データサイエンティストには、理系の学びや研究で身につけた様々なスキルをそのまま活かせる面もたしかにある。しかし一方で、コンサルティングや課題解決の提案など大学生にとっては未知といえる領域も多いため、各企業は積極的にデータサイエンティストの育成を行っている。

ここではSAS Institute Japan、NTTドコモ、コニカミノルタジャパン、塩野義製薬、アスクルが展開する育成の取り組みについて紹介しよう。

●SAS Institute Japan

OJTを通じて実践的なデータサイエンティストを育成

SAS Institute Japan(SAS)におけるデータサイエンティストの育成は、OJTを主体としている。まず入社後1カ月間は、SASプログラムやSASソフトウェアの学習にあてられる。データサイエンティストとして利用が想定される統計解析や機械学習用ソフトウェアを網羅する。これはE-learningを主に活用しているが、エデュケーション部が提供するトレーニングを利用することもできる。

その後は分析やモデリングのプロジェクトに参加する。プロジェクト内では通常、データクレンジングからスタートするが、統計解析や機械学習の経験・スキルに応じた役割が与えられる。新卒の場合はプロジェクトの運営方法なども体感しながら身に付けていくことになる。

●NTTドコモ

会社全体でビジネスとITを兼備したデータ活用のプロ人材を育成する

NTTドコモでは、データサイエンティストに対して日進月歩のデータ分析技術を学び続けることを求めている。それだけでなく、様々なビジネス分野に興味を持って専門性を得ようとする知的探究心、他の意見を聞き入れる姿勢、そしてそこから気づきを得る高い感受性を持つことも期待している。

ビジネスとITの両面を兼備した人材を育てるため、全社のビジネスを支援するデータ活用支援組織と、サービス創出や技術探究を担う研究組織の2つを中心に人材の育成を行う。そのほか、マーケティングリーダー育成にデータ活用講座を盛り込み、資格取得支援制度も拡充するなど、会社全体で人材の強化に取り組んでいる。

●コニカミノルタジャパン

基礎を集中的に学んだのち1年間の実地研修で成長を促す

単なるデータサイエンティストではなく、データサイエンスのアプローチによって各種課題を解決し、経営幹部にもなれる資質を身につけたデータゼネラリストの育成を目指している。

実際の育成にあたっては、統計学の基礎、業務に必要なソフトの使い方、データベース言語やプログラミング言語、会計学、ビジネスの基礎知識などを2~3カ月かけて集中的に学ばせ、その後の1年間で実地訓練を行う。また、データサイエンティスト一人に複数のテーマを担当させ、同時並行で進捗管理させることでマルチタスク能力の向上も図る。このほか、営業、保守、物流といった各部門の担当者と協業することで、ビジネス感覚を養う取り組みも実施している。

●塩野義製薬

充実したトレーナー制度と相談体制 コミュニケーション力養成にも注力

医薬開発本部 解析センターのデータサイエンスグループでは、医薬品開発の臨床試験解析において仮説立案にデータを活用するため、関連データベースや解析手法に習熟し、仮説立案と検証を提案・実施できるデータサイエンティスト育成を目指す。

入社後、まずは定型の教育プログラムとして2カ月程度のトレーニングを受け、その後は生物統計家、データマネジャーと協力し、データサイエンティスト業務の実践に入る。同本部はトレーナー制度が充実し、業務で常に相談できる体制を用意。また、人的ネットワークの構築とコミュニケーション力、情報収集力の養成を目的として、国内外の社外活動や社外発表も推奨している。

●アスクル

解析ツール活用力と解決策提案力を社内外の研修でしっかり身につける

アスクルでは、経営指標や各事業指標と課題の解決にデータを積極的に活用しており、データサイエンティストには解析ツールを利用したデータ分析による事実の把握と解決策の提案という役割が期待されている。

統計解析、可視化、Webアクセスログ解析などの複数のツールを組み合わせながら活用する能力と、解決策の提案を行える能力を養うことを育成の目的としている。

データチームは独立組織となっており、データサイエンティスト業務に必要な知識の充足とデータを扱うスキルの習得・向上のため、社内外での研修を積極的に推奨し、育成の取り組みを強化している。


SAS Academic Programsが育成をサポート!

SAS Institute Japan(SAS)は、社会で活躍できるデータサイエンティストを目指す学生や、データサイエンティストを育成する教員・教育機関向けに「SAS Academic Programs」を提供。同プログラムでは、様々な統計分析スキルが養える無償ソフトウェアのほか、無償のチュートリアル動画やe-Learningコース、双方向型オンラインコミュニティ、SASのグローバルイベントに参加するための奨学金やイベントにおける企業とのネットワーキング機会などが利用できる。

また、SASグローバル認定プログラムの資格試験の受験料やトレーニングコースの受講料が50%オフになる特典も用意する。教育機関向けには、大学との共同認定プログラムや教員向け無償教材を提供。SASを導入していない大学の学生も、無償ソフトウェアを利用しながら個人で学ぶことが可能だ。さらに、データサイエンティストを目指す学生向けにコミュニティを開設し、情報発信を行う。

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