ネットギアジャパンの協力を得て、小規模企業がネットワーク環境を一新する企画の第3弾! 本稿1回目で触れたとおり、デスク用にふたつのハブスイッチを使い分けている著者のオフィスだが、ポートまわりが少々雑然としていたり、ポート数が足りなくなっているのが悩みの種だ。そこで今回は、ネットワーク管理をシンプルにすべく、「クリックスイッチ」と呼ばれるネットギアのハブスイッチ製品を取り上げたいと思う。
事務所の間取りを使い切る
ネットワークを構築する場合、最も気を使いたいのはケーブルの引き回しだ。これを誤ると、後々の使い勝手に大きく影響する。くわえて、多くの場合はやり直しがきかない(やり直したくない?)から厄介だ。筆者の会社の屋内スペースは1回目で紹介した通りだが、机の配列や間取りを活かし、無駄のないよう、かつ拡張性も考えてケーブルを敷設していく必要がある。
編集・執筆スペースにあるスイッチのポート数増設と、打ち合わせスペースへのスイッチ追加がまずは課題だ。スイッチは一度設置したら、先の理由もあり5年以上は使いたいところなので、後述するが品質がとても大切になる。これを見誤った過去の例では、たとえばスイッチのポートが一つずつ接続不良になっていったり、スイッチそのものが謎の不調を起こしたりなんてこともある。設置してしまえばなかなか手を出さなくなる部分だけに、製品選びは慎重におこなう必要があるだろう。
重ねてになるが、ネットワークの敷設にはケーブルの引き回しに気をつけたい。あちこちにケーブルの余りが丸めてあるようでは、すぐに雑然としてしまい。万が一のときに「何色がどのPCと接続されているのか」「どれが本線なのか」など、まったく分からなくなるという事態に陥りかねない。ネットワークは、止まってしまうと企業活動が完全に止まってしまう程、非常に重要な役割を担う。有事の際にスムーズな対応をできるよう準備をしておくことは必然であり、この辺は過去に失敗した人も多いと思うので、十分設計案を練ってから施行したい部分だ。
スイッチはどこに注目すべきか
これは筆者の考えだが、スイッチという製品は、対応する通信速度域さえ同じであれば、安い方がお得に思えてしまう。しかし、スイッチを単純に、LANケーブルの“たこ足”程度に捉えるのは良くない。会社で運用するとなれば、安定性と長期的に稼働し続けてくれる可用性が必要になるし、将来ビジネスを大きくしていくのであれば、スイッチに他の機能を持たせたくなるケースも出てくるだろう。そのように考えると、単純に安ければ良いでは済まず、信頼性に加え、拡張性も確保しておきたいところだ。
本稿で仮導入を行うギガビット16ポート クリックスイッチ GSS116E |
ポート数: 1000Base-T(10Base-T/100Base-TX) 16個 ポート機能: オートネゴシエーション ○ MDI/MDI-X 自動切替 ○ IEEE802.3X フロー・コントロール ○ PoE(Power Over Ethernet)給電 なし サイズ: 407mm×70mm×35mm 重量:1.3kg |
例えば、今回選んだネットギアの「GSS116E」は、「NETGEAR アンマネージスイッチ」にVLAN、QoS(Quality of Service)、ポートミラーリング、ループ検知、ブロードキャスト制御など、多くのネットワーク環境で利用される機能を備えている。各機能は「Prosafe Plus Utility」というユーティリティソフトで設定が可能。GUI上で操作を行うことで、トラフィック最適化といったネットワーク管理に不慣れな企業でも導入しやすくなっているのが特長だ。
もちろん、「これらの機能をすべて使いこなせ」というのではなく、「この先ビジネスが拡大していくに伴って、必要になる可能性が高い機能や管理性を備えておこう」という位置づけになる。いわば先行投資のようなものだが、ネットワークを構築しなおす工数などを考えれば、1つの選択肢として非常に有力だ。
もともと長期間の安定運用で定評のある「GSS116E」ではあるが、ネットギアジャパンが提供する「ライフタイム保証」によってさらに信頼性が高まる点も評価できる。簡単にいえば、「ハードウェア面の故障については、期間を定めず無償で製品保証する」というサービスだが、これが標準で添付されるのはうれしいところ。ベンダーとしては、よほど製品への自信がなければ付与できない保証だ。
信頼性が高く長期の安定稼働が期待でき、将来への拡張性も担保されている。さらに、市場価格で見てもリーズナブルな魅力的製品ということで、少々遠回りにはなったが、今回は「GSS116E」と「GSS108E」をスイッチとして導入することになったのだ。
敷設のコツは「きっちり測る」こと
無事にスイッチの選定も済んだので、いよいよ事務所に敷設だ。「GSS116E」は編集・執筆スペース、「GSS108E」は打ち合わせスペースに配置することは、それぞれの環境で必要なポート数から事前に決めているので、作業はLANケーブルを繋ぐだけ。とはいえ、先にも述べたように、ここでの綿密さが後の快適さへ繋がるので慎重に進めたい。
まずは、スイッチの設置場所を決めよう。「GSS116E」および「GSS108E」にはLEDインジケーターが搭載されており、これによってポートの稼働状況が分かるようになっている。どこか一方向からはLEDの確認ができるようにしておくと、後々のメンテナンスが容易になる。ここでネットギアの「クリックスイッチ」の良いところが垣間見えるのだが、この製品では付随のパーツを用いることで、机の側面など様々な場所に自由度高く設置することができるのだ。たとえば打ち合わせスペースに設置する「GSS108E」の場合、卓上での設置は打ち合わせの邪魔になるため避けたい。しかし床に設置してしまっては利便性を損なう。そんな悩ましい状況も、下の写真の通り最適な設置を行うことができる。
ネットギアのクリックスイッチは、設置ベースとなるパーツが付随されているので、自由度の高い設置が可能だ。まずはこのベースを決めた場所へしっかり貼り付けるのだ。ベースさえ決まれば本体は縦横どちらにも設置できる優れものである。なお、LANケーブルが差し込まれるとスイッチの移動が面倒になる。その辺もよく考えてから設置場所を決めていただきたい。
次に、各デスクとPCの設置場所を検討し、LANケーブルの長さを決める。コネクタを自作できるのであれば、ある程度の長さで切り出してからパチリパチリと刻んでいくことも可能だが、時間も無いので出来るだけ汎用LANケーブルで済ませたい。市販されているLANケーブルは一般的にメートル刻みで、3m未満のものであれば50cm刻みのものもある。つまり、最適な長さを割り出し、その値のすぐ上の長さのモノを採用するようにすれば、それほど大きな差違は出ないし雑然とすることもない。例えば、スイッチから1.2mの長さが必要なら1.5mのLANケーブル、2.1mなら2.5mの製品という感じだ。
これらは簡易図面とメジャーがあれば算出できるが、なるべく丁寧に測っておくことをお勧めしたい。適当に計測してしまったりすると、あとでケーブル長が「ちょっと短い……」となりがちなので十分注意していただきたい。
細かいことだが、歩くスペースにケーブルを通す場合は、家電製品のケーブル保護用のモールなどを利用して、直接踏んだり躓いたりしないような工夫をすることも大切だ。机の裏を通すときはあまり気にしなくてもよいが、ケーブル切断や部分的な激しい劣化に繋がらないよう十分考慮してほしい。
長期にわたって使い続けられる信頼性と拡張性が重要
リアルなネットワーク敷設は、事前の検討とマメな測定、そして信頼性と拡張性を持ったスイッチ選びが重要。長期間に渡って使用することを前提とするならば、「安ければいい」「間に合っていればいい」という観点にはならないことをお分かりいただけたかと思う。かくいう弊社も、ネットワーク敷設後は、冒頭で課題となっていた雑然としたポート管理は改善したことは言うまでもない。
以前のネットワークと比べ、ケーブル取り回しの利便性が向上し、不足していたポートも追加できたため、スタッフ一同も大満足な結果となった。安価を求めたわけでは無いが、コストパフォーマンスという意味では成功だったと自負している。みなさんも、すっきりと使いやすい事務所を手に入れたいのであれば、本稿で紹介した製品を候補として加えていただきたいと思う。
無線LAN、有線ネットワークの整備を進めてきた本企画であるが、次回はネットワークストレージとして「ReadyNAS」の導入を行っていきたい。
新規ネットワーク機器(予定)
・NAS←New!
・複合機
・クライアントPC×5~9(常時接続5台)
・4ポートルータ(10/100/1000BASE-T)×1←無線LANルータ×1へ変更!
・無線LANアクセスポイント×1←New! 本稿で換装
・ルートハブ 6ポート(10/100/1000BASE-T)×2←New! ※適所へ2台新設
・監視カメラ←New!
・無線LAN中継機←New!
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