社内のITシステムの構築にあたり、サーバーやネットワーク機器などのハードウェアを購入またはリース契約して社内に設置するという運用方法をオンプレミスと呼びます。従来はオンプレミスや、外部のレンタルサーバーなどを利用するシステム運用が一般的でしたが、クラウド技術の発展によりIaaSという新たなシステム構築方法が現れました。

ハードウェア機能をクラウドサービスとして提供するIaaSは、設備投資面から見るとどのようなメリットがあるのでしょうか。

オンプレミスとのコスト比較

オンプレミスとIaaSを比較すると、まずオンプレミスであれば「固定資産」、IaaSであればサービス利用料の「経費」というコスト形態の違いがあります。したがってIaaSを導入すれば固定資産税の評価額が減じる場合があるという、税金面でのメリットが1つ挙げられます。

またコストを検討する際には、初期コストと各種ランニングコストの2種類を考え合わせることが重要です。

初期コスト面では、オンプレミスに関してはサーバー、ネットワーク機器、ソフトウェアライセンスなど初期費用が比較的高額になる上、長期間にわたる使用量のシミュレーションをふまえ適切な初期投資を行う必要があります。

一方でIaaSに関しては初期費用無料のサービスも一般的に見られるなど、初期コストが低い点が特徴です。

また、ランニングコスト面でも、オンプレミスに関しては、自社でのシステム管理コストや運用負担が生じる上、サーバー増強、システムの変更、新規システムの構築などの場合に再び大きな投資が必要になる可能性があります。

しかし、IaaSに関しては、ハードウェア面の運用・運用をサービス提供事業者が請け負うため、ランニングコストが安定します。サーバーを増強する場合も、クラウド上での変更のため比較的安価に済ませることが可能です。

IaaSでコストの見える化を図ろう

IaaSの大きな特徴は、自社の事業拡大に伴って、その時々で必要なコンピューティングリソースや基本機能を柔軟に追加・変更できる点です。したがって、使用量に見合わないレベルの高価あるいは安価なハードウェアを使い続ける必要がなく、ランニングコストを最適化できることがメリットと言えます。

この時もう1つメリットとなるのが、システム構築・運用に関するコストが見える化することです。IaaS導入にあたっては、自社のシステムに最低限必要なサーバー量や通信速度などからスタートし、運用中に適宜変更をかけていくことになるため、常に自社のシステムの使用状況やコストをチェックし、適切であるかどうかを検討する作業が重要になります。

さらにオンプレミスでは支社・支店・部署ごとのハードウェア管理を行うケースも多くありますが、IaaSでは全社一括してのシステム管理のため、支社や部署ごとのコスト差が生じず、包括的なコストの見える化・適性化が図れます。

このように自社の事業継続・展開の中で適宜コストの見える化を実施する機会があり、それが無駄のないシステム運用や運用コストに反映される点が、IaaSのメリットであるといえます。

また自社社員ですべてを管理する場合は、システムに関する知識・能力あるいは仕組みが不足し、十分なコスト管理ができないことがあります。対してIaaSの場合、サービスによっては運用管理ツールを提供したり、担当者のアドバイスを受けられたりするケースがあり、自社社員のみでは対応できないコストカットやシステム運用の効率化が図れる点も、同じくメリットといえるでしょう。

このようにオンプレミスとIaaSでは、設備投資面において違いがあるため、自社のシステム環境やニーズに応じて選択してみることをおすすめします。

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