ファイルサーバに何を求める? 専用サービスよりも「SharePoint」が便利な理由

レイアウトが崩れないからストレスフリー

自社のファイルサーバをクラウド化するにあたり、企業が求める機能は何だろうか? やはり単にファイルの置き場所をクラウド上へ移すだけはでなく、そうしたデータを利用してコラボレーションの活性化や情報共有の強化を進めていきたいところだ。そうしたニーズを考えたとき、「SharePoint」はお勧めできる選択肢といえる。

SharePointは、ExcelやWord、PowerPointといったビジネスの現場で長年使われてきたMicrosoft Officeアプリとの連携力が飛び抜けている。たいていの他社サービスでもExcelなどと互換性を備えており、クラウド上で表示・編集するための機能を提供しているが、そうした互換ツールは意外と満足度の低い結果をもたらしがちだ。

互換ツールでもシンプルなドキュメントなら表示したときの再現性は高いが、凝った内容のドキュメントだと表示が崩れてしまうことがある。これでは編集が行いにくいうえ、実際に編集するとファイル形式が変わってしまうことも珍しくない。

また、互換ツールで編集したドキュメントをOfficeアプリで確認すると、表示が不自然になっているケースも見受けられる。クラウド上の互換ツールも日々進化しているが、さすがにOfficeアプリと同様の使い勝手を再現できるとはいえないのが現状だ。

特に見栄えのよいドキュメントを心掛けているビジネスパーソンは、たとえば罫線の太さひとつとってもこだわりを持っている。そうした人はやはりOfficeアプリとの連携性が高いSharePointにメリットを感じるだろう。

• SharePointなら、Officeドキュメントの表示・編集が不自由なく行える

使い勝手としても、PCにOfficeがインストールされている環境ならダウンロードして普段どおりのインターフェースで快適な作業が行えるし、ブラウザからでも「Office Online」で作業が進められる。互換ツールに対する教育・サポートの負担がなくて済むのも、管理者としては大きな魅力といえるだろう。

テレワーク時代に効くTeamsとの連携機能

マイクロソフトの新しいコミュニケーションツール「Teams」との連携も、実はSharePointの魅力となる。

ビデオ会議ツールとして利用されることの多いTeamsは、チャットや企業SNSなどさまざまな機能を備えている。その中に用意されている「ファイル」という機能は、SharePointとストレージを共有しているため、SharePointにアップロードされているファイルをTeamsから見ることも、Teamsから共有したファイルをSharePointで見ることもできる。

• TeamsからSharePointのファイル利用も可能だ

テレワークによってTeamsを使う機会が増えてきた今、ビデオ会議やチャットからシームレスにデータを利用できるのは便利だろう。SharePointによるファイルサーバーの活用の幅も広がるはずだ。

ファイルの活用を考えるなら魅力的なSharePoint

ファイルサーバ専用サービスやファイルサーバ機能を重視したサービスに比べ、残念ながらSharePointには不足している機能がいくつかある。たとえばファイルを逐一ダウンロード・アップロードするという使い勝手は、ストリーミング式のサービスと比べると不便に感じられることもあるかもしれない。

しかしSharePointはMicrosoft 365（Office 365）に内包されているツールであり、やはりOfficeアプリとの連携性という強みは無視できない。エンドユーザーは少しでも不便さや面倒さを感じると、せっかくのサービスも使わない人が出てきてしまう。すでにMicrosoft 365（Office 365）を利用している組織なら、SharePointも受け入れられやすいだろう。他のファイルサーバ専用サービスを考える前に、まずはSharePointの活用を検討してみてはいかがだろうか。

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