BIツールは大企業を中心に幅広く導入されているものの、中小企業での導入率はまだまだ低い傾向にあります。人材が不足していて業務を効率化したいと感じている中小企業だからこそ、BIツールは大きな効果を発揮するという面もあります。ここではBIツールの基本を詳しく見ていきましょう。

BIツールとは?

BIツールは、そのままでは使いにくいデータを人間が分析しやすい形に加工して、見える化するツールです。会計や営業、販売、集客などに関する膨大なデータを日々集積してはいるものの、それを十分に有効活用できている会社は決して多くありません。

データを収集する本来の目的は、そのデータを使って意思決定や経営方針の検討に役立てるためです。ただ、これらのデータから本当に意味のあるデータを抽出し、使える形にするには高度なスキルが要求されます。アナリストやコンサルタントなどのように数値を読み解くスペシャリストが組織内にいればいいですが、中小企業などの場合にはそういった人材を確保するのも難しいでしょう。そこで役に立つのがBIツールです。

BIツールはデータの集計はもちろん、分析やレポーティング、市場の動向分析などの機能を備えていますので、高い専門的知識がないという人や、初めて利用するという入門レベルの人であっても、比較的簡単にデータ分析を行うことができます。

また膨大なデータの集計や分析は、たとえその道のプロが行ったとしてもかなりの時間がかかってきます。業界にもよりますが、経営における意思決定は迅速さを求められることがほとんどです。いつまでもデータ分析に時間を使っていては、競合他社に遅れをとり、気付いたらシェアを奪われていたなどということになりかねません。この点においてもBIツールを使えば人間では不可能な速度でのデータ分析が可能になるため、迅速な意思決定に役立つのです。

BIツールとBIの違いは?

ビジネス上でもよく聞かれるようになったBIやBIツールという言葉ですが、このふたつを混同して使っている人も少なくありません。BIツールはあくまでもBIをサポートするためのものであって、BIツールそのものにBIの意味はありません。分かりやすくいうと、BIツールはあくまでも人間の意思決定をサポートするものであって、BIツールそのものが意思決定をしてくれるわけではないということです。

そもそもBIとは「Business Intelligence」の略で、企業のデータを経営の意思決定に役立てるものとして定義されます。最終的な意思決定をするのは人間であるということを忘れはいけません。そのため、BIツールを導入したからといって必ずしも売り上げが伸びたり、業績がよくなったりするわけではないのです。

BIツールはデータに意味を与えることはあっても、データを解釈することはないため、BIツールを使う人によって出てくる答えが変わるということも覚えておきましょう。ここを勘違いしてしまうとせっかくBIツールを導入したのに、それをうまく使いこなすことができないという状況に陥りますので注意が必要です。

BIツールはどのくらい普及しているか?

ガートナージャパンの調査によれば、従業員数が2000人を超える大企業のBIツール導入率は、2016年の時点で80%以上に達することが示されています。日々膨大なデータが蓄積され、ビッグデータを処理する必要性のある大企業ではほとんどの企業で導入されていることが分かります。しかし、一方で従業員数20人以上の企業も調査対象に含めてみると、その導入率は40%以下だそうです。

この調査結果から、中小企業での導入率がとても低いことが分かります。この理由としてはさまざまな要素があるでしょうが、導入しても有効利用できていないケースがほとんどで、その結果利用をやめてしまう企業や、そもそもBIツールにハードルを感じている企業が多いという点が考えられます。

BIソリューション/ツールの利用状況に関する経年変化(従業員数2000人以上) 出典:ガートナージャパン

BIツールで何を解決するか?

中小企業での導入率が低く、導入しても有効活用することができていないとすれば、それはBIツールへの誤解が大きな原因だと考えられます。前述した通り、BIツールはあくまでも意思決定をサポートするもので、BIツールが意思決定をしてくれるものではありません。そのため現在、経営に課題を抱えているという場合でも、それが意思決定レベルでの課題なのであればBIツールを導入したとしても何も変わりません。逆に、抱えている課題がビッグデータの処理や集積されたデータの分析というレベルなのであれば、BIツールは大きな効果を発揮してくれることでしょう。

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