バックオフィス業務のなかでも非常に手間がかかる業務といわれているのが勤怠管理とそれに伴う給与計算です。この勤怠管理をするうえで欠かせないのが労働基準法の知識です。社会問題になった長時間労働問題などを背景に、勤怠管理に対して今まで以上に慎重になっている企業も多いでしょう。これからの時代ますます重要になってくると思われる労働基準法について、重要なポイントを見ていきます。
就業時間の把握は労働基準法によって定められている
企業側が従業員一人ひとりの労働時間を把握するということは労働基準法に明文化されています。具体的には、平成13年4月6日に厚生労働基準局長から各都道府県労働局長宛てに出された『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について』という通達のなかで明文化されました。この通達のなかでは、企業側が従業員それぞれの始業時間と終業時間を正確に把握することが必要であるということが書かれています。終業時間を正確に把握する方法として一般的に導入されているのがタイムカードによる打刻システムですが、不正報告などの問題も含んでおり、なかなか正確な把握をするのは難しいというのが現状です。
なくならない長時間労働問題
日本の企業において長時間労働やそれに伴う過労は非常に大きな問題です。長時間労働は健康障害のリスクが高くなるという理由から、法律などでも労働時間に関する基準が設けられています。労働者の健康などに対して定められている労働安全衛生法では、月100時間を超える時間外労働や休日出勤が健康に害を与える可能性のあるひとつの基準として定められているのです。また、労働基準法にも、『休息時間を除いて1週間に40時間を超えて労働させてはならない』(32条)という労働時間に関する条文があります。ただし、現実を見てみると企業がこれを遵守せず、法律はただの理想論で終わってしまっているというケースも珍しくありません。労働基準法の定める労働時間を、一般に法定労働時間と呼びますが、この時間を超えて働く場合には会社側の管理者と協定を結び、さらには労働基準監督署にも届出をする義務があるのです。これらのルールを厳密に守っている企業がどれだけ少ないかというのが分かるでしょう。これは現在の企業が悪いというよりも、成果主義を重んじる現代の労働環境に法律側が付いてきていないというのが大きな問題ともいわれています。
正確な勤怠管理をすることでトラブルを防止
労働基準法の条文のなかには、確かに時代にあっていない部分もあり、厳密に守っていたら業務が進まないという企業が存在することは事実です。しかし、それであっても正確な勤怠管理を怠ってもいいということにはなりません。労働者をしっかり守るためにも、また企業を守るためにも日々の勤怠管理はしっかりと行うべき会社側の義務なのです。ルールを遵守していない企業があるからといって、労働基準法を無視すると、場合によっては事業者の過失が認められ損害賠償請求が発生する可能性もあります。このほかにも、ずさんな勤怠管理が災いして、残業代の未払い問題や長時間労働勤務が発生することも多くあります。特に、長時間労働などの労務問題が大々的に表面化してしまうと、ブラック企業としての烙印を押されかねません。このような問題を起こさないためにも、企業側の正確な勤怠管理が必要です。
企業にとって影響の大きい労働問題
従業員と企業の間で残業代を巡るトラブルや長時間労働問題などが発生してしまうのは、そもそも勤怠管理を徹底していないことが原因です。正確かつ継続的な勤怠管理が徹底されていれば、労働時間が特定の従業員に偏ることもありませんし、残業代の未払い問題が発生する可能性も大幅に減るでしょう。このような労働問題は企業にとってとても深刻なものです。本業とは別のところで会社のイメージを大きく落とすことのないように、労働基準法についての理解を深くすることが大切でしょう。
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