Web系業務システムの開発から運用監視までをワンストップサービスとして提供するシステム会社、シグナルベース。「作って終わり」ではなく、構築後のメンテナンスも含めて継続的にシステムの改善を続けるモデルが評価され、同社は大手企業との直接取引で業績を伸ばしてきた。
システム開発から運用開発までのワンストップサービスを強みとする、シグナルベース |
ワンストップサービスを提供する際に欠かせないのが、構築するシステムに合わせたインフラ設計と運用のノウハウだ。顧客のシステム状況にあわせて、顧客サイト上に(顧客所有の)インフラを構築したり、自社所有インフラのソリューションと組み合わせて提供したり、あるいは、クラウドサービスと組み合わせて提供したりと、柔軟に対応している。しかし、顧客にあわせた柔軟な対応はすなわち、取り扱うハードウェアやその所有形態の多種化を意味し、メーカ保守切れを迎えたハードウェアにどう対応するかが大きな課題となる。
シグナルベースではそうした課題に対応するために、データライブのリユース品を最大限に活用。入手困難な機器を事前に確保できるようにして、システムトラブルに備えるとともに、「EOSL/EOLサーバ保守」サービスを使って、メーカ保守切れに対応しているという。
インフラの構築と運用は同社のビジネスと直接かかわる部分だけに、データライブのサービスは「なくてはならないもの」になっているという。シグナルベースの取締役である水野 学氏とシステム基盤グループ主任技師の藤川 祥臣氏、データライブ業務本部営業部チームリーダー 天野 博昭氏の3名による対談の模様から、多種多様なハードウェアを運用管理する場合のヒントについて探りたい。
シグナルベース
「お客様のシステムの基盤を支える会社になりたい」という目標のもと2001年に設立。社名には、電気信号(シグナル)によって構成されるシステムで企業活動を支援するベースになるという決意が込められている。基幹システムやWebシステムを開発する「ソリューションサービス」と、インフラ設計からネットワーク構築、運用までをアウトソーシングとして請け負う「マネージメントサービス」が柱の同社サービスは、「作って終わり」ではなく、システム構築後の運用監視までをワンストップで提供することが大きな特徴となる。社員全員がエンジニアであり、専任の営業を置かず、技術力の高さを武器に大手企業と直接取引を行う。
シグナルベースが抱えていた課題と、データライブの解決策
課題 | 解決策 |
顧客が利用しているハードウェアについて、メーカの生産中止などで入手が困難になった | データライブのリユース品を使って、入手困難なハードウェアを安定的に低コストで調達 |
顧客に提供するサービスでシステムを構成するハードウェアがメーカ保守切れとなった | データライブのEOSL/EOLサーバ保守サービスを利用し、顧客に対してメーカ保守と同等のサポート体制を提供 |
顧客向けサービスを支えるインフラで活用
──データライブのサービスをどのようなシステムで利用しているのですか。
水野氏: お客様に提供しているインフラの一部で、リユース品とEOSL/EOLサーバ保守サービスを利用しています。当社はシステムの開発から運用までをワンストップサービスとして提供することが大きな強みです。システムを構築する際には指定されたハードウェアや要件に合ったハードウェアを使い、運用に入るとシステムの改修や機器のメンテナンスも含めてサポートします。ただ、長くシステムを稼働させていると、一部の製品が生産中止になったり、部品の調達が難しくなったりします。そういったときに、リユース品を活用し、また、メーカ保守が切れたものについてはEOSL/EOLサーバ保守で対応しています。
藤川氏: 提供するシステムは基本的にすべて冗長化して可用性と信頼性を高めています。故障などで待機系に切り替わったときに、新しい待機系のためにリユース品を用意するといった使い方で、データライブさんのソリューションを活用しています。生産中止したハードウェアの部品は探すのも手間ですし、見つけることができても高くつくことが多い。リユース品を使うことは、手間やコストの面で大きなメリットになります。EOSL/EOLサーバ保守も同様です。大きな更新の予定がなく、安定して動いているシステムについては、メーカ保守が切れたあとそのまま延伸させたいというニーズも強いのです。
天野氏: その辺りはお客様のニーズにも合っているようですね。幅広い業種のお客様がいらっしゃると聞いています。
水野氏: そうですね。業種業界を問わず、様々なシステムを手掛けています。分野でいえばWeb系のシステムでコンシューマ向けというより業務システムが多くを占めています。当社の設立が2001年なのですが、構築したシステムの中で、メーカのハードウェア保守期限を超えて稼働するものも出てきています。そのうちの幾つかでデータライブさんのサービスを利用しています。
藤川氏: 具体的に言いますと、あるお客様に提供している情報管理データベースの例があります。複数のハードウェアでOracle RACを組んだシステムで、アクティブ-アクティブ構成です。サーバはと共有ストレージにHP製品を使って、テープバックアップも行っています。これらについてEOSL/EOLサーバ保守サービスを利用しています。それから、会員制のクローズドな投資情報サイトでもEOSL/EOLサーバ保守サービスを利用していますね。こちらのサーバはDell製です。先ほどと同じような冗長構成のシステムで、当社が資産を所有して、それを貸し出すかたちで利用していただいています。
提供サービスの品質を保証してくれるもの
──EOSL/EOLサーバ保守サービスのメリットはなんでしょうか。
藤川氏: 大幅なコストダウンが図れるということだと思います。お客様の立場に立ってみると、いま安定して動いていて今後も大きな変更がないと予想されるシステムは、できるだけ構成を変えないまま稼働し続けることが望ましい。ただ、ハードディスクをはじめハードウェアはいずれ故障するので、メーカ保守が切れたシステムをそのまま使い続けることは企業として問題があります。
そこで、一般的には、ハードウェアをリプレースしていくわけですが、そうするとハードウェアを購入するためのイニシャルコストが大きくなる。そんな中、メーカ保守と同じようなメンテナンスをサービスとして利用すると、リプレースのための追加投資を削減できることになります。5~7年の利用期間を10年に伸ばせるとすると、そこで得られるコストメリットは非常に大きいですね。
天野氏: 実際、そうした声を他のお客様からもいただいています。逆にリユース品の利用も含めて、当社のようなソリューションに不安に感じたことなどはありますか。
藤川氏: 私個人としてはありません。以前から入手が難しい機器の部品などについては、オークションサイトの米eBayなどを使って自分たちで調達していました。ただこの場合、まず、欲しい製品や部品が見つかるかどうかがわかりません。うまく見つけることができても、海外からの輸入になるので時間がかかりますし、値段も高いケースが多い。うまく届いたとしても動作検証されているわけではないので、きちんと動くかどうか試してみる必要があります。そうした作業にかかる手間やコストはかなりの負担です。それをサービスとして提供いただけるなら、利用しない手はないという状況でした。EOSL/EOLサーバ保守サービスについても、当社が提供するサービスの品質を保証してくれるという意味で、むしろメリットが大きいと考えています。メーカ保守が切れた製品を使ってサービスを提供しているのではなく、トラブルに備える体制のもとでサービスを提供していることをお客様に真摯にお伝えできます。
サービス提供の安心感につながる
──実際に利用してみて、データライブのサービスはどうですか。
藤川氏: 何の問題もありません。最初にリユースを利用させていただいたのが2011年の夏で、サーバ保守サービスは2013年から社内システムとお客様システムの複数の機器で利用しています。購入したリユース品に問題があったこともありませんし、保守サービスでのトラブルもありません。
天野氏: 最初の機器については、電話いただいたその日にご購入いただいたそうですね。
藤川氏: はい。社内サーバのRAIDカードの故障だったと思います。メーカ保守が切れていたため、ネットでデータライブさんを見つけてすぐに問い合わせたところ、在庫があるということでしたので、その足でお伺いして購入したことを覚えています。それ以降、お客様に提供しているシステムについても、待機系サーバを中心にお願いしてきたという関係です。サーバやパーツだけでなく、ストレージやネットワーク機器もたびたび購入してきましたね。海外に調達網があることや、マルチベンダに対応していること、きちんとした検証センターがあるところなどは、データライブさんならではだと思います。
天野氏: ありがとうございます。ワールドワイドの調達網を持っていることは当社の強みの1つです。特定のメーカ製品のみではなく、マルチベンダの調達を行っています。もう1つ自負しているのは、再生化する技術を持っていることです。 今年は東京テクノセンターも開設し、検証と研究開発に力を入れています。販売した商品に6ヵ月の保証をつけているのも、こうした技術力の裏付けがあればこそです。
藤川氏: EOSL/EOLサーバ保守サービスの利用は、自社向けとお客様向けに提供していたSMTPサーバのシステムが最初です。システムの障害はお客様のリスクになることから、利用を決めました。そこである程度評価をして、メーカ保守が切れたお客様向けシステムでも十分に利用できると判断し、他にも適用するようになりました。延伸はコストメリットが大きいこともあり、お客様納得のもとで利用しています。「保守サービスは外部の信頼できる業者に依頼します」と言えることで、我々にとっての安心感にもつながっています。
──ビジネスを進めるうえで、データライブに期待することはありますか。
水野氏: 当社では、スローガンとして「お客様の左腕になる」ことを掲げて取り組んでいます。お客様が悩んでいるところを一緒に考えて、解決する技術を提供することで、お客様のビジネスを支援していきたいと思っています。データライブさんから提供いただくリユース品やEOSL/EOLサーバ保守サービスは、そのためになくてはならないものです。時代の流れを見据えて、自分たちができることをきちんとやっていく。そのために、いろいろな分野でサービスを利用していければと思います。
藤川氏: そうですね。システムはあくまでツールです。お客様が本業部分に集中できる環境をシステムで支援していくことが我々の仕事です。お客様に様々な選択肢をご提供できるよう、データライブさんと一緒に取り組んでいければと思います。
──ありがとうございました。
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