現在使われている携帯電話通信の進化版として既に認知も高い「5G」。今回の『3分でわかるIoT関連用語集』では、この5Gについて、私たちが持つ携帯電話にどんな進化をもたらしてくれるのか、具体的に掘り下げて紹介したい。
まず「5G」とは、言うまでもなく携帯電話の通信方式で、第5世代移動通信システム(5th Generation)の略だ。2018年6月14日にグローバルな標準化プロジェクトである3GPP (Third Generation Partnership Project)によって標準規格が策定され、当初は2020年を目途に規格化が進行していた。
携帯電話の通信方式と言えばアナログ方式の第1世代からデジタル化の2Gと進化し、今の主流は4G(LTE)だ。その先の5Gはいったいなにを「標準」としたいのか、つまりは利用者である我々に、どんなメリットを提示しようとしているのだろう。
5Gの標準化~3つのKPI~
3GPPにおける5GのKPIおよび目標値は大きく3つ、「高速大容量(eMBB、enhanced Mobile Broadband)」、「超高信頼・低遅延(URLLC、Ultra-Reliable and Low Latency Communications)」、および「超大量接続(mMTC、massive Machine Type Communication)」だ。ここから想定されるユーザメリットはいくつもある。
この標準化はもちろん、IoT時代をも見据えたものだ。たとえば「超高信頼」の項目は、リモート操作・自動運転といった用途に大きく貢献するであろうし、「超大量接続」においては、これから増えてゆくIoT機器が、密集しても干渉なく通信できることを意味する。
参考:NTTドコモ『3GPPにおける5Gの要求条件および評価条件』
日本における5Gの課題
2016年に総務省により「新世代モバイル通信システムの技術的条件」の審議が行われ、その後、同省が出した資料『電波政策2020 懇談会 報告書(案)』 を見てもわかるように、日本の5Gの開発は2020年の東京五輪をターゲットとして進んでいた。ところがここにきて5Gの市場投入を2019年にすると欧米各社や中国企業が発表し、一気に5G化の加速の波が訪れている。その動きが一気に具体化したのはなんといっても今年10年目を迎えた世界最大級のモバイル展示会、Mobile World Congress(2月、バルセロナ)での各社のソリューションやプロトタイプの展示および発表だろう。
2020年と考えて立案してきた日本国内の5Gの実用化を1年早めるためには3大キャリアのみならず周辺デバイス関連企業にとっても、それに対応する技術の開発、対応する部材や人員の確保など、乗り越えるべき課題は多い。
果たして1年後、我々の手元にある携帯電話は最新の5G携帯なのか、それとも……。いずれにせよ日常生活にも大きな影響を及ぼすだけに今後の動向には、最新の通信技術をこの手にできる楽しみも含め注目したい。
参考:総務省資料『電波政策2020 懇談会 報告書(案)』 平成28年6月
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