デジタルテクノロジーがビジネスや生活に浸透したことで、業種や規模を問わず、あらゆる企業がデジタルを中心とした業務変革に取り組んでいる。その一方で、IT人材不足は日本国内においても深刻化しており、既存業務におけるITの運用・管理に追われ、ITを使った業務変革、すなわち“攻めのIT”を実践できている企業は多いとはいえないのが現状だ。

中堅中小企業のIT管理者が多くのリソースを割いている「PC運用管理」の負荷を、3つの「Zero」で大幅に軽減するデル・テクノロジーズの新サービス「ゼロタッチPC for SMB」を解説する本連載。第2回となる本稿では、同サービスが中堅中小企業にもたらすインパクトについて、サービスの詳細を交えて確認していきたい。

経営層から現場担当者までが課題を感じるPCライフサイクル管理を一元化で改善する

中堅中小企業でITを管理している企業の多くが課題として挙げる「PC運用管理」。これを支援するための製品・サービスの組み合わせが、デル・テクノロジーズが提供する「ゼロタッチPC for SMB」である。前回は、2022年4月21日にリリースされた本サービスの概要について、同社 広域営業統括本部 フィールドセールス本部の木村 佳博氏の話を交えて確認した。

「ゼロタッチPCはほかに類を見ない“画期的”なソリューション」と木村氏は語る。ただし、サービス内容は従来からPCライフサイクル管理として提供されてきたものがほとんどで、「ゼロタッチPC for SMB」自体が革新的なサービスというわけではない。では、何を以て“画期的”と言わしめるのか。木村氏は「専用ポータルサイト上で複数のサービスを一元化していること」と説明し、従来のPCライフサイクル管理との違いについて話を展開する。

「中堅中小企業における従来のPCライフサイクル管理は、キッティングのアウトソーシングやヘルプデスク、メーカーのテクニカルサポート、PCリース会社による在庫の確保(=故障機対応)といった、複数のサービスを用いて実現してきました。情シス担当者は状況を判断してそれぞれのサービスを能動的に使い分ける必要があり、窓口も対応もバラバラ。問題が発生した際の対応にも時間がかかり、情シス担当者はもちろん、業務でPCを利用しているユーザーの負荷も高くなるといった課題を抱えていました。これに対してゼロタッチPCでは、専用ポータルサイトを用意して窓口を一本化。さらに個々のデバイスに対してサービスを提供する仕組みを構築することで、情シス担当者を介さずユーザー自身で管理できる部分を増やし、情シス担当者の大幅な負荷軽減を実現しています。PCライフサイクル全体をここまでカバーしているサービスは、ほかにはないと自負しています」(木村氏)

  • デル・テクノロジーズ株式会社 広域営業統括本部 フィールドセールス本部 木村 佳博氏

    デル・テクノロジーズ株式会社 広域営業統括本部
    フィールドセールス本部 木村 佳博氏

第1回でも言及した中堅中小企業IT投資動向調査2022では、経営層が考える投資項目と現場担当者が考える投資項目を分けて調査を行っているが、その双方で「PCライフサイクル管理の見直し」がトップ10に入っており、経営層もPCの運用管理はビジネスを拡大するうえでの課題だと認識していることが見てとれる。また本調査では、PCライフサイクル管理における問題として「故障時の障害対応が手間」(56.3%)、「ユーザーからの問い合わせの負荷が高い」(31.7%)、「バージョン情報の管理ができていない」(25.5%)、「調達のたびに複数の見積を取るのが面倒」(22.0%)といった回答が寄せられているという。

「中堅中小企業の情シス担当者にとって“あるある”な問題が上位を占めており、IT環境の運用負荷が高止まりしている現状を、あらためて確認することができました。ゼロタッチPCではこうした問題を解消するためのサービスを取り揃えており、多様なアプローチで中堅中小企業の課題解決を支援します」(木村氏)

  • 中堅中小企業IT投資動向調査2022
  • PCライフサイクル管理で起こる問題

また本調査で投資項目の1位となったのは「既存システムのクラウドへの移行」で、パンデミックに伴うテレワークの普及も含め、クラウド活用のハードルが低くなっている状況がうかがえる。テレワークや在宅勤務といった新しいワークスタイルが採用されることで、PC運用管理の負荷も高まる傾向にあると語った木村氏は、ゼロタッチPCサービスは、テレワーク環境のPCライフサイクル管理においても有効だと力を込める。

「従来のPCライフサイクル管理では、テレワーク環境でPCが故障した場合、メーカーの担当者がユーザーの自宅に出向いて修理を行ったり、オフィスに届いた代替機を情シス担当者がキッティングしてユーザーの自宅に送ったりといった流れが一般的で、対応に時間と手間がかかっていました。ゼロタッチPCの運用サービスでは、ユーザーの自宅に故障時の代替機を先出しで届けることが可能。電源を入れてネットにつなげれば自動でセッティングされ、すぐに業務を再開できます。故障したPCは代替機の箱に入れ、同梱される直払い伝票を添付して送り返すだけでOKです。このように、テレワーク環境における故障時の障害対応もシステム化されています」(木村氏)

従業員の負荷軽減とコストの最適化を実現するゼロタッチPCは、企業DX実現のラストピース

前回紹介したとおり、「ゼロタッチPC for SMB」は ゼロタッチPC対象即納モデルとMicrosoft 365 Business Premiumに加え、「ポータルサイト/プレミアサイト」、「ゼロタッチPC立ち上げサービス」、「ゼロタッチPC運用サービス」の3つのコンポーネントで構成されている。

ゼロタッチPC対象即納モデルとしては中堅中小企業の売れ筋PCをセレクト。第12世代ノートPCでは、インテル® Core™ i5 プロセッサーを搭載するLatitude 7330 UltralightのほかにLatitude 3520、Latitude 5330、省スペースのデスクトップPCであるOptiPlex 3000の4モデル/7構成から選択できる。どの製品も通常業務で快適に利用できる性能を備えている。また、モダンプロビジョニングを実現するために必須となるMicrosoft 365 Business Premiumのライセンスだが、すでにMicrosoft 365を導入している企業向けに、Enterprise Mobility + Security E3、もしくはMicrosoft Intuneのみといった選択肢も用意。企業のIT環境に合わせて、無駄のない組み合わせで利用することが可能となっている。

  • ゼロタッチPC対象即納モデル

ブラウザからアクセスできる「ポータルサイト」では、説明資料やサービス仕様書などをダウンロードできるほか、ヒアリングシートや各種ホワイトペーパーも確認可能。さらに製品の見積・発注・購買履歴の確認などが行える専用のプレミアサイト(ECサイト)や、ゼロタッチPC運用サービス 事務局へのアクセスもここから行う。

  • ポータルサイト/プレミアサイト

「ゼロタッチPC立ち上げサービス」の基本パッケージには、Autopilotの初期セットアップや、Microsoft 365アプリ・業務利用アプリ(Webブラウザ、圧縮解凍ソフト、PDFビューワーなどの一部)の配布が行えるほか、ポータルサイト説明、Autopilot基礎設定、Autopilot設定変更、PC構成設定の変更、PC返却時の対応といった管理者マニュアルを提供。さらにマニュアルに基づいた管理者トレーニングも提供しており、Microsoft 365やAutopilotに触れたことのない情シス担当者でも、問題なく利用できるように配慮されている。

  • ゼロタッチPC立ち上げサービス内容

「ゼロタッチPC運用サービス」では、ユーザーサポート(ヘルプデスク)の一次対応、故障時の交換受付、サービス終了時の廃棄・データ消去受付といった作業を事務局の窓口で一括対応。電話やメール、前述したポータルサイトから利用できる。 無償で提供されるヘルプデスクの一次受けである「PCマルチベンダーサポート」では、情シス担当者だけでなく、現場のユーザーが直接問い合わせすることも可能。「Microsoft 365の機能・ツールを一部しか使っていない」「テレワーク時のWeb会議ツールの使い方に慣れない」といった中堅中小企業の声に応え、Windows OS、ブラウザ、Microsoft Office、ネットワーク接続といった基本項目に加え、Teams、OneDriveなどMicrosoft 365のツールや、ZOOMを始めとした他社のWeb会議ツールの基本設定や操作までをサポートしている。

  • ゼロタッチPC運用サービス

これらの製品・サービスは、すべて一括払い/月額払いを選択することが可能。IT環境の運用をCAPEX(資産)からOPEX(費用)へとシフトさせたいニーズにも対応する。一般的なPCライフサイクル管理サービスの個別導入と比較すると安価なコストで利用でき、ここまで解説してきた導入効果を考えると、コストパフォーマンスは極めて高い。また、ゼロタッチPCサービスについてもっと知りたい、Microsoft 365のツールをもっと使いこなしたいという企業向けに「ゼロタッチPC使いつくし講座」も開催。オンラインのワークショップ、ハンズオンで、より実践的なノウハウを確認することができる。

さらにデル・テクノロジーズでは、6月末までに発注した企業を対象に、先着50社にゼロタッチPC立ち上げサービスを7万円(通常は一括払いで35万円)で利用できる「ゼロタッチPC サービスリリースキャンペーン」を開催中。コストをかけずに気軽にPoCを実施することが可能となっている。

ここまで2回にわたって解説してきた「ゼロタッチPC for SMB」は、PCライフサイクル管理を見直して、情シス担当者/ユーザーの負荷軽減とコストの最適化を図りたい中堅中小企業にとって極めて有効な選択肢となる。木村氏は、ゼロタッチPCが中堅中小企業の事業変革を実現するためのラストピースになり得ると語り、DXに取り組むすべての中堅中小企業に向けてメッセージを送る。

「ゼロタッチPCは、2020年からDXの実現を軸に立ち上げた「DXアクセラレーションプログラム」を展開してきたデル・テクノロジーズが、既存IT環境における運用負荷の高止まりという、中堅中小企業の課題を解消する決定打として送り出したサービスです。PC業務負荷というDXの実現を阻む課題を、ゼロタッチPCというメスで除去できれば、本当にやりたい事業変革を、お客様とデル・テクノロジーズが伴走して実現していく未来が見えてくると思います」(木村氏)

ゼロタッチPC 関連URL

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