勤怠管理システムの導入は、各種機能の活用や他システムとの連携によって、様々なメリットをもたらします。一方、全社員にかかわるシステムであるため、一度導入してしまうと簡単に別のシステムに変更することはできません。導入効果を最大にするためには事前の準備がとても大切です。導入時における注意点、着意すべきポイントを紹介します。
既存勤務体系とのマッチングと課題の明確化
業種業態によって勤務体系は異なります。特に、勤怠管理に関しては固有の特殊なルールが存在する会社も少なくありません。例えば、複数の現場ごとに独立した管理が必要であったり、営業の直行直帰が常態化していたり、雇用形態が多種であったり、などです。こうした各社ごとに存在する勤務体系にマッチング可能なシステムであることが重要です。そして、導入効果を最大にするためには、現在の勤怠管理の実態を十分に理解しておくことが大切です。何を解決するためのシステム化(自動化)であるのかを明確にして、それに対応できるシステムを選ばなければなりません。
この作業を怠ってしまうと、何のために導入したのかが曖昧になってしまい、何も解決できない存在意義のないシステムになってしまいます。
課題の解決に必要になる機能の見極め
現在の管理実態から、解決すべき課題が明確になったならば、次はその課題を解決するための機能の見極めが必要です。なぜならば、これから導入する勤怠システムに、課題が解決できる機能が備わっていなければ、効果的な運用ができません。
一般的な勤怠管理システムは基本機能として、出退勤を管理するための打刻機能、勤務時間を集計する機能を有しています。これに加えて、給与計算機能や各種申請の承認、決裁機能などもあります。
この他にも多種多様な機能が用意されていますが、ここで確認しておくべき重要なポイントがあります。イレギュラーな処置に関する機能です。運用を始めると、イレギュラーな処置が必要になるケースが発生します。こうした場合に、どれくらい柔軟に担当者レベルで対応可能であるのかを確認しておくことが大切です。
他システムとの連携は合理化の必須要件
既に社内に存在しているシステム(給与や人事、社内コミュニケーションなど)との連携具合も重要なポイントです。勤怠管理システムの導入によって、業務の合理化がどこまで進められるのかは、他のシステムとの連携しだいといっても過言ではありません。
連携を進める際に留意する必要があるのが、これに伴う新たな作業の発生とセキュリティの低下です。連携は合理化のための重要な要素ですが、目的ではありません。あくまでも効率をアップさせるための手段です。つまり、連携に伴って新たに発生する作業があるならば、その作業の質を慎重に見極めなければなりません。
また、一般論としては連携自体がセキュリティの低下を招きます。連携による合理化とセキュリティの維持を、高いレベルでバランスさせることが大切です。
使いやすさと教育のしやすさを確認
基本的に勤怠管理システムは、すべての従業員が使うシステムです。したがって、従業員にとって使いやすく、仕事の邪魔にならないシステムであることが大前提になります。
ここでの「使いやすさ」とは、「教育のしやすさ」とほぼ同じ意味です。導入にあたっては、従業員に対する教育が必要になります。また、それに先立って当該システムの担当者や責任者など、各レベルでの教育も必要です。こうした一連の教育に、過大な時間が必要とされるシステムであるなら「使いやすい」とはいえません。そして、実際に使い始めるためには、初期登録や事前設定が必要です。こうした作業の量と質、進めやすさなども含め、使いやすいシステムであるかどうかを判断することが重要です。
導入後の効果は事前準備しだい
勤怠管理システムの導入は、各種機能の活用や他システムとの連携により、高いレベルでの合理化をもたらしてくれます。勤怠管理システムは、経営の中核を担うシステムであるため、一度導入すると簡単には変更できません。導入前に、現状における勤怠管理状況を正確に把握し、解決すべき課題を明確にしておくことが何よりも大切です。
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