Bill Amelio
アヴネット最高経営責任者

私はこれまでキャリアのすべてをテクノロジー事業に捧げ、多くのアイディアが「ピカピカの新しいもの」から「流行語」に、そして「最低限必要な条件」になるのを見てきました。

モノのインターネット(IoT)は、そうした発展の好例でしょう。10年前、それは刺激的ではあるものの奇抜な概念でした。今日では、セクターや地域にかかわらず、それはほとんどのビジネスモデルにおける標準的な要素となっています。アヴネットが、企業が製品をアイディアから設計、設計から製造へと迅速に展開していくためのシンプルで費用効果に優れた方法を実現することにより、IoTソリューションの進化を促進する包括的なエコシステムを設計したのは、そのためです。

しかし、IoTを性急に運用モデルに取り入れようとするあまり、IoTは、互いに接続され、実行可能な洞察に満ちたデータを生成するデバイスを備えるという目的を達成するための手段である、ということが見えなくなっている企業もあります。 IoTをうまく導入するには、モノ、データ、アクション、インサイトという適切な構成要素から始めなければなりません。そして、構成要素自体よりもさらに重要なのが、アーキテクチャ、運用、管理です。IoTソリューションの各要素が接続され、信頼され、スマートなものになるように、それらを構築する必要があります。

IoTの4つの構成要素

モノは、データを収集し、送信するデバイスです。データは、迅速、確実かつ安全にネットワークを移動しなければなりません。インサイトは、モノによって収集され送信されたデータを分析して得られた結果です。最後に、新たなインサイトによってもたらされたチャンスをつかんだ成果として、アクションがあります。 構成要素には、それぞれ独自の複雑さがあります。センサーやアクチュエータ、無線機器など、デバイスを「スマート」にするIoTコンポーネントは文字通り何千種類も存在し、形状やサイズ、機能もさまざまです。適切なアプリケーションのために適切なコンポーネントを見つけるだけでも大変です。同様に、データをある場所から別の場所に移動させるための接続を実現するのにもさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。最後に、インサイトとアクションを生み出すソフトウェアプリケーションとアナリティクスがあります。

このように多様なIoTの構成要素を管理するのは大したことではないと言わんばかりに、IoTの計画と導入で見失うことが多いのが、これらすべての要素をどのように安全に適合させ、連携させるかということです。アーキテクチャに関する3つの課題を通して、IoTの展開を考えるのがよいでしょう。

IoTの展開

IoTのアーキテクチャに関する1つ目の課題は、適切で安全なオペレーショナルテクノロジー(OT)を見つけることです。Microsoftによれば、セキュリティに関する問題の98パーセントはOTまで遡ることができます。IoTには、すべてのトランザクションポイントでデータを安全に保護する責任が伴います。多くのIoTデバイスは防御が脆弱で、ますますハッカーの熱心なターゲットとなっているため、企業はデータ流出のリスクを負っているだけでなく、常にその脅威にもさらされています。IoTソリューションの各コンポーネントに信頼できるアイデンティティがなければ、システム全体が脆弱になってしまいます。

2つ目の課題は、IoTが動作している仮想環境を適切に構築し、保護することです。パーソナライゼーションや、証明書インジェクション、公開鍵基盤(PKI)、ライフサイクル管理サービスといったものは、セルラー通信の世界では一般的です。しかし、多くのIoTシステムのモノ-データ-インサイト-アクションというプラットフォームでは、最先端の仮想セキュリティは標準にはなっていません。

3つ目の課題は、IoTシステム自体の複雑性を管理することです。IoTの構成要素にはさまざまな形状やサイズがあり、それらの構成要素に用いられている技術は加速度的に変化しています。さらに、複雑なIoTソリューションに命を吹き込むには10社ものパートナーが必要になることがあり、そのことがうまくいかないことがあったときに説明責任に関する問題をもたらすとともに、企業がこの進化し続ける分野に適応するのを妨げる可能性があります。IoTソリューションの開発の大部分を調整できるパートナー1社を見つけることができれば、より早く動けるだけでなく、ビジネスに集中できるようになり、大きな競争上の強みとなります。

私はビジネスリーダーとして、ビジネスを運営し、成長させるためには、適切な構成要素が非常に重要であることを理解しています。しかし、それだけでは成長は保証されません。長く生き残るには、卓越した運営、健全なインフラストラクチャ、優れた管理が必要です。モノのインターネットには、特にそれが当てはまります。流行語が最低限必要な条件となり、IoTがエッジコンピューティングやAIなどに拡大するにつれ、適切な要素を適切な場所に配置し、適切に管理することが不可欠になります。しっかりと戦略を練ることにより、IoTの構成要素をうまく積み上げることができます。

Bill Amelio

アヴネット最高経営責任者

当記事はアヴネットによる記事コンテンツを転載したものです

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