さて、今回の『3分でわかるIoT関連用語集』は、春の展示会シーズンに備え、今月3日からはじまる「第3回 AI・人工知能 EXPO」において披露される注目のデモに絡めたふたつの用語を解説する。

  • ニューロンイメージ

ディープラーニング

自動運転やスマートフォンアプリなど、さまざまな領域で人工知能、コグニティブの応用が進められている。それと切り離せないのが、本連載の第2回でも紹介した「ディープラーニング」(深層学習)と呼ばれる技術だ。

一時ニュースなどでも盛んに取り上げられた、囲碁のチャンピオンを負かした人工知能「アルファ碁」を記憶している人も多いだろう。また、人工知能が描き上げた絵画に、破格の値段がついたニュースも記憶に新しい。

いずれの人工知能も、ディープラーニング技術を利用しているが、そのアルゴリズムに人間の思考を凌駕する可能性を感じたことが、これだけの注目を集めたゆえんであろう。Wikipediaによれば、「ディープラーニングまたは深層学習(しんそうがくしゅう、英: deep learning)とは、(狭義には4層以上の)多層のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク、英: deep neural network; DNN)による機械学習手法」であり、「深層学習登場以前、4層以上の深層ニューラルネットは、局所最適解や勾配消失などの技術的な問題によって十分学習させられず、性能も芳しくなかった」とあるが、”今は昔”感がある。

ニューラルネットワーク

ディープラーニングの基礎であるニューラルネットワークとはなんだろう。Wikiによれば「ニューラルネットワーク(神経網、英:neural network)は、脳機能に見られるいくつかの特性に類似した数理的モデルである」とされる。つまりニューラルネットワークは、1)人間の脳の仕組みからヒントを得て 2)脳機能の特性を数理モデル化(アルゴリズム)し 3)コンピュータで表すことができるように人工的に作られたもの、といえる。

単純作業を高速で処理するコンピュータに、人のような学習能力(学習と推論)を持たせて、パターン認識によって問題を解決するためのアプローチだ。世の中のあらゆるデータ、画像や音、テキストなどをすべて数値変換することでパターン化し、ラベルを付けてクラスタリングする。

ニューラルネットワークのモデルは多岐にわたるが、わかりやすい例をあげれば、画像認識処理では、Facebookの写真の自動タギングや、自然言語処理ではGoogle翻訳のアップグレードなどにも利用され、成果を出しているといわれるとわかりやすいかもしれない。前者には畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が、後者には再帰型ニューラルネットワーク(RNN)が利用されている。

AI・人工知能といえば、東京ビッグサイトで近々、AIと人工知能をテーマに大々的な展示会が行われる。お時間が合えばぜひ、この機会に足を運んで最新のニューラルネットワークやその周辺の技術に触れていただきたい。

第3回 AI・人工知能 EXPO (2019年4月3日(水)~5日(金))

https://www.ai-expo.jp/ja-jp.html


本展示会ではさまざまなAIのデモが行われるが、ブース番号11-15において、ニューラルネットワークの受託ビジネスを展開する株式会社シンコム(神奈川県横浜市)は、小型FPGA SoC 評価プラットホームUltra96にCNNを使用し、エッジに最適なクラス数の物体検出機能を実装したデモを展示する予定。物体検出実装コンセプト・モデルが、ほぼ名刺大のサイズで評価できる環境が整えられている。

参考:シンコム https://synkom.co.jp/

シンコムは、これまで半導体設計・IP 開発サービスを展開する中で蓄積してきた高いハードウェア技術をもとに、クラス分類・物体検出・セグメンテーションといった機械学習の幅広い分野で、システム提案が可能な提案型設計会社です。FPGAへのアルゴリズム実装だけでなく、高精度な結果を実現する学習データ作成から、お客様のニーズに合わせた開発を実現します。


情報提供:アヴネット株式会社

https://www.avnet.co.jp/


アヴネット株式会社は、半導体・組込み分野に強みを持つ業界最大級のグローバルエレクトロニクス技術商社。日本の本社は東京・恵比寿にあり、八王子のテクニカルセンターや大阪、名古屋、京都、松本、上田、福岡と国内8拠点で広くビジネスを展開している。グローバルのビジネス拠点は125拠点で、本社はアリゾナ州フェニックス。

※本記事は「アヴネット」から提供を受けております。著作権は同社に帰属します。

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