株式会社AIRDO(エア・ドゥ)は、旅客便の運航に関わるさまざまな現場に iPhone / iPadを導入し、それまで紙と手作業に頼っていた業務のあり方を大きく変革。“北海道の翼”として価値向上と地域貢献に努めている。

スマートデバイス導入で業務の姿が変化した

北海道の空のシンボルとして1996年に誕生したAIRDO。現在、北海道を中心に11路線・1日32往復の定期旅客便を運航している。道民の移動を支えるとともに、道外の人々に北海道の魅力を伝える公共交通機関として、地域社会の発展に貢献することを企業理念に掲げている。2022年には札幌(新千歳)‐福岡線も就航し、好評を得ているところだ。

同社では以前からiPhoneを広く導入し、社員は日常の一般業務やコミュニケーションに活用してきた。それに加えて10年ほど前からパイロット、キャビンアテンダント 、整備部門や地上係員など多くの部門でiPadの導入をスタート。それまで紙だったさまざまな書類等を電子化し、iPadから利用している。たとえば、パイロットはEFB(電子フライトバッグ)として利用し、操縦マニュアルや運航規程、航空図といった多くの資料をiPadから閲覧できるようにしているほか、航空機の性能計算もiPadで行っている。

株式会社AIRDO IT推進部
 IT推進グループ 主席
高橋 良彰 氏

IT推進部IT推進グループ主席の高橋良彰氏は「従来は多数の紙の書類を専用のバインダーで綴じ、キャスター付きバッグで持ち運んでいました。また航空機の性能計算など専門的な用途においても、今はそれらすべてがiPadで完結しています」と語る。

キャビンアテンダントの規程類もiPadに集約。訓練動画の視聴、VRを活用したトレーニングシステムの利用もiPadからが基本だ。そのほか、整備部門における整備マニュアルの閲覧、地上係員の利用客案内ツールなどに幅広く利用され、もはやiPadは同社の業務になくてはならない存在になっている。

現在、約1,000人の社員数に対し、iPadは約600台、iPhoneも約450台が展開されている状況だ。

1,000台規模の端末管理にMDMは不可欠

そもそも同社では、各現場で使われる紙のマニュアルに改訂が発生するたび、作成→印刷→配布→旧版破棄というサイクルを確実に実施しなければならないことが課題であったと高橋氏は話す。 「乗務員、整備士などそれぞれの部署でマニュアルを用意しています。その改訂があった場合、専用の用紙を発注して印刷し、適用開始日までに配布し、しかも全員が受け取ったことをチェックしなければなりませんでした。もし配布漏れが起き、古いものを見て業務に臨んでしまうと安全に影響が出る可能性があるので、この確認は必須です。かつ、旧版は使われないようにしなくてはならず、その徹底も苦労したと聞いています」

マニュアル改訂や規程類の仕様変更は頻繁にあり、そのたびに上記の工数がかかっていた。そのほか、PCが配布されず、情報へのアクセスが困難な社員も iPhone / iPad導入以前は相当数いたとのこと。その場合はメールチェックするにも共有端末を使わなければならず、順番待ちの列ができることもあった。「現在は iPhone / iPadが7、8割の社員に行き渡り、状況も大きく改善されて、社内での情報入手は容易になっています」(高橋氏)

このように大量のスマートデバイスを業務で利用する以上、MDM(モバイルデバイス管理)ツールの導入は必須だったと高橋氏は強調する。 「MDMツール導入の最大の理由はセキュリティ確保です。幸い端末紛失は起きていないのですが、これまでなかったからといって今後もないとは限らないので、航空保安に関する内容を外部流出させないように、端末をしっかり管理するMDMは欠かせません。そもそも運用を担う人数も潤沢とはいえないので、1,000台超の端末をMDMなしで安全に運用することなど現実的にできないでしょう」(高橋氏)

新たな管理ソリューションに「CLOMO MDM」を選定

同社では以前、あるベンダーのMDMを導入していたが、iOSのアップデート対応にやや難があったという。かつ、そのMDM自体がサービスを終了することとなり、それを機に新たなMDMへの切り替えを検討した。 各社製品を比較した上で選定したのがCLOMO MDMである。CLOMO MDMは導入実績が豊富でシェアも大きく、かつ頻度が高まっているOSアップデートへの対応スピードも評価して、選定の運びとなった。最初に導入したのは2017年10月のことだ。

株式会社AIRDO IT推進部
 IT推進グループ
東大野 安洋 氏

IT推進グループで社内ITの運用・保守を担当する東大野安洋氏は、CLOMO MDMの操作性も高く評価している。「以前使っていたMDMと比べて非常に使いやすく、端末登録のしやすさと、デバイス一覧を簡単に見られる点がありがたかったですね。UIも完全日本語化されているので、取っ付きやすさを感じました」と振り返る。旧製品からの切り替えはユーザー部門の協力を仰ぎ、少しずつだが着実に進めていったという。

実際の導入段階においては「管理系のシステムなので、旧製品からCLOMOへの切り替え自体には苦労があり、時間もかかりました。たとえばユーザー部門に協力を仰ぎ、切り替えを促すといった点です。実際、移行当初は旧製品が残っている端末もありました。ただ、CLOMOの導入自体は滞りなく進みましたね」と高橋氏。

多くの現場業務で目に見える効果を実感

導入後は、紛失時対策や各種セキュリティポリシー配布など、セキュリティの確保・維持に効果を発揮していると高橋氏。遠隔地端末の保守やOSアップデート抑止などで端末の運用性も上がったという。 「導入前の想定を上回る効果を実感しています。操作性の良さはもちろん大きいですし、デバイス初期化後も起動すればオートキッティングが動き出し、最低限必要なアプリが自動インストールされるので、これといった手間もなく端末を使い始められます。本当に便利になりましたね」(東大野氏)

MDMといえば基本的には裏方的存在だが、業務アプリ配信プラットフォームとしても活用の幅を広げていったことで、今では「CLOMOといえばアプリをダウンロードできる場所」という形で認知の幅が広がった。

ちなみにアイキューブドシステムズのサポートについては「導入時はやはりわからないこともありましたが、質問へのレスポンスが早く、とてもありがたかったですね」と東大野氏は評価する。

エンドユーザーにおけるスマートデバイスの導入効果は、「マニュアル改訂などすべて紙と手作業で行っていたときと比べると、工数削減は数字で算出するまでもなく目に見える効果が出ていますし、付随する業務も効率化したと確信しています」と高橋氏は力強く語る。 今後について、CLOMO MDMのさらなる活用方法を検討しながら、IT部門としてさまざまな施策を打っていく計画だと高橋氏。 “北海道の翼”としての仕事に必須のスマートデバイスを支えるCLOMO MDMに対し、両氏はこれまで以上の期待を寄せている。

導入製品

CLOMO MDM

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