■メールの配信
メールを活用するうえで、同じ受信メールを複数のユーザーに配信したいことがあります。たとえば、メーリングリストとして知られている機能です。特にテレワークなどを行う場合は、情報共有を図るためにもこうした活用が不可欠でしょう。
Microsoft 365では、同じメールを複数のユーザーで受信する仕組みとして、3つの方法があります。それぞれに特徴があります。
配信方法 | 説明 |
---|---|
配布リスト | ・特定のメールアドレスに着信したメールをグループメンバーに配信する。配布リストのメールアドレスから送信することはできない。 ・一般的なメーリングリストと同様の機能。 ・受信するだけで、送信の必要がない用途に向いている。 |
共有メールボックス | ・1つのメールボックスをグループメンバーで共有する。受信メールをグループメンバーに配信するわけではないが、グループメンバーは同じメールアドレスのメールを読むことができ、送信も可能。 ・グループで共通のメールアドレスから送信する用途に向いている。 |
メールフロー | ・メールアドレスにかかわらず、条件を設定してメールの流れ(フロー)を制御する。たとえば、着信メールアドレスにかかわらず、特定の条件のメールを転送したり削除したりできる。 ・メールアドレスにかかわらずメールの配信を制御できる高度な機能を持つが、設定を間違えたときの影響範囲が大きいので、慎重に利用する必要がある。 |
このうち、今回は配布リストの設定を紹介します。
■Microsoft 365管理センター
配布リストを作成するには、管理センターを使用します。テナント管理権限を持つユーザーアカウントで、Microsoft 365にサインインします。
(1)「管理」をクリック。
(2)左サイドメニューの「グループ」を展開します。
なお、現在Microsoft 365の管理センターは旧メニューと新メニューの過渡期にあり、旧メニューと新メニューのどちらも使えます。当記事では新メニューを使いますので、旧メニュー表示になっている場合は新メニューに切り替えてください。
旧メニュー表示になっているときは「新しい管理センターをお試しください」スライドスイッチをクリックしてオンにします。
■配布グループの作成
配布グループの管理には、グループメニューを使用します。
(1)「グループ」メニューのサブメニュー「グループ」をクリックし「グループの追加」をクリック。
(2)「配布」をクリックして選択します。
(3)「次へ」をクリック。
「Office 365(推奨)」を選択するとグループでチャットやファイル共有、予定表共有などを実現できますが、この用途にはMicrosoft Teamsを活用したほうが便利です。
「メールが有効なセキュリティ」を選択すると、グループでSharePointやOneDriveのアクセス権の設定ができます。SharePointで独自サイト構築するときにはアクセス権の管理が必要になりますが、一般的なファイル共有やメッセージ共有であれば、やはりMicrosoft Teamsを使ったほうが便利です。
Microsoft Teamsについては、連載「Microsoft Teamsの基本と活用」も参照してください。
(4)「名前」に配布リストの名前を入力。
(5)「説明」に配布リストの紹介文を入力。
(6)「次へ」をクリック。
(7)「グループのメールアドレス」に配布グループのメールアドレスの「@」から前の部分を入力。
(8)「@」からあとのドメイン名をドロップダウンリストで選択。
(9)組織外からの受信を許可するときに、チェックボックスをオンにします。オフにすると、グループメンバーからのメールしか受けつけなくなります。たとえば、外部のメールマガジンや外部クラウドサービスのアラートメールなどを配布グループで受信するときは、チェックボックスをオンにする必要があります。
(10)「次へ」をクリック。
(11)設定内容を確認し「グループを作成」をクリック。設定を修正するときは、修正項目の「編集」をクリックして、設定を修正します。
(12)「閉じる」をクリック。
以上で、配布グループの作成手続きは完了です。ただし、実際にこの配布グループを利用できるようになるまで、数分~1時間ほど時間がかかります。
Microsoft 365管理センターの設定ウィザードを完了しても、まだ、グループのリストに新しい配布リストが表示されていません。
Microsoft 365のメール、連絡先、予定表などの機能は、内部的にはExchange Onlineというクラウド上のサーバーによって運用されています。Microsoft 365管理センターがExchange Onlineを操作するのですが、Exchange Onlineに設定変更が反映されるまで、しばらく時間がかかります。
数分後、新しい配布グループがグループリストに反映されました。
実際にこの配布グループを運用するためには、この配布グループで受信したメールを配信する配信先のメンバーを登録する必要があります。
メンバー登録などの配布グループの管理に関しては、次号で紹介します。
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