■事例先企業情報
企業: AXA Konzern AG
所在地:ドイツ
ウェブサイト:https://www.axa.de/
AXAは、200年の歴史を誇る世界最大規模の保険会社です。同社の成功を支えているのは、信頼できるパートナーとしての評判です。AXA Konzern AGは、ドイツの大手保険会社の1つで、8,687人の従業員を擁し、2019年には109億ユーロの収益を上げています。AXAは、個人および労働保険、健康保険、財産および災害保険、資産管理のための包括的なソリューションを提供しています。
■ご利用のSnowflakeワークロード
・データレイク
・データウェアハウス
・データサイエンス
・データシェアリング
■ストーリーの要点
ROIの増加
Snowflakeによって強化されたAXAのスマートデータプラットフォームは、ROIが10%以上増加し、現在も増え続けています。
データサイロの排除
Snowflakeの高い拡張性とパフォーマンスにより、データサイエンスチームはAIおよび機械学習(ML)ワークロードをSnowflakeに移行し、データサイロを排除することができました。
自社データに対するコントロール
Snowflakeは、データセキュリティに関する懸念を取り除き、AXAが政府およびEUの規制よりも厳格な独自の高度で堅牢な基準を満たせるようにしました。
課題:データサイロを排除して誰もがデータにアクセスできるようにする
AXAは、最初のデータベースを設置した1982年以来、データの生成と保存を続けています。同社は、長年かけて大きく成長し、他企業の吸収・合併を通じてその能力を拡大してきました。しかし、AXAは多数のデータサイロを抱えており、古いオンプレミスシステム間でデータの不整合が発生するようになっていました。度重なる統合によってプロセスが複雑になるとともに、データの品質とガバナンスに関する問題も生じました。
AXAの経営陣は、将来に対応できるクラウドベースのプラットフォームをシングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)として作り出す必要があると判断しました。AXAのスマートデータプラットフォームの目標は、複数のソースに散在しているAXAのすべてのデータを一元化し、高いパフォーマンスを維持しながら、社内の数百人のユーザーがプラットフォームに同時にアクセスしてクエリを実行できるようにすることでした。データ分析プラットフォームの責任者であるMoritz Knorr氏は次のように述べています。
「このデジタルトランスフォーメーションの時代において、当社は月に数テラバイトのデータを生成しており、データ量は今後も急増し続けると予想されます。データワークロードは、高度なMLおよびALユースケースの導入により、ますます要求の厳しいものになるでしょう。当社のデジタルトランスフォーメーションの一環として、AXAのすべてのユーザーがデータドリブンな意思決定を下せるようにすることが重要事項でした。しかし、それだけでは十分ではありません。私たちは、AXAの要求の厳しいデータガバナンス基準へのコンプライアンスを確保するためにアクセス許可をきめ細かく管理する能力を必要としていました。Snowflakeはこの厳しい要件を満たしてくれました」(Knorr氏)
解決策:すべてのデータ利用者にサービスを提供できる拡張性
現在は、AWS上にあるSnowflakeのデータクラウドが、AXAの新しいスマートデータプラットフォームの中心となっています。生データは、ランディングゾーンとして機能するSnowflakeデータレイクに保存されます。このデータレイクでは、高度なデータユーザーがあらゆるデータにアクセスし、さまざまな新しいユースケースをサポートできます。クラウドによる安価なストレージコストとSnowflakeの自動圧縮機能により、この大規模なデータレイクは高い費用対効果を生み出します。このセットアップはほぼ即座に拡張可能です。また、Snowflakeはニアゼロメンテナンスで、ストレージが最適化されているため、データチームは重要なビジネスタスクに専念することができます。
さらに、データは事業全体の広範なコンシューマーのオーディエンスに対応できるように調整されます。AXAにとって、データVaultは最大の価値を提供する最新のデータモデリングフレームワークです。データVaultにはさまざまなメリットがありますが、スムーズに活用するためには、高パフォーマンスのデータプラットフォームを基盤とする必要があります。Snowflakeのマルチクラスターおよび共有データアーキテクチャと最適化された列指向ストレージ形式により、AXAはデータVaultを活用しながら、Snowflakeのほぼ即座の拡張性によりコンピュートパワーに対する高い需要に対応することができます。
「Snowflakeでは、これまでパフォーマンスの問題が発生したことはありません。パフォーマンス要件の厳しいデータVault手法を使用しているにもかかわらず、技術的な制約に悩まされたこともありません」とKnorr氏は述べています。
結果:データサイエンスワークロードを強化
以前は、インフラストラクチャの制約により、保険数理業務でのリスク評価が従来の統計的手法に限られていました。Snowflakeのコンピューティングとストレージの分離では、ユーザー数およびデータ量の制約がなく拡張できるため、AXAはより多くのデータを活用する高度なAI/MLモデルの開発に着手することができました。Knorr氏は次のように述べています。
「AXAのデータサイエンティストたちは、手動で最適化されたPostgreSQLデータベースからSnowflakeにデータとワークロードを移行する前は懐疑的でしたが、Snowflakeのパフォーマンスには驚いたようです。移行は数か月かかると予想されていましたが、調整を必要としない高速なパフォーマンスにより、Snowflakeのオンボーディングが迅速に進み、1か月足らずで移行できました」(Knorr氏)
現在、ほとんどの保険数理業務とデータサイエンスのユースケース(特に財産および災害保険の保険料設定と保険金請求)はSnowflake上で行われています。Snowflakeの高い拡張性とパフォーマンスにより、データサイエンスチームの外部のコンピュートリソースからSnowflakeへのワークロードの移行が促進されました。モデルトレーニングのほか、Snowflakeを利用することで新しいデータサイロの形成が阻止され、ビジネスユーザーはMLドリブンのインサイトを利用しやすくなり、それに基づいた行動が推進されるようになっています。
「Snowflakeの利用による最も直接的な影響は、私たちが新しいMLユースケースを実現できるようになったことです。私たちはより多くのデータをより効率的に処理できます。このような新しい機能によって粗付加価値が大幅に増加しました。現在の価値プレミアムの増加率は10%となっています」(Lessen氏)
すべてのデータを制御しながらセキュリティリスクを軽減
Snowflakeのセキュリティリスクを軽減および緩和する能力は、AXAにとって重要な価値促進要因です。AXAの最高データ責任者であるTinovan Lessen氏は次のように述べています。
「Snowflakeのオペレーションモデルにより、規制コンプライアンスがエンドツーエンドで確保されるとともに、Snowflakeがなければ分断によって生じたであろう盲点が排除されています。当社は、以前は高度なセキュリティ基準を実行に移すためにコストのかかる運用上および技術的な取り組みを実施していましたが、現在はSnowflakeによってセキュリティリスクを軽減できるようになりました」(Lessen氏)
機密性の高い顧客データを扱う保険会社であるAXAにとって、データセキュリティは重要な役割を果たします。同社のデータ保護に関する社内規定は、EUおよびドイツのBaFinによって課される厳格な政府規制を上回っています。AXAは、データのライフサイクル全体を通じて唯一のデータコントローラーです。これもSnowflakeの中核的なコンセプトです。
AXAのエキスパートは、Snowflakeのエンタープライズグレードの暗号化、多要素認証、自動キー管理、堅牢な侵入検知について、広範な評価を通じて分析を行い、それらの機能がAXAの高い基準を満たすことを確認しました。Snowflakeは、データセキュリティに関する懸念を取り除き、絶えず進化する脅威からデータ資産を保護するという課題を解決しました。AXAは、Snowflakeを使用することで、このような大規模なプラットフォームに対するセキュリティの取り組みを大幅に軽減しました。
将来:Snowflakeのデータクラウドで外部データを利用
AXAのスマートデータプラットフォームにとっては、1つのテクノロジーに固執しないことが重要です。Snowflakeは特定のクラウドに依存しないため、AXAはSnowflakeのマルチクラウド機能を、クラウドプロバイダーが提供する最高のテクノロジーを利用できるという安心感があり、将来のロードマップになるものだと考えています。
AXAのスマートデータプラットフォームは常に進化しており、社内データソースの数は増加し続けています。1つのプラットフォームで組織内のすべての関連データにアクセスできるようになったため、次に目指すのは、外部データの取り込みです。Snowflakeデータマーケットプレイスは、データエンジニアの作業負荷を軽減しながら、そのようなサードパーティデータに簡単かつ安全にアクセスするためのテクノロジーを提供します。
AXAは今後、Snowflakeセキュアデータシェアリングを使用してあらゆる外部データを利用することを計画しています。すでに、AXAのデータプロバイダーの中には、非常に使いやすいこのテクノロジーを使ってAXAにデータを提供しているところもあります。Snowflakeのデータクラウドでは、いつでも最新の外部データを利用できるため、AXAのデータコンシューマーは競合他社に対する優位性が得られます。
Snowflakeについて
Snowflakeは、Snowflakeのデータクラウドを用い、あらゆる組織が自らのデータを活用できるようにします。お客様には、データクラウドを利用してサイロ化されたデータを統合し、データを発見してセキュアに共有し、多様な分析ワークロードを実行していただけます。データやユーザーがどこに存在するかに関係なく、Snowflakeは複数のクラウドと地域にまたがり単一のデータ体験を提供します。多くの業界から何千ものお客様(2021年7月31日時点で、2021年Fortune 500社のうちの212社を含む)が、Snowflakeデータクラウドを自社のビジネスの向上のために活用しています。詳しくはsnowflake.comをご覧ください。
関連リンク
※本記事はSnowflakeから提供を受けております。
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