マーケティングにおけるアクションを自動化してくれるMAツールですが、単体ではその真価を全て発揮できるとは言えません。いくら便利な機能を持っていても、管理する情報の範囲が限られていれば、できることも限られてしまうからです。MAツールの機能を使いこなすためには、統合的なマーケティング戦略の中にMAツールを位置づけることが必要です。そのための鍵になるMAツールと外部ツールとの連携について解説します。

どうやってMAツールと外部ツールを連携させるか

外部ツールのデータをMAツールに取り込むだけならば、原始的な手打ちでの転記も連携方法の1つといえます。しかし、これではMAツールの目的である自動化が果たせないので、定期的にバッチ処理を行なってデータを流し込むことも連携方法の1つです。それでもMAツールに求められる迅速なアクションが実現しづらくなってしまいます。そこで、それぞれのツールのデータを自動で同期させるという方法がスマートでしょう。

データの連携だけでなく、MAツールから外部ツールの機能を利用できるようにすることも連携の方法です。MAツールは外部ツールの機能を利用することでより有用になるため、外部ツールとの連携がしやすいことを特徴とするMAツールもあります。

外部ツールとの連携で何ができるようになるのか

外部ツールとの連携によってできることが広がるわかりやすい例は、名刺管理ツールとの連携でしょう。新商品の広告を、その商品に興味を持つであろう属性の顧客を狙い撃って自動配信できることがMAツールの典型的な機能です。一方、名刺管理ツールは、名刺に記載された顧客の属性情報を容易にデータベース化してくれます。双方の機能を組み合わせることで、名刺から取り込んだ顧客の属性情報を利用した広告の自動配信が可能です。名刺交換をしたばかりの見込み顧客に対して、瞬時に相手方が興味を持つだろう情報を送れることは大きな武器になるでしょう。

MAツールによってセミナーの案内をした場合には、予約管理システムと連携させることができれば便利です。案内された顧客は、予約管理システムを通じて、ワンクリックでセミナーの予約をすることができます。そして、予約状況や予約者の情報を、システム連携によってMAツールに反映されることで、予約者への業務連絡や次回集客に役立てることが可能になるのです。

また、MAツールは、BIツールと連携をさせることで、PDCAを加速させることができます。MAツールが自動で行なったアクションの成果をBIツールに分析させることで、マーケティング施策の検証を迅速に行うことが可能です。そうして得られた検証の成果をMAツールの設定に反映させることで、更新された施策が速やかに自動で実行されるようになり、素早いPDCAサイクルが実現されるのです。

データ連携の際の注意点

MAツール内のデータベースと外部ツール内のデータベースとでは、保存している情報の内容やフォーマットが異なることが通常です。データ連携の際には、この違いを解消するこが必要になります。また、名刺管理ツールなどの外部ツールとデータ連携する際には、データマッシュアップツールを利用して所属先の企業情報を付加するなどの工夫をすることで、より充実したデータ連携が可能になるでしょう。

すでにMAツールにある顧客情報と、外部ツール内にある顧客情報とが食い違う場合があります。例えば、ある顧客の所属情報が、MAツールでは子会社の所属として登録され、外部ツールでは、企業グループの所属として登録されている場合です。この場合のアンマッチを解消するための仕組みも必要になります。

外部ツールとの連携で統合的なマーケティングを実現

MAツールは便利な機能を備えていますが、外部ツールと連携させることで、さらにできることが広がります。顧客情報を容易に一元化できることはデジタル化されたマーケティングの強みです。MAツールをその中心に置き、外部ツールと連携させることで、統合的なマーケティング戦略を実現することができるでしょう。

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