Google Appsのメール【カスタマイズ編】

前回は、「Google Apps for Work」のメール機能に関する概要を解説した。そこで今回は、このメール機能をより使いやすくする各種アドオンについて紹介していこう。

監修：原口 豊(はらぐち・ゆたか) 大手証券会社システム部に在籍後、1998年サテライトオフィス（旧ベイテックシステムズ）を設立し社長就任。2008年に、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始、GoogleAppsの導入サポート実績はこれまで2,000社以上。「サテライト・オフィス」ブランドで多数のテンプレートを無償提供するなど、GoogleAppsの普及に尽力。 提供:サテライトオフィス

メールやSNSの誤送信を防止

ビジネスメールで送信ボタンをクリックした瞬間「しまった！」と感じた経験はないだろうか。宛名が間違っていた、添付ファイルを忘れていた、本文や件名に間違いがあった、などさまざまな理由が考えられるが、こうしたミスは時として重大なトラブルを引き起こす。たとえば、社内向けに送ろうとした個人情報や重要機密が社外へ漏れれば、ブランドイメージの低下から賠償問題、経営危機にまで発展しかねない。こうしたメールの送付ミスを抑制できるのが、サテライトオフィスが提供するアドオン「サテライトオフィス・メール誤送信防止 for Google Apps」だ。

このアドオンは、Google Apps for WorkのGmailでメールを送信する際、システム管理者が事前に設定した管理ポリシーに基づき、自動で送信チェックを行うというもの。管理ポリシーに抵触した場合、該当ユーザーに警告を出す、強制的に禁止する、といった処理が可能となる。

具体的な設定例として、まずメール本文の内容に関するものでは、メール本文に特定のキーワードが入っていたら警告またはエラー表示を行うことが可能。メールアドレス関連では、To/Cc/Bccに指定したドメイン外のメールアドレスを含む場合に警告を出す、Bccに特定のメールアドレスを必ず入れて送信させる、ToやCcに指定した件数以上のメールアドレスが入っていると警告またはエラー表示を行う、といった処理ができる。

添付ファイルに関しても、ZIPやLZHなど指定した拡張子以外は警告またはエラー表示を行う、指定した容量以上の添付ファイルに対して警告を表示または送信禁止にする、添付ファイルがある場合にユーザー確認を行う、といったことが可能だ。 システム管理者向けには、利用ユーザーが一目で分かる一覧表示機能を装備。また、“@gmail.com”アカウントでのログイン禁止、返信用メールアドレスに対する“@gmail.com”アドレスの指定禁止など、Gmailならではの機能も備えている。

そのほか、メールだけでなくSNSでの誤送信を防止できるのも特徴のひとつ。システム管理者の設定により、たとえばGoogle＋は利用禁止でもハングアウトだけ許可する、Google＋で管理者が作成する社内向けコミュニティのみ利用できるようにする、といったことも可能になる。

アドオンでメールの再送信をより簡単に

続いては、「サテライトオフィス・再送信メール作成機能 for Google Apps」を紹介しよう。こちらのアドオンは、以前送信したメールを原本として、再送信メールを簡単に作成できるというもの。再送信したいメールを開き、再送信メール作成ボタンをクリックするだけで、To/Cc/Bccに加えて件名や本文、添付ファイルまでコピーしたメール作成画面を表示してくれる。定型連絡メールなどの送付が多く、今まで「宛先入力や件名・本文のコピー＆ペーストするのが面倒！」と感じていた人にとっては実に便利な機能だ。送信済みメールからの再作成はもちろん、テンプレート用のメールをラベルにまとめておくという使い方もできる。

メールのアーカイブサービスも活用

アドオンではないが、メール関連のカスタマイズ術として、Google Apps for Workのメールをすべてアーカイブしておけるサービス「サテライト・メールアーカイブ for Active! Vault SS」（http://www.sateraito.jp/ActiveVaultSS.html）も合わせて紹介しておきたい。

こちらは、Webメールに加えて誤送信防止/アンチスパム/アーカイブなどのメールソリューションを提供するトランスウェアのメールアーカイブサービスを、Google Apps for Workと連携したもの。送受信メールのリアルタイムなアーカイブはもちろん、アンチウイルス＆アンチスパム、メールの検索とWebブラウザからの復元、「メールコントローラー」によるメール配送情報の管理・確認などが行える。メールデータは日本のデータセンターで管理されており、日本語によるリアルタイムな全文検索も可能だ。

Google Apps for WorkのGmailは、標準でも十分に使いやすい機能性を備えているが、カスタマイズによって一段と利便性が向上する。社内外への重要な連絡手段であるメールに関して、よりセキュアかつ効率的な運用体制が築けるので、メール運用に不安や課題を抱える企業にオススメだ。

サテライトオフィス

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