「G Suite for Education」からリブランドされた「Google Workspace for Education」
Googleが提供する教育機関向けグループウェア「Google Workspace for Education」は、以前「G Suite for Education」と呼ばれていたものが、2021年2月にリブランドされたものである。
利用できる組織は「G Suite for Education」と変わらず、「国内的または国際的に承認された認定資格を提供する、政府公認校として正式な認可を受けた教育機関であること」が条件だ。日本の場合は基本的に、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学が対象となっていると考えていいが、残念ながら学習塾や学生団体、職業教育機関、カルチャースクールなどは含まれていない。
機能としては企業向けの基本機能であるGmailやGoogleドキュメントといったツールが利用可能で、教育機関向けには授業や提出物管理を助けてくれる「Classroom」がサポートの対象となっている。なお、利用できる機能自体は「G Suite for Education」から特に変更されていない。
大きく変わったのは、エディションの種類が増えたことだ。企業向け「Google Workspace」ではエディションが細分化されているが「Google Workspace for Education」ではどのように変更されているのだろうか。
エディション名が変更になった従来の無料版・有料版は継続利用が可能
「G Suite for Education」では、基本機能がすべて利用できる無料版と、セキュリティ機能や管理機能とMeetの機能が大幅に強化されている有料版「G Suite Enterprise Education」という2種のエディションで構成されていた。「Google Workspace for Education」では、この2種のエディションの間に新たに2つのエディションが加わっている。
まず従来の無料版は「Google Workspace for Education Fundamentals」とエディション名が変わっているが、内容に変更はなくリブランド前から導入している教育機関ではそのまま使い続けられるはずだ。一方で従来の有料版も「Google Workspace for Education Plus」と名称が変更され、こちらも機能の変更はない。以前は高度なセキュリティと管理機能が強化されたエディションという位置づけだったが、リブランド後はセキュリティと管理機能にとどまらず、全機能を網羅しているシリーズ最上位エディションとなる。こちらはすでに導入している教育機関ではそのまま利用できるが、必要とする機能によっては新しく追加された2つのエディションを検討してみてもいいだろう。
新しく加わった”上位版”と”トッピングタイプ”の2つのエディション
G Suite for Education | Google Workspace for Education |
---|---|
G Suite for Education | Google Workspace for Education Fundamentals |
- | Google Workspace for Education Standard |
- | Teaching and Learning Upgrade |
G Suite Enterprise Education | Google Workspace for Education Plus |
無料版の「Google Workspace for Education Fundamentals」の上位版として、セキュリティが強化され、分析機能や管理機能を備えているのが「Google Workspace for Education Standard」だ。有料版に求める機能がセキュリティと管理だけという場合に選択肢したいエディションとなる。
ここまで紹介した3つのエディションは、組織単位で導入するもので、たとえば生徒は無料版で教師は有料版といった使い方はできない。一方、新エディションの「Teaching and Learning Upgrade」は必要なユーザー数だけを追加できる”トッピングタイプ”のエディションだ。
「Teaching and Learning Upgrade」はGoogle Meetの機能を中心に強化されているエディションで、たとえば大規模な会議やライブストリーミングが行える。また、オンライン授業中の質疑応答やアンケートといった機能が追加されているため、授業中のインタラクティブなやり取りを活性化できる。こうした特徴から教師に限定した導入でも、十分に活用できるエディションといえるだろう。また、高学年を受け持つ教師だけ、特にインタラクティブなやり取りが必要な科目の教師だけ、などと利用ユーザーをさらに絞り込むことも可能だ。
有料版で意識したい「生徒用」と「教師用」のライセンスの違い
エディション選択時にもうひとつ押さえておきたいポイントは、生徒用と教師用のライセンスの違いだ。無料版「Google Workspace for Education Fundamentals」では生徒、教師関わらず全員が無料で利用できるのであまり意識する必要はないが、有料版では注意が必要だ。ただしトッピングタイプの「Teaching and Learning Upgrade」は、先にも述べた通り必要数だけ追加するタイプであるため生徒用、教師用という考え方がない。誰が使っても1ライセンスごとの価格は同じだ。
セキュリティ強化エディション「Google Workspace for Education Standard」と最上位エディション「Google Workspace for Education Plus」では、教師用アカウントと生徒用アカウントが区別されている。全体で100ライセンスを購入してそのうち10ライセンスは教師が使うという考え方ではなく、生徒用の4アカウントに対して、教師用の1アカウントが無償提供される仕組みだ。つまり100人の生徒がいる組織ならば25人分の教師用アカウントを利用できることになる。一般的なひとクラスの人数に対し1人という比率よりも多くの教師用のアカウントが付与されるため、専門教科の教師や管理職のぶんまで十分カバーできるだろう。
有料版の選択に迷ったときは…
現状ではGIGAスクール構想をきっかけに導入した多くの小中学校で無料版が使われているが、運用していく中でセキュリティに不安を感じたり、オンライン授業を実施していくうえでGoogle Meetの機能に不足を感じることもあるだろう。今回新たに加わった2つのエディションにより、以前よりも有料版が選択しやすくなった。特に「Teaching and Learning Upgrade」はユーザー数を絞った小規模な導入も可能だ。
有料版を扱えるベンダーは実は国内でわずか3社しか存在しない。そのうちの1社、株式会社サテライトオフィスは豊富な導入実績を持ち、先行導入してきた学校の様子も知り尽くしている。具体的にやりたいことを実現するためにどのエディションが最適なのか、生徒と教師の人数比を考慮した際にどのエディションを選択するのが最善なのかなどと迷った場合は、サテライトオフィスに相談してみるといいだろう。
監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。Google Workspace(旧称:G Suite)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。
サテライトオフィス
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さまざまなビジネスモデルに最適なソリューションパッケージを開発し、ユーザー目線に立った戦略の企画・提案を行っています。業界No.1の導入実績を持つGoogle Workspace(旧称:G Suite)やMicrosoft 365、LINE WORKS、Workplace by Facebook などクラウドコンピューティングに関わるビジネスの可能性を追求しています。
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