ホワイトカラーの生産性を向上させる手段の1つとして、注目されているのが「RPA(Robotic Process Automation)」だ。RPAは単に作業の生産性を高める役割を果たすだけでなく、導入時の業務見直しや再整理のプロセスを通して、業務そのものの改革や働き方改革につながると期待されている。RPAによって企業はどう変わるのか。ここではRPA活用の課題とメリットについて紹介しよう。
今なぜRPAが必要とされているのか
これまで企業は、さまざまな業務をシステム化することによって事業やサービスを効率化し、業務の生産性の向上を図ってきた。しかし、ホワイトカラーの業務は刻々と変化しており、システム化が追いつかない作業が増え続けている。例えば、日々の細かな定型作業や将来的に継続が見込めない作業などは、IT投資に見合わないという理由からシステム化ができず、これまでは現場の社員が手作業で行うしかなかった。こうした課題を根本的に解消し、社員の生産性を向上する手段としてRPAに注目が集まっている。
RPAの特徴とは
RPAによる生産性が向上する原理(人による手作業を代行するデジタルファイル) ⇒ PDFのダウンロードはこちら |
RPAとは「ツールを使って手作業の操作を記録し、その操作をサイバー空間上のロボット『デジタルレイバー(仮想労働者)』に代行させることによってバックオフィスの生産性を飛躍的に高める手法」。そしてRPAには「人間の定型業務を代行できる」「人間に比べて圧倒的な能力がある」「変化に強く柔軟性があり進化成長できる」という3つの特徴がある。
では実際に、ロボットと人間の能力には、どのくらい違いがあるのか。経理系ロボットの処理で比べた場合、リードタイムは10時間から5分に短縮、品質に関しては歩留まりが1%から0%に向上、コストは35,000円から電気代のみに縮小した。また、人間の勤務時間が1日8時間で週5日であるのに対して、ロボットは24時間365日稼動させることができ、採用や離職のリスクを心配する必要もない。
導入・運用・拡張がしやすいというのもRPAのメリットの1つ。プログラミングは不要であり、既存の業務・システムを変更することなく、RPAツールを使って操作を記録するだけで、ロボットをいくつでも作成可能だ。このように、RPAでは圧倒的な能力を発揮する労働力を無制限に生み出すことができる。
ひろがりを見せるRPAの適用対象
大規模企業から小規模企業に至るまで、すでに全国400社で2万ロボットが稼動しており、ビジネスプロセス改革のほか、情報調査/不正検知、電子商取引業務代行、マーケティングなど多岐にわたる業務でロボットの導入が進んでいる。
また、RPAの導入を検討するにあたっては、以下4つの懸念を考慮する必要がある。
- 現在進めている業務改善の取り組みのなかに、RPAをどのように位置付けるか
- ITリスクの心配はないか
- 雇用が奪われるという理由で現場が抵抗する可能性はないか
- ロボットと人の協働、という新しい働き方の思想が受け入れられるのか
RPAプロジェクトを進める際には、決して社員の仕事を奪うのではなく、RPAの圧倒的な能力によって定型業務から人間を解放し、働く環境を改善するものであることを周知徹底する必要がある。
本稿で提供するPDFでは、「RPAによる働き方改革セミナー」に登壇した、RPAテクノロジーズの笠井直人氏の講演内容が記載されている。RPAの活用事例、デジタルレイバーのスケーリング、経理・財務領域におけるRPAの可能性、戦略的なRPAの活用など、RPAのより詳細な実態と導入へのヒントを確認可能だ。働き方改革を模索する企業の方はもちろん、RPAに興味を持った方は、ぜひ一読していただきたい。
提供レポートのご案内
日本型RPAによるホワイトカラーの働き方改革
≪目次≫
- 今なぜRPAが必要とされているのか
- 日本型デジタルレイバーの最新活用事例
- ひろがりを見せるRPAの適用対象
- 経理・財務領域におけるRPAの可能性
- 戦略的なRPAの活用を実現するために
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