• 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 顧問理事 寺田学

    著者:寺田学
    一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 顧問理事

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会(以下、当協会)の顧問理事の寺田学です。私は試験の問題策定とコミュニティ連携を行う立場です。

当協会以外の活動として、株式会社CMSコミュニケーションズ代表取締役を務めております。Webシステムにおいて長らくPythonを活用しており、最近はデータ分析やIoTでPythonを活用する場面が増えています。またオープンソースコミュニティ活動として、日本最大級のPython関連イベントであるPyCon JPを立ち上げ、現在は一般社団法人PyCon JP Associationの代表理事をつとめています。

以下のような執筆活動をしています。

  • 機械学習図鑑(翔泳社 2019年4月)を共著
  • Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(翔泳社 2018年9月)を共著
  • スラスラわかるPython(翔泳社 2017年8月)を監修
  • Pythonハッカーガイドブック(マイナビ 2020年6月)を監訳
  • その他

認定試験の種類と受験方法

当協会では、2つの試験を行っています。

  • Python 3 エンジニア認定基礎試験
  • Python 3 エンジニア認定データ分析試験

どちらの試験も全国のオデッセイコミュニケーションズCBTセンターにて通年受験が可能です。

Python 3 エンジニア認定基礎試験

この試験ではPythonの基本的な知識を問います。 主教材であるオライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル 第3版」の掲載内容から出題されます。

>>出題範囲の詳細はコチラからご確認ください。<<

Pythonの基礎を問う試験となっているので、Pythonを普段から使っている方であれば合格できると思います。他の言語の経験者であれば、主教材をざっと読めばほぼ理解でき、試験にも合格できると思います。主教材である、「Pythonチュートリアル 第3版」は、Pythonの公式ドキュメントを翻訳したものです。よって、プログラミング初心者には少し難しいものかとおもいます。公式ドキュメントは仕様書に感じて読みにくさがあるのも事実です。

プログラミング初心者にお勧めの勉強法

まずは、主教材を見てほしいです。理解がしにくい場合や難しく感じる場合は、主教材を一旦置いて別の勉強方法を試してみましょう。

書籍で勉強する

主教材以外の参考書籍を読みましょう。初心者向けの書籍が多く存在します。自分に合った書籍を見つけてみてください 私が初心者にお勧めするのは以下の2冊です。

一冊目の「スラスラわかるPython」は、私が監修している書籍です。Pythonのインストールから基本的な文法を丁寧に説明し、スクレイピングまでを行う内容です。必要最低限の機能に絞って解説をしており、順番にプログラミングをしていくことで、Pythonでできることが理解できるようになっています。

二冊目の「こんにちはPython」は、マンガで学べる書籍になっています。はじめてプログラミングに触れる人に楽しく、プログラミングの雰囲気を理解してもらえるような内容になっています。

これら以外にも多くの書籍が存在しますので、自分に合ったものを見つけて、プログラミング初心者からのステップアップをしてください。

動画やオンライン学習プラットフォームを使う

書籍だけで学びにくいことは多くあると思います。YouTubeやUdemyなどの動画で学ぶ方法も併用すると良いと思います。 JMOOCでは無料かつオンラインで学べるコースもあります。

>>Python入門 2020<<

認定スクールに通う

他には、いち早く学びたいという方には、認定スクールに通うという方法をお勧めします。 当協会には認定スクール制度があります。 Pythonを効率よく学べるようになっています。


>>認定スクール制度の詳細はコチラからご確認ください。<<

知人に頼る

一緒に勉強できる人を探したり、もくもく会や勉強会に参加をすることで学ぶという方法もあります。 多くの勉強会では、初心者を歓迎しています。勉強会に行くと、Pythonに詳しい人が多くいることもあります。 このような場で、知り合いを作り一緒に学んだり実際にプログラミングをしている姿を見ることで、さまざまな学びがあると思います。

やりたい方向性を見つけて学習を深める

プログラミングはツールを使うことになると思います。ここで言いたいのは、プログラミングを学ぶことはツールの使い方を学んでいるということです。ツールを使うことを目的にしている方は少ないと思います。ツールを使って、何を作るか、何を解決するかという道具なのです。

Pythonを使いこなすためには、自分自身の作りたいものややりたいことを見つけて、それらを作っていくってことになります。やりたいことが見つかればそれを実現するために、Pythonを学んでいきやすくなり、勉強のやりがいがでます。

Pythonは多くの分野で使われています。以下のような分野があります。

  • データ分析や機械学習
  • 情報収集や情報の整理などの自動化
  • Webシステムのバックエンド
  • インフラ分野やOSツール
  • IoT

自分の興味の中からなにかに挑戦しながらPythonを学んで行くと良いかと思います。

初学者に向けた3つのポイント

環境

手元のPCでプログラミングできる環境を作り理解することが重要です。WindowsやMacどちらでも構いません。手元でなくクラウド上の環境でもプログラミングを学ぶことができます。プログラミングしたコードをどこに保存して、出力結果がOS上のどこに保存したのかを見失ってしまう姿を見かけます。また、プログラミングしやすい環境を作り、環境を理解することが重要だと思っています。自由に環境構築ができるようになると、プログラミング学習の効率も上がってきます。

データ型

プログラミングにおいては、データ型を理解するのが重要です。 Pythonは動的型付け言語ですが、データ型が重視されています。 "1" は、文字列(str)型となり、 1 は、整数(int)型となります。

整数同士の足し算で、 1 + 2 は、 3 を返します。一方、文字列同士の足し算は "1" + "2" は、 "12" という文字列を返します。Pythonでは、 1 + "2" はエラー(TypeError)となり演算できません。

Excelにおいても、セル内で動的にデータ型を決めています。セル内に数字を書くと右寄せになって「数値」として扱われますし、文字を書くと左寄せになって「文字」として扱われます。

リスト型や辞書型というコンテナーになるデータ型があります。これらを組み合わせて使うことでプログラミングします。リスト型であれば末尾にデータを追加する .append というメソッドがあります。辞書型には同じメソッドがありません。データ型を理解しそれぞれのデータ型でどのような操作や演算できるのかを知っておく必要があります。

制御構造

重要な制御構造は2つです。

  • 条件分岐
  • 繰り返し処理

条件分岐は、 if 文を使います。数値が10より大きいまたは小さいかを判断し処理を分岐できます。繰り返し処理は、 for .. in 構文を使います。コンピューターは繰り返し処理を得意にしています。これらの制御構文を組み合わせることでさまざまな処理が実行できます。

最後に

今回は、Python 3 エンジニア認定基礎試験の概要と学習方法、さらに初学者向けに3つのポイントをお伝えしました。 ここで紹介した内容を、YouTubeのビデオでも同様に紹介しています。当協会で運営しているYouTubeチャンネル「Pythonエンジニア認定試験」 にて定期的に動画をアップロードしますのでお楽しみにしてください。

[PR]提供:Pythonエンジニア育成推進協会