Gartnerは、2年以内に200億以上のモノのインターネット(IoT)デバイスが業務用と個人用向けの両方で展開されると予測しています。これは、2018年に市場に出回っていた量の約2倍です。
つまり、2019年には、多くの賢明なエンジニアや起業家が新たなIoT対応ソリューションに命を吹き込むということです。あなたがその1人ならば、IoT戦略を賢明なものにし、成功させるために、以下の6大技術トレンドを考慮する必要があります。
1.エッジにおける人工知能(AI)
特に医療や製造、輸送をはじめとする産業向けの高負荷IoTアプリケーションでは、レイテンシが重要です。AIによってリアルタイムで動作するIoTデバイスは、データがクラウドとの間を行き来するのを待つことができません。データをリアルタイムで収集・分析するために迅速に応答を得ようと思えば、ネットワークのエッジでAI対応のIoTデバイスを実行する必要があります。クラウドとのやり取りが不要になることにより、パワフルなアルゴリズムで新たな情報により迅速に対応し、より正確な自動意思決定を行うことができるようになります。
2.暗号通貨の需要
暗号通貨による従来の金融機関の回避は、引き続き本格化しています。BitcoinやEthereumなどのブロックチェーンアプリケーションで取引できる企業は、有利な立場にあります。しかし、暗号通貨をIoT戦略に組み込むためには、信頼できる処理に必要な高水準のコンピューティングパワーとストレージを確保するための資金とそれらの保護に関する事前の計画が必要になります。ブロックチェーントランザクションの検証プロセスであるクリプトマイニングは、分散型ネットワークアーキテクチャを利用し、トランザクションの認証を行います。エッジの電池式で低コストなIoTハードウェアがブロックチェーンアクティビティに積極的に参加するために必要とされる処理能力またはエネルギーを有する可能性は低いとみられます。
3.自律デバイスの進歩
自律デバイスに関しては、自動運転車が注目を集めているようです。しかし、IoTは、環境の認知と受信データを組み合わせて業務上の意思決定を行うことのできるその他多くのデバイスに自律の概念を拡大しています。製造や農業、金融サービスなどの業界は、その恩恵を得ることができるでしょう。新たなIoTデバイスの展開に伴い、アクションにつながるデータをリアルタイムで収集・分析できるようになる企業が増えるため、エッジコンピューティングの重要性が高まるとみられます。
4.ビルトインのセキュリティ対策およびポリシー
IoTにより、嬉々としてネットワークへの新たな入り口を利用するアタッカーを巡り、全く新しい脅威がもたらされています。ハッカーはすでに、IoTデバイスに侵入し、この行動をコンロトールする、あるいはデータの盗用やサービスの中断のためにそれらを利用してネットワークへのさらなる攻撃を行う方法を探っています。IoTを利用したソリューションを開発する場合、ソフトウェアとハードウェアの両方を保護するビルトインのセキュリティ対策およびポリシーを備えることが重要です。エンドツーエンドでサイバー攻撃に対する保護を強化しなければ、アタッカーに侵入されることになるでしょう。
5.GDPRおよびその他のプライバシー規制に対する配慮
欧州連合では2018年5月25日に一般データ保護規則(GDPR)が施行され、個人を特定できる情報(PII)の収集、処理、管理方法に対して新たに厳格な規則が課されることになりました。他国も同様の規制ですぐに後に続くとみられます。IoTデバイスは多くのデータを収集しており、進化するプライバシー要件を満たすことはますます困難になるでしょう。エンジニアは、世界中で異なる規制や認証を切り抜ける方法について、専門家の助言を求めることが不可欠です。遵守を怠り、更新プロセスを組み込まなかった場合、IoTソリューションの導入が脅かされるのみらず、企業の財務状況に影響が及ぶ可能性もあります。例えば、GDPRに対する1件の違反により、最大で2,000万ユーロまたはその組織の世界全体における年間総売上高の4%に相当する罰金が科されることがあります。
6.拡張現実の導入の拡大
特にIoTアプリケーションにおいて、エンベデッドビジョンは人間と電子機器との関係を変化させつつあります。アルゴリズムと機械学習の新たな進歩に伴い、工業や医療、セキュリティ、自動車から消費財まで、ほとんどすべての業界向けのソリューションで拡張現実(AR)コンポーネントの拡大が見込まれます。ARがIoTデバイスの「クールな要素」を後押しするのは間違いありませんが、可能だからといってそれが良いアイディアとは限りません。慎重に考えられた製品計画に従い、ARが製品全体の有用性にどのくらい貢献するのかを検証することが重要です。
賢明な開発者は、拡大するIotソリューション市場に参入する時が来ていることを知っています。今こそ計画を前に進め、適切なネットワーク、セキュリティ、プライバシー、テクノロジーを選択する(そして、自社にない経験を有する適切なパートナーを見つける)ことにより、競争の一歩先を行くことができることを実感してください。
当記事はアヴネットによる記事コンテンツを転載したものです
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