モバイル端末の保有率が8割超

総務省が発表した「平成29年版 情報通信白書」によると、2016年における個人のモバイル端末全体(携帯電話・PHS及びスマートフォン)の保有率は83.6%であった。

これだけモバイル端末が普及した今でも、ビジネス現場で積極的にモバイル端末が活用されている事例はそこまで多くない。なぜなら、情報漏えいや不正アクセスといったセキュリティリスクが増加するのに加え、既存のメールやグループウェアを携帯電話やスマートフォンなどのモバイル環境で利用するには、コストと労力が必要になるからだ。

アプリのラッピング作業で運用負荷が増大

ソニーフィナンシャルホールディングス傘下で生命保険事業を手がけるソニー生命保険と、20ヶ国以上で事業を展開するエイゴングループのエイゴン・インターナショナルとの合弁により、2009年12月に営業を開始したソニーライフ・エイゴン生命。同社では2014年頃まで、Microsoft Exchange Serverでオンプレミスの社内システムを構築し、iPhoneの標準アプリからメールやカレンダーなどを利用していた。しかし、この環境では情報の機密性を十分に確保できないことから、モバイルソリューションの選定を開始したという。

ソニーライフ・エイゴン生命 情報システム部 システム業務課 統括課長 馬場正晴氏

ソニーライフ・エイゴン生命の情報システム部 システム業務課 統括課長の馬場正晴氏は「この時にBlackBerry製品(旧Good Technology社製品。2016年にBlackBerryが買収)も比較検討の対象に含まれていましたが、当時はまだサポートベンダーが1社しかない状況に加えて、国内事例の少なさと価格面での折り合いがネックでした。また、同時期にデスクトップ仮想化のプロジェクトが進行していた関係から、そちらと親和性の高い仮想アプリケーションソリューションの導入を決定したのです」と語る。

こうして完成した従来システムは、当初課題とされていた情報の機密性をクリアするものであった。しかし一方で、情報システム部の運用負荷が増えてしまうという、新たな課題が生じたという。

馬場氏はこの点について「App Storeから直接アプリをダウンロードすることができない仕様だったため、メールやカレンダーなどのアプリのバージョンアップがある度に自社内でラッピングする手間が発生していました。端末支給者の約8割が営業スタッフなのですが、彼らは全国各地で営業活動を行っているため、アプリの更新が必要な際は、月末の部会など、全員が帰社するタイミングに合わせて一度端末を回収し、当日のうちに再セットアップを済ませる必要がありました。また、OSやアプリのバージョンアップに応じて、不具合なく動作するか検証を行うための手間と時間も大きな負担となっていました。基本的な運用方針として、業務で使用するアプリ以外の部分は各ユーザーに管理を委ねていたので、OSのバージョンなどに差異が生まれやすいといった点も、検証の工数が増える要因のひとつでした」と話す。

従来システムの運用開始から2年が経過した2016年、同社ではこうした運用負荷の課題に加え、サポート終了期日が迫ってきた関係から、改めてモバイルソリューションの選定を開始。従来システムで採用していたソリューションの「バージョンアップ版」を継続使用するか、それとも新しい製品に移行するか、複数製品を比較検討した末、最終的にBlackBerryへの移行に踏み切った。


本稿で紹介するPDFでは、ソニーライフ・エイゴン生命がBlackBerryを選んだ理由・導入の決め手は何だったのか、BlackBerryでどのように課題を解決したのかをわかりやすく解説している。いま一度、モバイル環境を見直したいと考えている方は、ぜひ一度チェックしてほしい。

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