情報公開から商品の購入や予約まで、様々なことをオンライン上で行える今、Webサイトが果たす役割は非常に大きなものとなっている。サイトの善し悪しが、ビジネスを左右するといっても過言ではないだろう。しかし制作側がどれほど熱い想いを込め、先進技術を駆使して作り込んだサイトであっても、ユーザーに受け入れられなければ意味がない。ユーザーが何を求め、どんなサイトを敬遠するのか。それをしっかりと把握した上で、企画・構築を進めていく必要があるだろう。
マイナビニュースでは2018年9月、ユーザーがWebサイトに関して抱いている不満について調査した。その結果を本稿から3回に分けて紹介する。貴社のサイト制作・運用のお役に立てていただければ幸いだ。
「WEBサイトに関するアンケート」概要
回答方法:インターネットによるアンケート
回答者数:1,007人
実施期間:2018年9月20日~26日
制作者側の判断が、ユーザーの欲しい情報を見つけにくくしている?
「欲しい情報があるのに、その情報が探しにくくて見つからない」という経験があるかどうかの質問に対し、実に90%が「ある」と回答している。そもそもユーザーの欲しかった情報が掲載されていないのか、掲載されていても分かりにくい場所にあったのかは、この2択では読み取れない。仮に後者だったとすると、そこには「この情報は、この程度に載せておけば大丈夫だろう」というサイト制作者側の判断があったと想像できる。発信する側にとっては小さな情報であっても、それを探しているユーザーの存在を想定したコンテンツ配置が求められるということだ。
また自由記述の回答には「メーカーのサイトだと商品説明が多くなり、見たいページにたどり着くまで時間がかかる印象がある」というものもあった。いわゆるカタログ形式のサイト構成で、カテゴリを何層も持つケースだと、こうした意見も出てきてしまいそうだ。なるべく少ないページ変遷で、目的にたどり着けるようにする工夫も重要だろう。
検索ワードに沿ったコンテンツ表示がされないことへの不満
「検索したワードと連動したコンテンツが表示されない(製品名で検索しているのにTOPページからしか入れないなど)」には74%が「経験がある」と答えている。「検索エンジンが蓄積しているクローリングのデータが古いもので、既にその検索ワード関連の記述はサイトから削除済みだった」、または「Webページを整理したり構成を変更したりした際に、URLが変わってしまった」ことが原因で、TOPページが案内されることもあるかもしれない。
しかし「既によく見ているページがあるのに、アクセスする度にTOPページから辿らないと、そのページにいけない」という経験を82%もの人がしているのを見ると、原因はそれだけともいえないようだ。自由記述欄には、次のような回答が寄せられている。
「少し時間を置くと必ずTOPページに戻らなければ、元のページが見られないことがある」「毎回ページがリセットされてしまい、そのサイトの中を探すのに時間を要することがある」「いつも見ているページをブックマークしているが、ブックマークからアクセスするとエラーが表示されて、『TOPページから再度アクセスをお願いします』とメッセージされることが度々あり、とても面倒くさいと思ったことがある」
制作者側があえてTOPページのみを入り口にする仕組みをつくっているとすれば、「他の情報や商品も見てもらいたい。だからなるべく多くのページが表示されるよう、TOPページからたどってもらおう」との考えがあるからだろう。しかしユーザーにとって、こうしたサイトは利便性を欠くものとして捉えられているのだ。
Webサイトのパーソナライズで、"デジ損"を防ぐ
Webサイトが無数に存在するなか、求められている情報をスムースに提供できなければ、ユーザーは別のサイトへ移ってしまい、顧客との関係性をWebサイトの訪問からつくり上げていくどころか、かえってそのユーザーを追い払ってしまうも同然、機会創出のチャンスとなるはずのデジタル体験を、デジタル上での機会損失(デジタル機会損失)(※)に変えてしまいかねない。
そのため、情報の発信側は、ずらりと並んだ検索結果のリストから選ばれたことがチャンスとなり、次からも利用してもらえるような利便性と快適さ、すぐれたデジタルエクスペリエンスを提供することを考えてサイト制作を行っていかなければならない。
これを支援する手段として、Webサイトのパーソナライズがある。アクセスしてきたユーザーそれぞれのニーズにあわせ、表示するコンテンツやレイアウトを変更するというものだ。ユーザーの属性がつかめれば、そのユーザーが興味や関心を持つと思われる情報を予測して提供することもできるようになる。「常に自分にぴったりの情報を提供してくれるサイト」だと認識されれば、リピーター獲得はもちろん、貴社のイメージアップ、売上アップにおいても有効な武器となるだろう。
下のリンクからはSitecore® Experience Platform™で実現するWebサイトのパーソナライズの概念と仕組み、代表的な導入事例を紹介している。貴社のサイトをより効果的に活用するためのヒントとして、ぜひご一読いただきたい。
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(※) デジタル機会損失(デジ損)とは
多くの訪問者は、何かしら目的をもってそのWebサイトにアクセスしてきます。しかし、せっかく訪問しているにも関わらず、その訪問者にはまったく関係がない、あるいは興味のないコンテンツを表示してしまっていることで、訪問者の興味を喚起することができず、すぐにサイトを離脱してしまい、訪問者をコンバージョンに導く機会を逸してしまっていること、またはその状態。
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