本稿は、大日本印刷 C&I事業部がスマートフォンを活用した販促を実施、または検討する企業の皆さまに提供しているオリジナル情報ペーパー「SPトレンド通信」を転載したものです。

「販促アプリ (企業アプリ)」と呼ばれるメディアをご存知でしょうか?

販促アプリは、2013年頃から流通業を中心にリリースが広がっている、スマートフォンアプリを活用した企業の自社メディアです。セールや新商品などの情報発信、クーポンやキャンペーンなどの施策実施、チラシや会員証など紙ツールのデジタル化など、生活者向けの販促機能を1つのアプリに集約することができます。

有名な販促アプリの例 (提供 : 大日本印刷)

ネット系ツールの販促アプリでも、アプリ認知は地道な店頭活動から!

では、生活者は何をきっかけに企業の販促アプリを知り、自分のスマートフォンにダウンロードするのでしょうか?

DNPが2015年2月に実施した「スマートフォンアプリ利用に関する定量調査」から見えてくるのは、店頭ポスターやレジでの手渡しチラシ、スタッフからの紹介など、店舗スタッフの地道な店頭活動からアプリの存在を知り、ダウンロードに至る生活者の姿でした。

販促アプリをダウンロードしたきっかけ (提供 : 大日本印刷)

販促アプリの一番の魅力は、おトクなクーポン。知りたい情報も、通知でもらえる!

続いて、生活者が販促アプリを利用する目的と、アプリ利用で感じているメリットについて見てみましょう。

販促アプリを利用する目的 (提供 : 大日本印刷)

まず、販促アプリ利用者の7割以上に挙げられたのが「おトクなクーポン」。詳しく聞いていくと「アプリ会員限定」や「定期的」「セールがさらにおトクになる」など、アプリを持っていることで特別なおトクが受けられることがうれしいようです。加えて、「紙のクーポンのようになくさない」や「会員証とクーポンがワンクリックで表示できて楽」「期限が近づくと通知してくれる」など、アプリならではの機能による利便性についてのコメントも挙げられました。

また、約4割から挙げられたのが「新商品やセール情報」。詳しく聞くと「知りたい商品情報を探しやすい」や「最新情報を取得しやすい」「セールの通知があり、気がついたら終わってたことがなくなった」など、必要な情報がまとまり、必要に応じてアプリからの通知もあることが「欲しい情報を逃し難くなったから、アプリはべんり」と評価されているようです。

スマートフォンの普及により、日常で接する情報量が飛躍的に伸びた一方、雑多な情報から自分に必要な情報を選別する苦労を、多くの生活者が実感しています。「私が欲しい情報だけを、適切なタイミングで送って欲しい」生活者のニーズに応えられるツールのひとつが、販促アプリであるといえるのかもしれません。

新聞を取っていなくても、チラシが見られるのが、べんり!

そして、約3割が「ポイントカード」、約1割が「チラシやカタログ」を挙げています。

チラシについては、具体的な利用シーンを含めた意見が挙げられました。「新聞を取っていないがチラシは見たい」や「仕事場の近くなど、自宅近辺以外で使う店舗のチラシが見られる」「お店に行く前に、アプリのチラシ、商品検索、口コミチェックをしている」など、従来の新聞折込配布から漏れてしまっている生活者が、販促アプリに載っているチラシをかしこく活用する姿が見えてきました。

ポイントカードについては、「カード忘れがなくなった」や「財布がスリムになった」「スマホをさっと見せるだけなので、簡単」など、紙のポイントカードより管理がしやすいことや、利用時のスムーズさが評価されています。混雑時の、レジでのお客さまの滞留を軽減させたい企業側にとっても、メリットのある機能といえそうです。

販促アプリで困ったことは、操作のしにくさ・アプリの不安定さ・通知の多さ・コンテンツの量と質

最後に、生活者が販促アプリを利用した際に感じる不満について、自由に挙げてもらいました。

「クーポンを表示させるまでに手間がかかる」や「アプリといいつつ、サイトのリンクだらけ」「レジで開こうとしたら更新を要求されて慌てた」など操作性に関する意見や、「重くてサクサク動かない」「急に落ちた」など不安定さに関する意見、「1日に何度もお知らせがくると、さすがにうっとうしい」「希望のジャンルの情報だけでいい」「クーポンが思ったほどおトクじゃなかった」「広告が目に付く」「店舗情報が最新でなかった」など、通知の多さやコンテンツの量と質に関する意見が多く挙がりまし た。

また「アプリは利用したいけどメールアドレスは登録したくない」など、個人情報を気にかける意見も挙げられました。

多くの生活者にとって、欠かせないメディアになりつつある販促アプリですが、利用者を増やし、支持されるメディアになるには「ダウンロード訴求方法」「アプリ機能の選択や動作の安定」「アプリに載せるコンテンツの量と質」などの面で、販促アプリならではのノウハウを把握し、アプリと運用に反映させていく必要があるようです。

当レポートは、「スマートフォンアプリ利用に関する定量調査 (全国20歳以上の男女1700名対象、実施 : 2015年2月)」、「販促アプリ利用に関する定性調査 (首都圏20~40代女性12名対象、実施 : 2015年2月)」の分析結果をもとにしています。

本稿は、大日本印刷 C&I事業部が、スマートフォンを活用した販促を検討したい企業様向けに制作したオリジナル情報ペーパー『SPトレンド通信』を転載したものです。

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