勤怠管理というと、タイムカードの印字を表計算ソフトに入力して勤務時間を計算する、そんな手間のかかる作業を想像する方も多いでしょう。しかし、「勤怠管理システム」は、最新のテクノロジーを取り入れて進化を続けています。これまではマンパワーを必要としていた作業は自動化され、いままではできなかった従業員の退職予測も可能になりました。ここでは、勤怠管理システムの最新トレンドを紹介します。

RPAの導入

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、その名の通り、ロボットを利用して作業を自動化することを意味しています。ロボットと言っても、産業用ロボットのようなハードウェアを活用するわけではなく、ソフトウェアロボットが活用されています。ソフトウェアロボットの特徴は、ルールに従って決められた作業だけを繰り返し行うことと、人間のようにミスをしないことです。このため、ミスが起こりやすい単純な繰り返し作業については、RPAの導入が適していると言われています。

勤怠管理システムで行う作業の中でも、労働時間の集計作業や給与計算は、ルールに従って行うので、RPAに適した作業です。また、支店から各従業員の就業状況がFAXで送られてくる場合、これを手打ちでデータベースに入力しているとミスが発生してしまいます。手打ちよりも、データをスキャンしてOCRで読み取ることの方がミスが少なくなるでしょう。そのため、ハードコピーのデジタル化もRPAに適した作業と言えます。これらの作業にRPAを導入することが、勤怠管理システムの最新トレンドとなってます。勤怠管理システムにRPAを導入することで、労働時間の集計作業や給与計算、ハードコピーのデジタル化などを自動化することができます。自動化によって必要なマンパワーを削減するだけでなく、ミスを減らすことが可能です。

AIの搭載

AIはソフトウェアロボットと異なり、自分で考えて判断をすることができます。ソフトウェアロボットが単純な作業を正確に繰り返すものであるのに対して、AIは、大量のデータを分析して、その結果を出力するものだと言えるでしょう。勤怠管理システムにAIを搭載することによって、就業状況のデータを分析して、その結果を出力することができます。

例えば、従業員ごとの出退勤時間や残業時間、有給休暇の取得状況などを分析することで、その従業員の退職や求職のリスクを予測することが可能です。さらに、就業状況とヘルスケアのデータを結びつけてAIに分析させることで、従業員の健康を数値化して管理することもできるようになります。問題の発見や見える化を実現するために、勤怠管理システムにAIを搭載することも、最新のトレンドです。

生体認証の利用

タイムカードとタイムレコーダーによって出退勤時刻を管理する場合、遅刻した同僚のタイムカードを打刻するなどの不正をされてしまうリスクがあります。タイムカードに代えて生体認証を活用することで、本人でなければ出退勤時刻の記録ができなくなり、不正を防ぐことがで可能です。また、生体認証による出退勤時刻の記録を勤怠管理システムに連動させれば、自動で勤務時間や給与の計算ができるようになります。

生体認証というと、特別なハードウェアを用意する必要があり、導入のためのコストが高くなってしまうイメージがあります。しかし、生体認証の中でも、顔認証や静脈認証は、カメラさえあれば実現可能です。既存のパソコンやタブレットに生体認証用のソフトウェアを導入するだけで、勤怠管理システムの中で生体認証を利用することが可能になりました。生体認証のコストが低下して利用しやすくなったことも、勤怠管理システムのトレンドだと言えます。

最新のテクノロジーで勤怠管理はますます便利に

勤怠管理システムは科学技術の発展とともに進化を続けています。特に長時間労働の社会問題化などにより勤怠管理が注目を浴びている現代社会では、その進化はめざましく、最新のテクノロジーを取り入れながら、日々便利になっています。勤怠管理は面倒だというイメージを抱いている場合には、最新の勤怠管理システムを導入することで、業務の効率を劇的に改善させることができるでしょう。

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