2016年10月より「G Suite」に名称変更した「Google Apps for Work」。前回、ドキュメントの保存・管理に関する概要編で解説した通り、G Suiteはファイルの共有・保存場所としては多大な恩恵を受けられる反面、残念ながら文書管理に特化した機能を備えていないのがウィークポイントとなっている。
しかし、ここで諦めてしまう必要はない。なぜならば、サテライトオフィスが提供しているアドオン「サテライトオフィス・ドキュメント管理 for Google Apps」の存在があるからだ。
監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立し社長就任。2008年に、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始、G Suite(旧名:Google Apps)の導入やアドオンの提供で、これまで実績2万社以上。「サテライト・オフィス」ブランドで多数のテンプレートを無償提供するなど、G Suite の普及に尽力。
提供:サテライトオフィス
サテライトオフィス・ドキュメント管理 for Google Appsは、添付や入力フォーム経由などでG Suite上にアップロードした各種ドキュメントを適切に管理できるアドオンだ。単純にドキュメント一覧を見やすく表示するだけでなく、未読/既読管理やアクセス権限の設定、バージョン管理まで行うことができる。Googleサイトのガジェットとして提供されるため、PCはもちろんスマートフォンやタブレットからも利用可能。それでは早速その詳細を見ていこう。
サテライトオフィス・ドキュメント管理 for Google Apps |
ガジェットは一般ユーザー向けと管理者向けの2種類があり、一般ユーザー向けについては、ドキュメントの新規作成・送付・承認が行える「ドキュメント作成・承認ガジェット」、定義されたカテゴリ分類でドキュメントを閲覧できる「公開ドキュメント一覧ガジェット(カテゴリ別)」、定義された文書種別分類でドキュメントを閲覧できる「公開ドキュメント一覧ガジェット(文書種別別)」、公開されたドキュメントを新着順に一覧表示する「新着ドキュメント一覧ガジェット」を用意。また管理者向けには、文書ひな形/ユーザー情報/参照用マスターデータ/カテゴリ/文書種別といった基本的なデータの登録、文書の一括アップデートやオペレーションログのエクスポートなど各種管理が行える「ドキュメント管理者画面ガジェット」、アプリケーション仮想分割で作成したドメイン内にある複数のドキュメント管理アプリケーションを一覧表示する「アプリケーションID一覧ガジェット」が利用できる。一般ユーザー向けガジェットに関しても、たとえば ドキュメント作成・承認ガジェットでは「承認待ち/済み」や「回覧待ち/済み」のタブ画面を表示/非表示にする、特定のひな形のみ表示する、文書をポップアップウィンドウで表示するなど、各ガジェットごとに細かい設定が行える。
実際のドキュメント管理に関する機能としては、カテゴリや文書種別ごとに表示ビュー項目を設定できる見やすい一覧ビュー機能に加えて、ツリー型のフォルダ表示機能、文書種別に応じたラベル機能などにより、目的のドキュメントをすぐに探し出すことができる。バージョン管理機能を標準装備しているので、ドキュメントの意図しない上書きや削除を予防できるだけでなく、旧バージョンをベースに派生ドキュメントを作成する、といった際にも重宝する。また、お気に入り&スター機能やいいね!機能、What's Newマーク表示なども非常に便利だ。
ドキュメントについては、前述のようにフォーム経由での入力もしくはドラッグ&ドロップによる添付でG Suite上へアップロードできる。入力フォームでは、リッチテキストフィールド機能で読みやすいドキュメントを簡単に作成可能なほか、他ドキュメントへのショートカットリンクやリッチテキストに対する添付ファイル埋込み型のアイコン表示など、Notesユーザーにお馴染みの機能も用意。さらにNotesユーザーによっては、Notesからのデータ移行ツールが提供されているのも大きな魅力だ。データの一括インポートはもちろん、ビュー機能/文書のバージョン機能/ショートカット機能/リッチテキスト内容/リッチテキスト内ファイル添付機能/ショートカットリンク/リッチテキスト内添付ファイルアイコン表示機能なども、従来のまますべて移管することが可能だ。
そしてもうひとつ、文書を公開するためのワークフロー機能が用意されているのもポイントといえる。こちらは申請/承認/公開/差し戻し/保留/下書き保存/コピー新規/代理承認/条件分岐が選択できるほか、承認ルートの設計やコメント追加、ディスカッション、数字自動計算、自動項目セットなどの機能も搭載。グループ承認の場合、全員一致や誰か一人の許可が選べるのも便利だ。さらに、捺印機能や各種入力チェック、自動採番も可能となっている。
このように「サテライトオフィス・ドキュメント管理 for Google Apps」には、G Suite上での円滑なドキュメント管理を実現する、実に多彩な機能が搭載されている。これまでドキュメント管理に悩んでいた企業は、ぜひ試してみていただきたい。
サテライトオフィス
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