創業 1915 年という長い歴史を持つ日本無線株式会社(以下、日本無線)は、無線技術を活用した通信機器や船舶・航空・気象レーダー、さらには社会インフラなど多彩なソリューション・設備を提供することで、世の中に安心・安全を提供し続ける会社です。
常に先進技術に挑み続ける同社は、近年、新たな成長の基盤づくりを目指して戦略的な事業構造改革に取り組んでいます。そのシンボル的存在となる“知の拠点”として長野県に先端技術センターを設立し、革新的な技術による新製品の開発を積極的に進めています。
また、働き方改革を実現するにあたり、旧テレビ会議システムの刷新を実行。そこで Microsoft Teams とロジクールの Web 会議システムを組み合わせた「 TAPルームソリューション」を導入し、テレワーク・在宅勤務のさらなる浸透と定着に向け動き出しました。
最優先テーマの働き方改革実現に向け、社内の DX を推進する
日本無線はデジタルトランスフォーメーション( DX )において、社外向けと社内向けの双方向で取り組みの推進を考えています。このうち社外向けの DX としては、AI や IoT といった最新技術を活用したサブスクリプションビジネスモデルの構築を目指している一方、社内向け DX では、小洗 健 社長が「テレワークや在宅勤務を通じて多様な働き方を可能にし、従業員がいきいきと働ける会社にしていきたいと考えています」と語るように、働き方改革が重要なテーマになっています。
経営戦略本部 副本部長で社内情報システムや IT 機器の導入・管理、そしてセキュリティ関連の対策も担う熊谷 博 氏は、次のように話します。
「場所にとらわれず、どこでも柔軟に仕事をすることができ、加えて社員同士のコミュニケーションも円滑にする。これをデジタル技術の活用によって実現することが、当社が目指す社内向けの DX です」(熊谷 氏)
その DX を推進するために重要な位置を占める要素の 1 つが、テレビ会議システムです。もともと導入していたテレビ会議専用システムは、2020年に更新時期を迎え、このテレビ会議専用システムが抱えていた課題について、熊谷 氏はこう指摘します。
「経営会議などを行う広い会議室では、集音マイクを 2 つしか接続できないシステムであったため、20 人程度の人数が参加していると、マイクから遠いところに座る役員の声が聞こえないという問題が起こっていました。また、旧システムはリモートアクセス機能がオプションとなっており、別途契約が必要になることもあって導入していませんでした。そこで、社外からテレビ会議に簡単にアクセスできる環境をつくり上げることも課題として挙がっていました」(熊谷 氏)
性能と使い勝手を社内デモと社員へのヒアリングで比較検討
旧テレビ会議専用システムからの機材更新を検討するにあたり、同社では 2019 年 7 月、IT推進部内に若手社員を中心とする検討チームを立ち上げました。情報収集を進め、TV会議としての機能、性能やコストを比較するなかで、最終候補として残ったのが、カメラ・マイク・スピーカー・ミニPCとタッチディスプレイ式コントローラーを備え、 Microsoft Teams を組み合わせた「TAPルームソリューション」です。Microsoft Teamsについては、2016 年に全社で Office 365 を導入した関係で全社員が使用可能な状況になっていたこともあり、自然な流れで候補に浮上してきたといいます。
検討チームでは社内に向けてこのソリューションと旧システム後継機の両方を実際に用意し、どちらのシステムが使いやすいかデモを実施。利用した社員にヒアリングを行い、選定の判断基準に取り入れていきました。
「コストや機能はもちろんのこと、やはり使い勝手が重要です。旧システムではできなかった社外からのリモート接続ができるようになるといっても、システム自体が使いづらいのでは意味がありません。今回は社内向け DX におけるテレワーク推進が最優先テーマとして念頭にあったので、とりわけリモート接続時の使い勝手はこだわったポイントです」と熊谷 氏。そしてデモによる比較検討の結果、最終的に選択したのが「TAPルームソリューション」でした。
音・映像の品質に加え、ワンタッチ操作の使いやすさが決め手
「TAPルームソリューション」をデモで試したときの印象を、熊谷 氏は次のように語ります。
「とにかく、音と映像が素晴らしかったですね。正直に言って、マイクとスピーカー、そしてカメラの性能には驚きました。経営会議を行う広い役員会議室ではマイクを 7 つ接続し、参加者全員の声をクリアに拾えるようになりました。それだけでなく、映像も臨場感があり、リモート先の参加者の声もよく聞こえます。また、旧システムとは異なり、Microsoft Teams とロジクールTAPルームソリューション の組み合わせならワンタッチで簡単に会議を始めることができます。そのプロセスがシンプルで、試した社員からも使いやすいという声が上がり、ユーザー体験の部分でもメリットがあると実感しました」(熊谷 氏)
まずは役員会議室から導入をスタートし、続いて 2020 年 5 月から 7 月にかけ、各拠点の大会議室を中心にわずか 3 カ月で約 70 カ所への導入を完了しました。当初は 4 カ月程度を想定していたものの、コロナ禍もあって予定を前倒し。にもかかわらず、滞りなく導入が進んだといいます。東京・中野の本社でも、すでに全会議室に設置されています。導入に際してはマイクロソフト側からエンジニアのサポートが提供され、信頼性も高まったと熊谷 氏は振り返ります。
導入後に広がる多様な効果の実感と将来への期待感
各会議室での活用を開始してから数カ月。“ウィズコロナ”の状況においても、「TAPルームソリューション」によってチームとしての業務をスムーズに進めることができ、さらに国内外の拠点を結ぶコミュニケーションにも大きな改善がなされたと社内で評価されています。
コロナの影響もあって客観的な比較は現時点では難しいものの、旧システムと比べて TCOを大幅に削減でき、経営への貢献も実感していると熊谷 氏は話します。
また、想定外のメリットもありました。「音質の良い Microsoft Teams と性能の高いマイクの組み合わせなので、テレビ会議中に紙の資料を使用すると、紙をめくる音を拾ってしまいます。そのため今回のソリューション導入に合わせて資料の紙配布をストップし、タブレットで配信することにしました。ペーパーレス化とも極めて相性が良いと感じています。そのほか、従来は拠点が分かれていて不可能だった朝礼がリモートで可能になったという効果も聞いています」(熊谷 氏)
今回の導入で、日本無線ではリモート環境のワークスタイルが進展を始めました。Microsoft Teams の活用では、小洗社長から全従業員に向けたメッセージをストリーミング配信し、約 7 割の従業員が視聴したといいます。
「今後の目標としては、全社員に 1 台ずつノート PC を配布し、Microsoft Teams はもちろん Microsoft 365 のアプリケーションを働き方改革のツールとして徹底活用しながら、テレワーク・在宅勤務をさらに定着させ、業務の生産性を上げていきたいですね。クラウドサービスの利点として、頻繁に追加される新機能をすぐに活用できる点にも魅力を感じています」と熊谷 氏。Microsoft 365で使用できるMyAnalyticsを通じて従業員一人ひとりの働き方を見える化し、それをもとに経営をサポートしたいという希望も持っているとのことです。
コロナ禍の先行きはまだ不透明な状況ですが、小洗社長は「働き方改革はこのコロナ禍のなかでますます加速していかなければならないものです。Microsoft Teams やロジクールTAPルームソリューションのようなWebツールを活用することで、トップのメッセージをリアルに発信する一方、各地域にある拠点をつないだコミュニケーションも活性化し、業務の効率化を進めていきたいと考えています」と、取り組みのさらなる強化に意欲を示します。熊谷 氏も「“ウィズコロナ”、“アフターコロナ”のニューノーマル時代に向けて、このソリューションを活用しながら、場所にとらわれず、どこでも柔軟に仕事ができる環境づくりを目指していきます」と語り、社内向け DX の一層の推進に力を注ぐと意気込みます。
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