今回も個人的な見解を書いてみようと思います。最初に書いておきますが、ここに書かれている内容を100%忠実に実行したからと言って確実に就職ができるわけではないと思っています。あくまで確率を上げる方法としてご参考になれば幸いです。

  • 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政忠志氏

    著者:吉政忠志
    一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事

さて、私は毎月、3,4回ほどセミナーに登壇をしており、その中には就職に関連するようなセミナーも一定数含まれています。そこで感じるのが、最近、Pythonを習得してプログラマーとして仕事を始めようとされている中高年の方が増えているということです。プログラマーとして転職を考えている方もいれば、副業としてプログラマーを考えている方もいます。

思い立ったが吉日で、チャレンジすることに年齢は関係ないと思いますので、Pythonプログラミングで仕事をしたいと思う方はぜひチャレンジしていただきたいと思っています。

ちなみに、プログラミング未経験からPythonを習得してプログラマーなりたいと思う方が多い背景として、Pythonビジネスが大きく拡大しているということが第一に挙げられると思っています。人工知能や機械学習、ビッグデータにインフラ関係のカスタマイズなど今まさに拡大し、今後も大きな市場が期待されている分野でPythonが中心的に扱われています。そして、企業のほうもPython未経験者の求人を多く出しており、2021年6月時点で8,500件のPython未経験者求人があります(Indeed Japan2021年6月23日集計)。未経験の求人数が全体の1/4を占める状況になっており、未経験者の方がPythonの仕事の経験を積みやすい状態になっています。

そういうこともあって、Python関連の就職に関するセミナーに登壇すると、「中高年でプログラミング未経験ですが、就職できますでしょうか?」や「プログラミング未経験ですが、Python試験に合格したら就職できますでしょうか?」という質問をよくいただきます。

ここで注意していただきたいのは、Python未経験の求人が多いからといって、企業がただ未経験者を求めているわけではないということです。未経験で入社いただいた後、育っていくことを期待して採用したいというのが本音のはずです。そう考えた場合、企業が採用したいのは以下のような人材かもしれません。

・一緒に仕事をしやすい人物
・成長が期待できそうな年齢の若い人物

一緒に仕事をやりやすいというのはおそらく以下のような定義である気がしています(さまざまな意見があると思います)。

・饒舌でなくてもコミュニケーションが取れる方
・時間や納期を守る方
・報告や相談、連絡のタイミングがちょうどいい方(いわゆる報連相のこと)
・不潔でない方
・和を乱さない方

いろいろな定義があるとは思いますが、おおむねこのような感じではないでしょうか。会社もチームで仕事をするので、上記ができていないと、入社後が不安になってしまいます。

そのうえで、今後の成長が期待される若者が未経験でも就職しやすいという話ではあるのですが、ここからが本題です。では中高年の方が未経験でPythonの仕事に就けないか? と考えれば、次のような方法であれば確率が上がるのではないでしょうか。

幸い、Pythonの適用範囲は広く、ちょっとしたプログラムで業務改善をするようなことも可能です。そこにプログラミング未経験の中高年の方がPythonで仕事を得やすくなるチャンスがあると思っています。たとえば中高年の多くの方はプログラミング未経験でも、今まで働いてきた分野でのノウハウがあるはずです。そのノウハウを強みにして、業務改善や業務請負の仕事を展開し、そのツールとしてちょっとした業務改善プログラムをPythonで作るというのはいかがでしょうか? 自分の強みをアピールして、その実行ツールとしてPythonを打ち出すイメージです。中高年でプログラミング未経験の方がプログラマーで就職を目指そうとするといろいろハードルがあるような気がしています(もちろん就職できる方もいるとは思います)。そこで、今まで培ってきたノウハウを前面に打ち出したうえで、「Pythonや各種ツールを使って簡単な業務改善プログラムも作れます」、とアピールするのがいいと思った次第です。このアピールであればPython未経験者でもPythonを活かした仕事ができそうに思えます。そのうえで、Pythonを理解している証明としてPython3エンジニア認定試験を活用いただけると幸いです。

今回も個人的な意見を書きましたが、いかがでしょうか? この方法で全ての未経験者がPython関連の就職ができるわけではありませんが、自身の強みで勝負することで、活路が開きやすくなると思います。少しでも参考になった方がいれば幸いです。それでは今回はこの辺で。

[PR]提供:Pythonエンジニア育成推進協会