Internet of Thingsの「Things」は要するに「ネットにつながることを想定していなかったすべてのもの」である。そのため守備範囲は非常に広く、IoTの記事を読み進むとありとあらゆる分野にまたがった議論になりがちで、業界の専門用語や省略語の知識がないと、いちいち立ち止まることにもなりかねない。 そこでここでは、【3分でわかるIoT関連用語集】 として毎月、カテゴリごとに2-3のIoT関連用語をピックアップして、できるだけ平易に説明していきたいと思う。詳細を知りたい方にも役立つように、用語には基本、より深い知識を得るためのリンクを張ったので、そちらも併せてご活用いただきたい。

今回のカテゴリは「AI、機械学習と深層学習(Deep Learning)」

【AI: Artificial Intelligence(人工知能)】

人工知能を定義しようとする場合、2つの側面があると一般に言われている。いわゆる人間に似た知能を備えた機械を作ろうというもの。もうひとつは人間の知能でやっていることを機械にやらせたらどうか、というものである。ビジネスにおいてニーズが高いのは後者であり、それをより効率化し、高精度なものにするための過程で手法としての機械学習と深層学習(Deep Learning)が注目を集めている。こちらに関しては後述する。

参考:人工知能学会

【機械学習と深層学習(Deep Learning)】

高度なAIになると、ある条件下で自ら仕分けをしたり、さらにはその判断基準を自ら生み出したりできるようになる。そこにいたるまでの技術が、機械学習と深層学習だ。簡単に言えば両者の違いはAI側の、自己判断の有無にあると言える。2011年くらいからメディアに取り上げられるようになり、広く流布した。例えばIBMのワトソンは、自然言語処理と機械学習を併用するプラットフォームだが、CMなどで見た方も多いのではないだろうか。

機械学習とは、大量のデータを処理することで「仕訳 」ができるようになること。まず人が機械に、なにを分析するのかを定義づけし、それに従い機械が仕分けていく。機械は与えられた定義に即してデータを分析し、一定のパターンを習得し、それをルール化して自ら成長し、その精度を高めてゆく。イメージしやすいのがグーグル検索の検索予測機能やネットショッピングのレコメンド機能だ。これは人間がいちいち介入するのではなく、AIが検索結果データをパターン化し、ルール決めをして、提案している。

さらに機械学習が進み、人間が分析個所を指定しなくても機械が自らの判断で分析をする、これが深層学習(Deep Learning)である。大量のデータを渡すことで機械が自ら「特徴量」に注目し、自らどう判断するのかを考える。深層学習が機械学習と決定的に違う点は、この分析に用いられるのは、人間の神経を参考に作った「ニューラルネットワーク」であるということ。つまり、機械学習と深層学習は、分析する枠組みがそもそも違う、プラス、分析にあたって自律的に動ける動けないという、いわばハード面とソフト面、両方において異なっていると言える。 ちなみに人間の神経の仕組みを機械に入れたことで、機械が人間を追い越す大きな転換期がやってくるという「シンギュラリティ」と呼ばれる仮説があり、それによれば2045年が、そのターニングポイントにあたるそうだ。

参考:IBMウェブサイト 

提供:【アヴネット株式会社】 アリゾナ州フェニックスに本社を構えるAvnetの日本法人で、半導体・組込み分野に強みを持つ技術商社。日本の本社は東京・恵比寿にあり、八王子のテクニカルセンターや大阪、名古屋、京都、松本、上田、福岡と国内8拠点で広くビジネスを展開している。グローバルのビジネス拠点は125拠点。

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