1ユーザー1360円で容量無制限! 大企業の利用規模にも対応
G Suiteで用意されている組織的なファイル共有機能「共有ドライブ」は、BusinessプランとEnterpriseプランでのみ利用できる機能だ。Businessプランの場合、1人あたりのアカウントコストは月額1360円。1ドメインで5ユーザー以上の契約をしていれば保存容量は無制限で利用できる。
容量無制限であるため、ユーザーが個人的に保存しておきたい資料やアイデアメモといったものが大量に存在したとしても、組織的に利用するファイルサーバーの容量に影響はない。1つの共有ドライブごとに保存できるアイテム数は40万個、1日のアップロード数は1ユーザーあたりマイドライブなどを含めた総計で750GBまでといった制限はあるが、一般的な使い方ではあまり問題にならないだろう。
また1つの共有ドライブの中で作れるフォルダの階層は20階層まで、登録できるメンバーは600までという制限も、部署ごと、案件ごとといった使い分けで、ユーザーを1人ずつ追加するのではなく、グループ化してからのメンバー追加で大規模な組織でも対応することができる。
「ドライブファイルストリーム」機能でローカル容量の消費なし
G Suiteの「マイドライブ」機能や、個人的に利用しているGoogleドライブでは、1GBのファイルを保存するためにはローカルドライブに1GB保有したまま、クラウド上にも1GBのコピーを置くというイメージになる。誰かが共有用のフォルダを作成して5人で1GBずつ保存した場合、全員のローカルドライブが5GB消費される仕組みだ。そして、この機能を利用するために使うアプリは「バックアップと同期」という名前になっている。
しかしG Suite向けにはもう1つ「ドライブファイルストリーム」というアプリも用意されている。これはローカルドライブにファイルを保有せず、クラウド上に保存したファイルを直接編集できる機能だ。最初にローカルでファイルを作成する時にはその分の容量が必要になるが、アップロードが完了するとローカルファイルは消えて容量も解放される。その後はオンライン環境で利用している限り、ローカル容量は消費されない仕組みだ。
こちらを利用すれば、ローカルドライブ容量の極端に少ない端末でも無理なくファイル共有が行えるだけでなく、シンクライアント端末やChromebookといったローカル保存をさせないタイプの端末からも利用可能になる。基本的にはオンラインでのストリーミング利用になるが、あらかじめ設定を行えば対象ファイルだけをオフライン編集可能にする方法もあるから、一時的に通信環境が悪い場所で利用しなければならない時でも不安はない。 2つのアプリは併用することも可能だ。管理者が両方の利用を許可していれば、マイドライブは従来通りローカル保存しつつ利用することもできる。好みの使い勝手を手放さず、ファイルサーバーだけをストリーミング化すれば抵抗感も少ないだろう。
ブラウザからもエクスプローラーからも快適利用
ストリーミング利用になったことで、いちいち利用するためのファイルをダウンロードしてから編集し、再度アップロードして共有する、という作業も不要になった。手間がかからないのはもちろん、ユーザーのミスで古いファイルが共有されていたというようなトラブルもなくなる。
ファイルの操作はブラウザ上からもエクスプローラーからも可能だ。エクスプローラーから利用する場合「Google Drive File Stream」の下層にある「マイドライブ」と「共有ドライブ」を選択することで、個人的な領域に保存するか、ファイルサーバーに保存するかという選択も簡単に行える。
ブラウザ上からもファイルツリー表示は可能でファイルの扱いがしやすいのはもちろん、マイドライブでもおなじみの全文検索にも対応している。使い慣れたマイドライブと同じ感覚でクラウドファイルサーバーが利用できるため、エンドユーザーの負担が少ないのもG Suiteを利用するメリットになるだろう。
監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。G Suite(旧名:Google Apps)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。
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