IaaSはクラウド上から情報インフラ設備を提供するサービスだけに、緊急時のサポート体制も大切です。オンプレミス型であれば専用の監視システムや障害復旧対応チームが必要ですが、IaaSではどのようなサービスを提供しているのでしょうか。大手IaaS事業者のサービス例を参考としながら紹介していきます。
IaaS事業者が提供する障害発生時のサポート事例
IaaS事業者にとっては障害発生時のサポートも大切な商品の一つと言えます。国内外問わず大手IaaS事業者では、ある程度まで無償のサポート体制を提供しており、トラブル時には問い合わせへの対応などを行っていますので、その具体例を事業者別に見ていきましょう。
- 富士通クラウドサービスS5
富士通クラウドが提供する仮想共有型IaaSである「S5」では、仮想マシンの不具合に関する報告を受付、回答するメールサービスを提供。基本的には営業日の午前9時から午後17時までの対応で、無償対応としています。
- IDCFクラウド
IDCフロンティアが提供するIDCFクラウドでは、標準サポートの中に24時間365日受付のオンラインサポートが含まれており、手厚いサポート体制が売りです。特に障害連絡受付に関しては、単なる受付だけではなく対応時間も24時間365日を謳っており、専任のエンジニアが常駐しています。無償でここまでの体制が構築できるのは珍しい例と言えるでしょう。
- ニフティクラウド
ニフティクラウドでは、基本的な監視設定や障害お知らせメールの利用は無料です。ただし運用代行は個別見積もりが必要となっているため、注意しておきましょう。
- AWS(amazon web service)
AWSでは最も基本的な平日9時から18時のEメールサポートが月額29米ドルからで、障害対応は12時間以内の回答となっています。それ以上となれば月額100ドルで電話やチャット連絡が可能かつ障害対応が1時間以内のビジネスサポートプラン、同じくチャット・電話・メールで月何度でも24時間利用可能かつ非常事態には15分以内に応答があるエンタープライズサポートプランが用意されています。ただし、実質24時間対応となるエンタープライズサポートプランは月額15000ドルとかなりコストがかかりますので、国内業者とよく比較検討してみましょう。
オプション対応としてどこまでサポートしてくれるのか?
前述したIaaS事業者の対応は、AWSを除けば基本的なサポート内容であり、有償ではあるもののさらに充実したサポートも用意されています。そこで国内3社の有償サポート事例を見ていきましょう。より高度で安心できるサポート体制を望んでいる担当者は必見です。
- 富士通クラウドサービスS5
富士通クラウドサービスS5では、無償のEメールサポートに加えて、有償のヘルプデスクサービスやソフトウェアサポートを用意しています。このヘルプデスクサービスには仕様の詳細に関する回答や、実際の不具合に対する原因調査、回避方法の相談を受け付けており、無償サポートより一歩進んだ内容です。ヘルプデスクサービスは通常コースとライトコースに分かれ、通常コースでは24時間受付の電話対応サポートを受けることが可能です。また、契約は仮想システム5つ毎ですので、仮想システムの数が増えれば複数のヘルプデスクサービスを契約することで対応可能としています。
- IDCFクラウド
IDCFクラウドでは、24時間利用可能な無償サポートをさらにグレードアップさせたプレミアムサポートを設けており、こちらは平日午前9時から午後17時限定で利用可能です。月額料金は5000円で、技術スタッフが直接不具合の相談を受け付けています。無償の標準サポートと組み合わせて利用する方法が良いでしょう。
- ニフティクラウド
ニフティクラウドでは友人監視サービスがオプションとして用意されており、一般的なヘルプデスクサービスであれば、仮想マシン1台あたり8000円で提供されています。監視対象マシンに異常を検知した場合、メールもしくは電話で通知してくれるほか、1次対応(電源の再投入など)までを行うサービスです。
このようにサポート体制についてはやはり国内事業者のほうが低額で手厚い印象を受けます。事業者によってオプション内容はさまざまですから、自社の運用体制を合わせて最適なサポートオプションを選定してみてください。
[PR]提供:マイナビニュース TECH+