名刺情報は、名刺そのままの状態では企業の営業秘密として認められず、退職者に持ち出されても法的措置を取ることができない……。本連載の第2回目で、企業の資産管理や情報管理に詳しい金井 孝三 氏(Sky株式会社 ICTソリューション事業部 執行役員)は、そう説明してくれた。どうすれば名刺情報を会社の資産として守ることができるのか、引きつづき金井氏に解説をお願いした。
名刺を「営業秘密」にするには、3つの性質が必要
顧客とのコミュニケーション手段として、名刺情報は会社の重要資産だと言えますが、残念ながら日本の法律においては、業務で入手した名刺に関する取り扱いについて、明確に会社で規則等を定めていない場合には従業員や退職者が名刺を持ち出すことを制限するのは限界があります。と言っても、会社として何も手を打てないわけではありません。名刺情報に3つの性質を付加することで、不正競争防止法における「営業秘密」として認められ、法的に守ることができるようになるのです。営業秘密の3つの性質とは、「秘密管理性」「非公知性」「有用性」です。
秘密管理性とは、それがビジネスに直結した秘密として管理されているかどうかを意味します。名刺に当てはめて考えてみましょう。相手と交換したままの状態の名刺には、氏名や役職、会社の所在地、連絡先など、ほとんどが公開されている情報しか印刷されていません。
しかし「この人は●●部のキーマンである」や「いくらの予算を持っている」など、ビジネスに直結する情報が書き加えられ、さらに名刺データを保存したサーバのアクセス権を限定するなど、情報が外部に漏れないよう管理する体制を会社が整えていれば、秘密管理性があると見なされる可能性が高まります。
非公知性は、それが公然と知られている情報か否かを指します。たとえば「この人は、こういう基準で買うものを選ぶ」「好きな色は青」のような、一見、ビジネスと関連性のないような情報も非公知性があると認められることがあります。このような情報を知っていれば、自社製品のセールスをかけるとき、その人の購入基準に沿った製品であることを強くアピールしたり、デザインコンペでは、その人の好みの色を基調にしたものを持っていったりすることができるため、「他社には知られたくない秘密」と考えることができるからです。
そして、こうした情報を名刺に紐付け、営業活動に役立てられていることが認められれば、そこには有用性もあると判断されます。
名刺情報を「営業秘密」にする際、必要となる3つの性質
-
秘密管理性
情報がビジネスに直結した秘密として管理されていること。 -
非公知性
情報が公然と知られているものではないこと。 -
有用性
名刺情報であれば、営業活動に役立てられていること。
3つの性質を満たせるかが、ツールを選ぶ際のポイント
このように「秘密管理性」「非公知性」「有用性」を持たせることで、ようやく名刺は営業秘密、つまり会社の資産と見なされるようになるわけです。会社が適切な管理をせず、情報の付加や活用をしなければ、名刺情報を守ることはできません。
これは管理ツールを選定するにあたっても同様のことが言えます。アクセス権を設定できるか、名刺に個人の情報を書き加えられるか、登録した名刺データをビジネスに活用しやすい機能があるのかなど、名刺を営業秘密として扱える要件が揃っているかどうかを重視すべきでしょう。また前回の記事でも触れたとおり、十分なセキュリティが担保されているのか、操作性に優れているのかといった点も、忘れてはならないポイントです。
次回はここまでの連載をまとめつつ、改めてツール選定の注意点、当社が提供している営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の特長などについて、ご紹介します。
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」は、“業務で得た名刺情報は会社の重要資産”をキーワードに、名刺情報を「営業秘密」として扱うことのできる3つの特性を付与する機能を有し、便利かつ安全な顧客情報管理の実現を支援します。
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の最新情報は公式SNSでも公開中!
Twitter | @skypce__sky |
|
Instagram | skypce__sky |
[PR]提供:Sky