一部ユーザーだけを「Business」プランにしてコストを抑制
組織でG Suiteを利用する場合、基本的に全員で同一プランを利用することになる。G Suiteで最も低コストなライセンスである「Basic」は、1ユーザーあたり月額680円で利用できるが、クラウドファイルサーバとして活用できる共有ドライブ機能は「Business」以上のライセンスでなければ手に入らない。
「Basic」より1つ上の「Business」プランは1ユーザーあたり月額1,360円と倍額となるため、従業員数によってはトータルで大きなコストになってしまう。そのため、G Suiteを使ったクラウドファイルサーバ構築には興味があるが、組織メンバー全員分のアカウントを用意するのは金額的に厳しいと感じる担当者もいるのではないだろうか。
しかし、ひと工夫することで組織内の一部ユーザーだけを「Business」プランにして、多くのユーザーは「Basic」のまま運用するといった使い分けも可能になる。それが、ドメインのホワイトリスト登録だ。
サブドメイン契約をホワイトリストに登録
本来、ドメインのホワイトリスト登録とは、子会社やグループ会社といったドメインは違うが信頼できる社外組織を登録して利用するための機能だ。しかし実際には、異なるドメインを信頼関係があるものとして登録できるため、社内の一部門を登録してもかまわない。つまりこの機能を利用して、一部ユーザー用に新しいドメインを1つ契約し、複数のドメインを社内で使い分けるというわけだ。
ただし、ホワイトリスト登録できるのはGoogleドライブと、教育機関向け機能であるGoogle Classroomのみとなる。信頼関係があると設定したからといって、メールアカウントのドメインは異なるものになるため、できれば「sateraito.jp」と「g.sateraito.jp」といった具合に、似通ったサブドメインらしいドメイン名で開通させたいところだ。
もちろんホワイトリストに登録したからといっても「Basic」アカウントのユーザーは、共有ドライブ機能を利用できない。それでも一般的なGoogleドライブでのファイル共有は利用可能だ。完全にファイルサーバを利用する必要のある部署は「Business」プランのドメインに、簡単な共有だけできれば問題ない部署は「Basic」プランのドメインに割り振れば、準社内という感覚で安全な情報共有をしつつ、必要なメンバーはスムーズにクラウドファイルサーバを利用できる。
とはいえ組織利用なら「Business」以上が圧倒的にお勧め
コストが抑えられる一方で、気になる点もある。ホワイトリスト機能では、企業の場合Googleドライブのファイル共有しか解放できない。先にメールアカウントのドメインが変わることについて述べたが、カレンダー共有なども行えなくなるため、組織内でG Suiteを統合的に使うのとは少し違う感覚になってしまう。
もしごく一部のユーザーだけがファイルサーバを必要としているならば、そのユーザーにだけ「Basic」と「Business」のアカウントを二重に発行するという方法もある。その方がトータルコストが抑えられることもあるだろう。しかし組織全体を見て不便を感じるようなら、やはり全員を「Business」プランにアップグレードすることをお勧めしたい。
そもそも「Basic」はごく小規模な組織や、個人事業主などにとって手頃なプランといえる。Googleドライブの容量は1アカウントあたり30GBに制限されているし、組織的な管理やセキュリティといった機能も限られている。たとえばメールやチャットのログ保存ポリシーを設定やアーカイブといった監査に対応する機能は「Business」以上でしか提供されない。
コストの差はあるものの「Business」で利用できる機能を知り、それが1人あたり数百円で手に入ることを考えれば、また違った判断ができるのではないだろうか。G suiteを組織的により有効活用していくには、やはり「Business」以上のプランを利用することをぜひ検討してほしい。
監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。G Suite(旧Google Apps)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。
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