過重労働が大きな社会問題となっている現在。競争力を維持、強化しつつ、人的負担を軽減する施策に苦慮している企業も多いだろう。高齢化による生産年齢人口の減少という問題もすぐ近くまで迫ってきている。こうした状況を乗りきる一つの手段として、いま注目を集めているのが、RPA(Robotic Process Automation;ロボティック・プロセス・オートメーション)だ。海外企業では2000年代初頭から導入が進んでいるが、日本では大手企業の一部で採用され始めた段階にある。
RPAとは具体的にどんなもので、どんな効果をもたらすのか? 導入の方法は? ―― いま企業が押さえておくべきRPAの基礎を、Kofax Japan(以下、Kofax)に解説してもらった。同社はグローバルで500社以上に採用されているRPAツール「KOFAX KAPOW(コファックス カパゥ)」の国内販売・サポートを手がけており、この分野について日本ではトップクラスの経験と実績を持つ企業だ。
ソフトウェア・ロボットが事務作業を代行
これまで人間がPCに向かって、キーボードやマウスを使って行ってきた定型作業を、コンピュータにインストールしたソフトウェア(ロボット)に記憶、代行させるのがRPAだ。導入により、業務の効率化やそれに伴う人的負荷軽減、コスト削減などが期待できる。
具体的な例を挙げて説明しよう。例えば「毎朝メールを受信して、添付されているExcelファイルを開き、そこにリスト化されている注文品を一つずつWebの注文フォームに入力(コピー&ペースト)、発注ボタンを押す」というルーチンワークがあったとする。もし注文数が多かったり、別のWebサイトにアクセスし直さなければ注文できないものや注文コードを変換しなければならないものがあれば、ミスなく作業を終わらせるには相当の時間がかかるだろう。年間で換算すれば、企業はかなりの時間と人件費をこの作業に割り当てることになる。
こうした作業を効率化するために、まず考えられるのが自動化システムを組むという方法だろう。しかしメールソフト、Excel、Webなど、複数のソフトウェアの連携や、注文コードを変換するプログラムの開発、セキュリティ対策の見直しなど、越えるべきハードルがいくつも存在し、実現には大きなコストと時間がかかることになるだろう。アウトソーシングという方法もあるが、人件費やヒューマンエラーが発生するリスクは、社員が作業している場合に比べ、むしろ大きくなってしまう可能性もある。
しかしRPAを利用すれば、ことは簡単に治まる。ソフトウェア・ロボットに作業手順を教え、人が行うのと同じ要領で作業を進めさせるのだ。ロボットがメールソフトを開いてメールを受信、添付ファイルを展開し、注文サイトにログインしてフォームにコピー&ペーストする。注文コードを変換する際の条件を教えておけば、それにも対応できるようになる。きちんと学習させればミスは皆無になり、作業量が膨大になったとしても、疲れることなく24時間365日、働き続けてくれるのだ。
既存のソフトやシステムを利用しつつ効率化が図れる
Kofax Japan セールスエンジニア 神田 秀則氏 |
RPA先進国のアメリカでは、RPA化により人間が携わる業務の25~50%が削減できると言われているが、Kofaxが日本のとある生命保険会社で「KOFAX KAPOW」の実証試験をしたところ、削減できる作業時間は50~80%にも上るという結果が出たという。Kofaxのセールスエンジニアを務める神田 秀則氏はこう語る。
「日報や月報など社内的な報告書や、お客様に提出するレポートの作成など、作業としては単純ではあるものの時間と手間のかかる作業が多い日本企業にとって、RPAは非常に有効に働くと考えています」(神田氏)
既存の環境、ソフトウェアをそのまま活かせることも、RPAの大きな特長だ。新たなシステムを構える必要も、従来の業務プロセスを変えることもなく、自動化が実現できる。
「Excel、Accessなどのソフトウェアから、Web、SalesForce、基幹システムまで、それぞれの『点』で行っていた作業をつなげ、『線』として自動化できるのが、RPAのメリットです」(神田氏)
Kofax Japan ソリューション アーキテクト 三島 忠氏 |
また、IT化に伴って大規模なシステムをいくつも導入したものの、システム間連携を図るためのデータ加工は人がやらざるを得ず、結局作業量が減らないと悩んでいる担当者も多いという。Kofaxのソリューション アーキテクトである三島 忠氏は、RPAがそうした課題を解決すると説明する。
「RPAならそうした作業を自動化できますから、既存の様々なシステムを、簡単に連携させられます」(三島氏)
簡単かつ短期間での運用開始が可能
RPAはソフトウェアであるため、導入にあたって大がかりな設備は不要だ。Kofax製の「KOFAX KAPOW」を例に取ると、本体をインストールするサーバと、「KOFAX KAPOW」でつくったソフトウェア・ロボットに作業させるPCがあればいい。最初に人間がPCで通常通りの作業をしながら、要所要所で細かい設定を「KOFAX KAPOW」に教え込んでいけば、バックグラウンドでフローが作られ、その作業専用のロボットが完成する。ロボットをひとつ作るのにかかる時間は1日~数日。システム構築に数ヶ月~数年が費されることを考えれば、あっという間だと言える。
RPAが普及すれば、企業の競争力は底上げされる
冒頭で触れた通り、労働環境の改善が問題になったこともあって、日本のRPA市場は急速に拡大してきたと三島氏は言う。「KOFAX KAPOW」の需要も伸び、国内導入企業は製造業、流通業、金融業など、既に50社以上にのぼり、国内で大きなシェアを誇っている。これほどまでに「KOFAX KAPOW」が選ばれる理由はどこにあるのだろうか。
「製品の性能はもちろんですが、営業および、製品の使用方法や活用方法のレクチャーや勉強会などといった導入前後のサポートを行うスタッフが日本人だという安心感で選んでいただいている面も大きいと思います。日本市場で15年以上の経験を持ち、100人を超える認定技術者を揃えていますから、お客様のお声掛かりがあればすぐに対応できることで、重宝いただいているのではないでしょうか」(三島氏)
RPAの需要は今後ますます高まることが予想されるが、それはつまり、企業の競争力が全体的に底上げされることをも意味する。この変化の波に乗り遅れないようにするためにも、まず社内の業務を「棚卸し」して定型作業を洗い出し、効率化への糸口発見に取り組んでみてはいかがだろうか。
KOFAX KAPOW のお問い合わせ先
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