この連載では、ネットワークカメラのセットアップ方法を解説すると共に、利用方法や使い勝手についてもレポートしていきます。第一回と第二回では、ネットギア製Arlo Q Plusのセットアップと利用方法について解説しました。第三回の本項では、Panasonic製BB-ST162Aのセットアップについて解説します。
1.BB-ST162Aのネットワーク接続方法
BB-ST162Aは、Panasonic製のネットワークカメラです。
BB-ST162Aは、ネットワークに接続する事でカメラの映像をパソコンやスマートフォンから見る事ができます。BB-ST162Aのネットワークへの接続方法は、以下の2通りあります。
BB-ST162Aは、PoE(Power over Ethernet)をサポートしています。PoEとは、LANスイッチからツイストペアケーブル経由で電力を供給する仕組みです。
PoEを利用すると、電源コンセントがない場所でもBB-ST162Aを設置する事ができます。
2. PoE対応LANスイッチ
今回は、BB-ST162Aをネットギア製LANスイッチGSS108EPP、またはGS408EPPに接続して動作検証しています。両者は、PoEに対応したLANスイッチです。複数台のBB-ST162Aをツイストペアケーブルで接続してネットワークを使えるようにすると共に、電力を供給する事ができます。ツイストペアケーブルの制限長は100mのため、離れた場所でも接続できます。
LANスイッチの接続口はポートと呼ばれます。GS108EPPは赤枠部分がPoEに対応しているため、BB-ST162Aを1~4番目のポートに接続します。GS408EPPは、全てのポートがPoEに対応しているため、どのポートにも接続できます。GS108EPPやGS408EPP側の設定は不要です。ツイストペアケーブルで接続するとBB-ST162Aが起動し、本体のLEDが点灯します。
3.IP簡単設定ソフトウェア
BB-ST612Aは、パソコンからログインして映像を見たり設定変更したりできます。簡単にログインするためには、「IP簡単設定ソフトウェア」を利用します。「IP簡単設定ソフトウェア」は、付属のCD-ROMからインストールします。付属のCD-ROMをパソコンにセットしてCDLauncher.exeを実行すると、以下の画面が表示されます。「ユーザーアカウント制御」が表示された場合、「はい」をクリックします。
「使用許諾契約書の条項に同意します。」を選択し、「OK」をクリックすると以下の画面が表示されます
赤枠の「インストール」をクリックすると、以下の画面が表示されます。
赤枠の「インストール」をクリックすると、インストールは完了です。インストール後はデスクトップにショートカットが作成されます。スタートメニューにもショートカットを作成する場合は、青枠部分にチェックを入れます。また、インストール先を変更する場合は緑枠部分を選択し、フォルダを選択します。インストール後は、ショートカットをダブルクリックすると、「IP簡単設定ソフトウェア」を起動できます。起動時は、以下の画面が表示されます。「ユーザーアカウント制御」が表示された場合、「はい」をクリックします。
「使用許諾契約書の条項に同意します。」を選択し、「次回から表示しない」にチェックを入れた後、「OK」をクリックすると以下の画面が表示されます。ファイアウォールのブロックに関する表示があった場合、「アクセスを許可する」をクリックします。
BB-ST162Aは、デフォルトではDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によりIPv4アドレス等の情報を自動取得します。IPv4アドレスは住所のような役目をしており、通信するために必須です。DHCPにより取得できない場合は、192.168.1.10が設定されます。このため、DCHPを利用できている場合、上記のIPv4アドレス欄が192.168.1.10以外になっています。DHCPを利用できずにIPv4アドレスが192.168.1.10になっている場合、ネットワーク環境に合わせてIPv4アドレスの変更が必要です。IPv4アドレスを変更するためには、赤枠の「ネットワーク設定」をクリックします。
「接続モード」で「固定IP」を選択し、少なくともIPv4アドレス、サブネットマスクを入力します。デフォルトゲートウェイも多くの場合は入力が必要です。また、インターネットと通信する際は、DNSの設定も必要です。これらの情報がわからない場合は、ネットワークの管理者に確認が必要です。
4.ログイン後のセットアップ
BB-ST612Aの初期セットアップ方法です。まずは、「IP簡単設定ソフトウェア」を利用してログインします。
ログインしたいネットワークカメラを選択し、赤枠の「カメラ画面を開く」をクリックするとInternetExplorerが起動するため、ユーザー名とパスワードを入力してログインできます。デフォルトで登録されているユーザー名は「admin」、パスワードは「12345」です。ログイン時に「ユーザー名とパスワードが、初期設定のままです。」と警告が出るため、「OK」をクリックして初期画面を表示します。
ログイン後は、画面左下の「プラグインソフトウェア」をクリックし、表示用プラグインソフトウェアのインストールが必要です。画面表示に従って「次へ」等をクリックすると、インストールが完了します。パスワードを変更するためには、「設定」→「ユーザー管理」を選択します。
赤枠部分で「admin」、青枠部分に新しく設定するパスワードを2回入力します。緑枠部分では「1.管理者」を選択します。黄色枠の「登録」をクリックすると、パスワードが変更できます。パスワードはマニュアルにも記載されていて、デフォルトのままでは誰でもログインできてしまうため、必ず変更が必要です。なお、IPv4アドレスがわかっている場合、「IP簡単設定ソフトウェア」を使わずにInternetExplorerを起動して、アドレス欄にIPv4アドレスを入力してもログインできます。
4.おわりに
今回、GS108EPPとGS408EPPのPoE機能を使って、BB-ST162Aの映像を問題なく見る事ができました。BB-ST162Aは、PoE対応LANスイッチを利用すると、電源コンセントがない場所でも簡単に設置が可能になります。また、「IP簡単設定ソフトウェア」を利用すれば、簡単にログインしてライブ映像を見る事ができます。 次回は、BB-ST162Aの利用方法について解説します。
のびきよ
2004 年に「ネットワーク入門サイト」を立ち上げ、初心者にも分かりやすいようネットワーク全般の技術解説を掲載中。著書に『短期集中! CCNA Routing and Switching/CCENT教本』、『ネットワーク運用管理の教科書』(マイナビ出版)がある。
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