授業で使いたいハードウェアは1人1台端末だけではない

児童・生徒に1人1台のPCやタブレットを与えて学習に活かすという「GIGAスクール構想」は、コロナ禍の中でにわかに注目が高まった。追加予算も組まれ、当初の予定を大幅に前倒しして端末の配備が取り組むべき課題となったため、どんな端末を選ぶかという部分にどうしても目が向きがちだ。

しかし子供たちが端末を持つということ以外にも、校舎へのWi-Fi配備は必要だし、クラウドを活用した学習環境の整備が求められている。そしてもちろん、教員側にもそうした環境を活かすためのツールが必要となる。

たとえば教員端末の画面を表示するだけならばプロジェクターで済むが、黒板のように書き込みできないとなると、機能としては物足りない。それなら画像を表示して手書きできれば十分かといわれると、やはりそれだけではクラウドを活用した授業というGIGAスクール構想の実現には不足している。さらに、もともとGIGAスクール構想は学校に集まった状態での授業を基本としていたが、今注目されているリモート授業に対応するには、また別のハードウェアが求められるだろう。

Googleはそういった需要に応えるハードウェアを用意している。それが電子ホワイトボードの「Jamboard」と、遠隔会議システムの「Google Meetハードウェアキット」だ。

大型ディスプレイに直接描画や遠隔連携ができる「Jamboard」

GoogleのG Suite対応ホワイトボード「Jamboard」

GoogleのG Suite対応ホワイトボード「Jamboard」

Jamboardは、タッチパネル機能を持った大型ディスプレイに、専用タッチペン&専用消しゴムツールを組み合わせて利用できる電子ホワイトボードだ。

ディスプレイは55インチなので、一般的な教室の前に据えられた黒板ほどではないものの、ある程度離れた距離でも内容が確認できるだけの画面サイズは確保されている。説明内容を教員用の端末から大きく表示するという目的だけならプロジェクターを利用した方が便利に感じられるかもしれないが、Jamboardのポイントは本体が直接G Suiteに接続できることにある。

Jamboard自体にG Suiteのアカウントが1つ割り当てられるため、Googleドライブに保存されたドキュメントやインターネット上のコンテンツを教員端末とは関係なく表示できる。また、G Suiteアカウントでログインしているメンバーの画面を表示し、そこに手書きで注釈や図を書き加えることも可能だ。

  • 各端末の画面を共有して描画を加えることも可能

    各端末の画面を共有して描画を加えることも可能

専用ペンは電池を内蔵しないため軽く、書き心地もよい。インクを使わないので手や服が汚れないなど、子供たちにとっても扱いやすいツールだ。学習発表といった場面でも利用しやすいのではないだろうか。

また複数のJamboardをリモートで接続することもできる。いくつかの教室で分散して授業を受けなければならないような状況でも柔軟な対応が可能になる。

  • 複数台をリモートで接続して連携させられる

    複数台をリモートで接続して連携させられる

高品質なビデオ会議「Google Meetハードウェアキット」

Google Meetハードウェアキットは、Googleの認定を受けた高性能なカメラと、マイク&スピーカーを組み合わせたビデオ会議用のハードウェアセットだ。コントロール用端末として小さなボックス型の「Chromebox」と、操作用のタッチパネル端末が付属し、別途PCなどを接続する必要はない。

Google MeetハードウェアキットもChromeboxにG Suiteアカウントが設定されており、直接ネットワークに接続できる。認定ハードウェアのセットなので、別途いろいろと用意したツールを組み合わせて使うのとは異なり、特に設定で苦心することなくスムーズに連携してくれる。Jamboardのような大型ディスプレイと組み合わせて利用すれば、小さなPC画面を数人で覗き込む窮屈な状態や、それぞれの端末画面を眺める分離した状態とは違った授業環境が作り出せる。

教室に皆が集まって行う授業ではなく、在宅からの授業参加や複数拠点に少人数ずつが集まっての授業では、カメラやスピーカーの性能が大事になってくるが、このハードウェアキットを利用すれば無理なくリモート授業が行えるだろう。

  • 認定ハードウェアを組み合わせたGoogle Meetハードウェアキット

    認定ハードウェアを組み合わせたGoogle Meetハードウェアキット

G Suiteに接続できるハードウェアでスムーズな授業を実現

教育機関では今後、PCをはじめとする各種ツールの活用が推進されるが、教員はあくまで教えることの専門家であり、ツールを使いこなすこと自体の労力が少ないにこしたことはない。そこで活きてくるのが、JamboardやGoogle Meetハードウェアキットのように、それ自身がG Suiteアカウントを持つことで手早く利用開始できる専用ハードウェアだ。

ぜひGIGAスクール構想の実現においては、教員が授業の内容に集中できるような環境を構築し、学習者にとってもよりよい学習環境を整備してくれるGoogleのハードウェア群に注目してほしい。

監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)

大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。G Suite(旧Google Apps)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。

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