてDRサイト上でシステムを迅速に稼働させることも求められるだろう。しかし、こうした遠隔バックアップの仕組みを構築しようとすると、コストが膨れ上がってしまうのだ。

arcserve Japan合同会社 ソリューション統括部 統括部長 今井敏博氏

そうしたニーズを受けて、2011年の東日本大震災以降、活用が進んだのがクラウドだ。実際、Arcserve Japanが行ったユーザー調査によると、バックアップでクラウドを利用したいと考えている企業は7割を超える。ところが、実際にクラウドサービスを利用した遠隔バックアップの利用は1割程度にとどまっている。この背景にあるのは、クラウドバックアップサービスに掛かるコストが「複雑で分かりにくいこと」にあると考えられる。

まず従量課金制であるため、必ずしもコスト削減につながらないケースがある。また、利用料を管理したり、ネットワーク転送量を考慮したりといった管理面での手間も増加する。データが多い場合、システム再開(業務継続)までに多大な時間がかかることも問題だ。

これらを解消し、より多くのニーズに対応すべく、バックアップ専業ベンダーのArcserveが新しいクラウドサービスの提供を開始した。それが「Arcserve Business Continuity Cloud」だ。Arcserve Japanのソリューション統括部 統括部長 今井敏博氏はこう話す。

「クラウドバックアップの敷居を下げるべく、導入運用コストや課金コストの課題を解消しました。企業はより低コストで遠隔バックアップを行い、事業継続が実施できるようになります」(今井氏)

Arcserve Business Continuity Cloud とは