「ChatGPT」の登場を皮切りに、2023年は世界的にAIへの注目が高まっている。しかし多くのビジネスパーソンは、AIへの関心はある一方で、「実際AIで何ができるのか」「先進的な企業だけが活用するものではないのか」「自社ではどのように活用できるのか」と疑問や不安を感じていることだろう。会社として利用を許可するべきか悩む経営層もいることだろう。本連載では、企業におけるChatGPT活用について紹介していこう。

使いこなせば有能なアシスタントに

AIといえばChatGPTを思い浮かべる方が多いだろう。まずはその「ChatGPT」とは何なのか再確認しておこう。

Chat GPTとは、OpenAIという団体が開発したAIで、AIモデル「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」を対話形式で利用するものだ。自然言語処理ができる、事前訓練されたテキスト生成能力のあるAIモデルのため、利用者は特別な前準備なしで利用できる。よく言われる「GPT-3」「GPT-4」というのは利用するAIモデルのバージョンだ。

Chat GPT は、2022年11月のリリースから2ヶ月で1億ユーザーを突破。無料で利用できるバージョンもあるため日本での認知度や利用者も大変な勢いで伸びている。「見当違いな返答をされた」「間違いがあった」と、利用した人からは問題を指摘する声もある一方で、業務の効率化を実現できたという話も多く出てきている。

間違った答えが返ってくるから使えないと感じた人がいるかもしれない。確かに必ずしも正しい回答が返ってくるとは限らないが、人間も間違えることはある。間違う可能性があるからと使わないと判断するのでなく、出てきた回答を鵜呑みにせず、最終判断は自分で行い、活用できる部分は上手に活用していくことをおすすめしたい。ChatGPTの凄さを表現する時によく使われるのが、アメリカ司法試験を上位10%で合格したという実績だ。活用できるようになれば、それだけの能力を持った部下やアシスタントを得られるということになる。

リサーチ・コンテンツ作成・プログラミングに活躍

具体的にどのような使い方ができるのか、簡単に紹介しよう。ChatGPTが得意とするのは、インターネット上の膨大なデータを参照したリサーチやそれを元にしたコンテンツ作成だ。

リサーチ

通常検索エンジンを用いて何かの情報を検索する場合、多くのページの中から目的の情報が掲載されていそうなサイトを選び、そのサイトに載っている情報に目を通し、そして理解しなくてはならない。しかしChatGPTを利用した場合、たとえば「自分の会社で、リモートワークとオフィス出社のどちらをメインにするかを考えたい。どんなことを考えるべき?」という質問を投げると、それぞれのメリットや考えられる課題を大量に挙げてくれる。その中から深掘りしたいものがあれば追加で質問すればいいし、回答が的外れだと感じたら条件を追加すれば再提示してくれる。

企画・立案

企画立案の初期段階でアイデア出しの部分を任せることも可能だ。例えば新しい事業アイデアを考えたい場合、ターゲット顧客や市場の課題などを指定した上で、質問を投げると、さまざまなアイデアを出してくれる。また相手はAIであるため、「違う案を提案してほしい」という、人間相手だと無茶振りになるようなことも気軽に指示できてしまう。瞬時に大量のアイデアが得られるのは大きなメリットだろう。

文章作成

また文章作成も得意で、箇条書き形式でなく長い文章で書かせることも可能だ。テーマや条件を指定すれば、より具体的な骨子や文案を作成してくれる。完璧なものではないかもしれないが、一次案として利用できるだけでも価値がある。80点の文章を作成してもらい、100点を目指して人間が修正するというのが賢い使い方だろう。

プログラミング

プログラミングも得意だ。やりたいことを入力すると、ExcelのマクロやGoogle Apps Scriptなどそれを実現するためのソースコードを作成してくれる。従来は専門的な知識を必要としたことがチャットに話しかけるだけで簡単にこなせる。

国内外で大きな成果を出した事例が増加中

ChatGPTの活用事例も増えてきている。たとえば文章作成の効率が1.6倍になり、クオリティも向上したという事例が出ている。また海外の事例だが、とある大手企業のカスタマーサポートで対応の補助として利用したところ、入社2ヶ月目の社員が入社半年程度の経験を持つ人と同じ対応レベルまで成長できたという。さらに1時間あたりのチャット対応効率が35%向上、対応レベルの向上により顧客のネガティブ反応が減少、離職率が平均8.5%減少するなど大きなビジネス成果を出している。

また日本でも広告事業を行う企業では、広告クリエイティブの制作時間を1/3に短縮できたという事例がある。他にも別の企業では、自由回答式のアンケートをまとめて分析する業務において、これまで作業に5日間かかっていたが0.5日に削減したという。さらに判定精度においても95%の精度を達成したそうだ。

このようにうまく活用すればビジネスに大きなインパクトがあることが報告されている。今は活かしやすい分野や利用しやすい業務において効果が出始めている段階だが、今後あらゆる業務でAIを日常業務の補助として活用する方法は広がっていくことだろう。

活用のコツは質問の仕方に

ChatGPTは誰でも即座に利用できるが、使いこなすにはコツが必要だ。自然言語でのチャットで利用できるため簡単な質問をし、ざっくりとした回答を得るだけなら簡単だが、複雑な回答を求めるのであれば、質問の仕方が重要だ。

たとえば記事コンテンツを作る場合、記事のテーマを与え記事を書いてほしいと言うだけでなく、記事の目的や盛り込みたい要素をきちんと記載することが重要だ。

こうした質問の仕方を「プロンプト」といい、それを工夫することを「プロンプトエンジニアリング」という。プロンプトエンジニアリングについては、AI活用で非常に重要なポイントとして多くの記事や解説動画が提供されている。ぜひ活用して、ChatGPT活用の勘所を掴んでおこう。

広がる「対話型AI」、活用の第一歩はChatGPTから

将来的には、ChatGPTに限らず対話型AIの活用はさまざまな領域で広がっていくことが考えられる。たとえばMicrosoftは、WindowsとMicrosoft365の標準機能として対話型のAI機能を盛り込んだ。ChatGPTをビジネスに使おうと考えなくとも、普段利用しているWindowsやOfficeの画面上で簡単に作業の補助をしてもらったり、設定アドバイスを受けたりするのが当たり前になるだろう。

これからは検索や他のサービスでも対話型AIを通して利用するものが増えると考えられる。それを上手に利用するためにはいち早く慣れておきたいとこだ。そのために今からChatGPTを活用するべきだろう。

日本企業のビジネスを力強くサポートしてきたサテライトオフィスでも、AI活用のサポート体制をいち早く構築し、今必要とされるソリューションを段階別で複数提供すると同時に、AIに関する理解を深めるためのさまざまな支援を行っている。ぜひ相談してみてはいかがだろうか。

監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)

大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。Google Workspace(旧称:G Suite)の導入やアドオンの提供で、これまで実績6万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。

サテライトオフィス

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さまざまなビジネスモデルに最適なソリューションパッケージを開発し、ユーザー目線に立った戦略の企画・提案を行っています。業界トップクラスの導入実績を持つGoogle WorkspaceやMicrosoft 365、LINE WORKS、ChatGPT など、AI関連ならびにクラウドコンピューティングに関わるビジネスの可能性を追求しています。

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