■Microsoft 365のグループの概要

前回は、Microsoft 365でメーリングリストを実現するための配布グループを紹介しました。Microsoft 365には、ほかにも異なるタイプのグループがあります。グループの作成については、当連載の過去記事でも触れていますが、そのあとのMicrosoft 365のバージョンアップで大きく変化していますので、今回、あらためて紹介します。

グループを作成するには、テナント管理者がMicrosoft 365にサインインし「グループの追加」をクリックします。グループの追加については、当連載の第62回で紹介している「配布グループの作成」を参照してください。

配布グループ以外のグループでも操作手順は同じです。「グループの追加」をクリックして、グループの作成ウィザードを開くと、最初のステップでグループの種類を選択することになります。

(1)「グループの追加」ウィザードの「グループの種類の選択」ページ

  • 「グループの種類の選択」ページ
グループの種類 グループの機能
Microsoft 365(推奨) Microsoft Teamsのチームを作成します。
配布 メーリングリストを作成します。詳細は、当連載の第62回第63回を参照してください。
メールが有効な
セキュリティ
「配布」グループの機能と「セキュリティ」グループの機能をあわせ持ちます。
セキュリティ SharePointやOneDrive for Businessのアクセス権管理に使用します。

配布グループに関しては紹介済みですので「Microsoft 365(推奨)」と「セキュリティ」について、詳説します。

■「Microsoft 365(推奨)」グループ

一般に、Microsoft Teamsのチームは、Microsoft Teamsを開いてMicrosoft Teamsのメニューから作成します。テナント管理者ではない一般ユーザーもチームを作成できますが、チームの作成者がチームの所有者(管理者)になります。作成者以外を所有者としてチームを作成することはできません。ただし、チーム作成後に新しい所有者をチームに追加し、新所有者が旧所有者の所有者権限を解除してチームの所有者を変更することは可能です。

一方、Microsoft 365管理センターでチームを作成するときは、チーム作成時にテナント管理者がそのチームの所有者を設定します。チーム作成者であるテナント管理者が必ずしもチームの所有者になるわけではありません。

以下は、Microsoft 365管理センターでチームを作成するときのウィザードの例です。チーム名の設定のあと、所有者の設定があります。

(1)チーム作成時に所有者を設定。所有者にするユーザーのユーザー名を入力する。

  • 所有者の割り当ての画面

なお、所有者が1人だけだと、その所有者のアカウントに問題があったときに、グループを管理できなくなってしまいます。なるべく、所有者は複数にしておくべきでしょう。

■「セキュリティ」グループの作成

SharePointやOneDriveのフォルダーやファイルの所有者は、フォルダーやファイルに対して、ユーザーごとに編集可、閲覧のみ、アクセス不可といったアクセス権を設定できます。このとき、複数のユーザーをグループ化して扱うのが「セキュリティ」グループです。

たとえば、複数のフォルダーについて、総務部社員のみがアクセスできるように設定するとき、総務部社員のセキュリティグループを作成して設定します。すると、人事異動があっても、総務部のセキュリティグループのメンバー構成を編集するだけで、各フォルダーのアクセス権の設定を個別に変更する必要はありません。

「セキュリティ」グループの作成では、グループ名以外にこれといった設定は必要ありません。グループを作成したあと、あらためてメンバーとなるユーザーを登録します。

(1)「グループの追加」ウィザードでグループの「名前」を入力する。説明の入力は任意。
(2)「次へ」をクリック。

  • 基本設定の画面

(3)「グループを作成」をクリックして、セキュリティグループを作成する。

  • 「グループを作成」の表示された画面

以上でセキュリティグループを作成できました。

■グループメンバーの編集

作成したセキュリティグループを使うには、所有者(管理者)とグループメンバーを追加します。

(1)Microsoft 365管理センターで、メンバーを編集するセキュリティグループをクリックして開く。

  • グループ設定の画面

(2)所有者を設定していないセキュリティグループでは、まず「グループの所有者の追加」をクリックする。

  • 「グループの所有者の追加」の表示された画面

(3)「+所有者の追加」をクリックする。

  • 「+所有者の追加」の表示された画面

(4)所有者にするユーザーアカウントのチェックボックスをオンにする。
(5)多数のユーザーから所有者にするユーザーを検索するとき、ユーザー名の一部または全部を入力する。
(6)「保存」をクリックして、所有者を登録する。

  • 「保存」の表示された画面

グループの所有者を設定したら、次にメンバーとなるユーザーを追加します。

(7)グループの設定画面で「メンバー」タブをクリックし、メンバー編集ページを開く。
(8)「すべてのメンバーの表示と管理」をクリックする。

  • ユーザー追加の画面

(9)「+メンバーの追加」をクリックし、メンバーとなるユーザーを追加する。

  • 「+メンバーの追加」の表示された画面

ユーザーの追加方法は、所有者にユーザーを追加する場合とまったく同じです。

次回は、SharePointのフォルダーにセキュリティグループを使用してアクセス権を設定する例を紹介します。

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