DLPは内部情報漏洩対策に有効なツールで、多くのメリットを有していますが、注意点も存在します。業務負荷を上げずに強固なセキュリティ体制を維持するため、デメリットも理解しておきましょう。
メリットが多いDLP(内部情報漏洩対策)ツールの活用
DLP(内部情報漏洩対策)は、組織内部からの情報漏洩インシデントを防ぐためのツールとして、多くの企業・団体などに採用されています。そのメリットはいくつかありますが、ベンダーが提供しているDLPツールはさまざまな事例の中で熟成されており、導入に必要な時間や人員を節約できるという点が代表的です。
DLPを使用せずとも内部からの情報漏洩対策は可能ですが、それを実現するためには専門知識を持った人材の確保、社内への周知、予算などが必要となるでしょう。DLPを利用すればこれらのコストを外部に移転することが可能なうえ、自力で達成するよりも高度で使いやすい仕組みの導入が期待できるのです。
DLPが実際に企業にもたらすメリットは、目に見えにくいかもしれません。しかし、情報漏洩が発生した事例を考えてみれば、そのデメリットを防いでくれること自体が最大のメリットであることを理解できるはずです。
デメリットを把握も! 導入時の注意点
DLPは従業員や職員が利用するPC、業務用のUSBメモリなどにも適用されるため、導入当初は業務負荷が上がってしまったように感じるかもしれません。実際に、個人用PCのハードディスクを暗号化したり、メールにデータの添付ができなくなったりと、一部の業務プロセスには変更が必要になるでしょう。さらに、DLPツールをインストールしたことによって情報端末やサーバのパフォーマンスが低下することも考えられます。
このようなデメリットは、実際に働く人間が体感しやすいため、どうしても不満として組織内に鬱積しがちです。これを緩和するためには、なるべく業務利用時に負荷がかからないようなDLPツールの選定や、導入後の運用体制立案、社員への教育などが必要になるでしょう。
特に社内全体の情報漏洩に対する意識は、できるだけ高めておくべきです。組織全体が高いセキュリティ意識を持てるようになれば、DLP導入後のデメリットは薄まっていくと考えられます。
導入前の業務プロセス見直しも必要
実際にDLPを導入したものの、著しく業務効率が下がってしまったり、運用コストが高くなってしまったりという事態が起こらぬよう、事前にツールとしての機能を吟味しておく必要があります。端末を対象としたエンドポイントDLPなのか、ネットワークやサーバに対するDLPなのかという切り分けと理解も必要です。
また、できるだけ少ないコストで高い安全性を確保するためには、自社内の業務プロセスを見直すことも必要になってくるでしょう。そもそも業務プロセスが効率化されていない状態では、仕事自体が煩雑になりがちで、管理も難しくなってしまいます。これは、内部からの情報漏洩インシデントが発生しやすい状態といえるかもしれません。DLPの導入と並行しながら、情報を適切に管理しやすいセキュアな体制づくりをすすめていきましょう。
ツールだけに頼らない内部情報漏洩対策
DLPは内部情報漏洩対策の肝ともいえる仕組みですが、それを扱う人間や適用される業務プロセス自体に問題があれば、本来の力を発揮することは難しいでしょう。情報を漏洩させるのはあくまでも人であり、情報漏洩に対する意識づけや体制の強化も注意点として挙げられるのです。
できるだけスムーズに導入・運用できるDLPを選択しつつ、内部の人間に対する教育も忘れないようにしたいところです。
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