負担が極めて小さいクラウドコラボレーション
これからのビジネスでは、コミュニケーションを「コラボレーション」へと進化させることが重要だ。その仕組みとして、本連載ではシスコシステムズが提供する「Cisco Spark」を強くオススメしている。今回は、管理面を中心にそのメリットを解説したい。
はじめに、既存のコミュニケーションツールと比べたときに、最も顕著である導入の“手間”について考えてみよう。特に、2つ以上の遠隔拠点、あるいはコラボレーションを必要とする取引先を有する企業にとって、この利点は極めて重要であるはずだ。
Cisco Sparkの中核機能の1つである会議システムについて比較してみよう。
一般的なオンプレミスシステムの場合、MCU(多地点接続装置)、呼制御サーバー、ゲートウェイ装置、予約システム、Web会議サーバーなど――さまざまなシステム・機能を組み合わせ、すべてを安定的に稼働させなければならない。加えて、ビデオ会議のための端末を、各拠点に設置して細かな設定とチューニングを行う必要がある。
クラウドサービスであるCisco Sparkであれば、細かなサーバーの設置も運用も不要である。ビデオ会議システムのための高度なデバイスが用意されている。
ダイワボウ情報システムの販売促進本部 販売推進2部 PH1グループ 次世代プラットフォーム推進グループ 副部長 谷水茂樹氏の説明によれば、「管理画面で生成された16桁の数字を入力するだけで、端末をCisco Sparkに参加させることが可能です。スマートフォンアプリのような感覚で操作でき、ほとんど手間はかかりません。IT管理者のいない店舗や営業所でも、端末を送って、現地スタッフに任せることができます」という。
運用が開始されたのちは、会議室の利用状況やアクティブユーザー数、ファイル共有の状態などの細かな状況を、Cisco Spark管理ポータル上からレポートとして受け取ることができる。
特筆すべきは、ネットワークやシステムの状態に影響する「メディア品質」もレポートして表示される点だ。これはシスコシステムズならではのサービスと言えるだろう。ライセンスの状況もひと目でわかるため、管理者はプロアクティブに対応を図ることができ、安定的な運用を実現できる。
「運用管理に必要なドキュメントも、Cisco Spark上にまとまっており、使い勝手のよいサービスにまとまっています。シスコシステムズから直接的に技術支援を受けられる『ライブサポート』も、管理者にとって大きな助けとなるはずです」(谷水氏)
ユーザーの権限管理も自在
ビジネスコラボレーションシステムにおいて、最も重要なことの1つが、「ユーザーの管理」である。どのユーザーにどの機能を利用させるのか、このユーザーはどのように利用しているのか、ライセンスはどのような状況にあるのか。人を中心としたシステムは、その管理が煩雑になりがちであるし、簡易すぎるのも問題がある。
一方で、ユーザー側に立ったとき、利便性を阻害するような管理では困る。ビジネスコラボレーションは、ユーザーが率先して使ってくれることが重要だ。できるかぎり簡便に、快適に使えなければ、使いたいという気持ちにならないからだ。
Cisco Sparkの管理ポータルには、いくつもの管理項目が用意されているが、クラウドネイティブなサービスとして使い勝手のよいインタフェースに仕上がっている。個々のユーザーのライセンスや権限の状態がひと目でわかるようになっており、細かに設定することも可能だ。
ディーアイエス サービス&サポートのサービス本部 テクニカルサポート部 テクニカルエンジニア課 係長 中村亮一氏によれば、「Cisco Sparkでは有償・無償のユーザーを混在して管理することができます。社員は有償アカウントですべての機能を利用し、派遣社員は無償のアカウント、で参加してもらうということが可能です。また、有償の機能も細かに権限を設定でき、Web会議などの社外利用を前提とした機能は営業スタッフのみに許可するといった、柔軟な運用を実現できるのです」と述べる。
既存システムとの連携で使い勝手が向上
Cisco Sparkには既存のシステム/運用を継続するための機能が幾つか含まれているが、その1つが「Microsoft Active Directory(AD)」との連携である。これにより、シングルサインオンを実現できる。ユーザーを二重に管理する手間がなく、ユーザーもめんどうなID/パスワード入力から解放される。
「AD連携の最大の効果は、IT部門への問い合わせが減ることです。新しいクラウドサービスが追加され、ID/パスワードが増えると、入力ミスや記憶違いなどで必ずトラブルが増加します。シングルサインオンならば、その心配はありません。今や、クラウドサービスにも必須の機能と言えますね」(中村氏)
もう1つの連携機能として、「Microsoft Exchange」との連携があげられる。従来の会議室予約などで、「Microsoft Outlook」を利用してきた企業も少なくないだろう。この運用に慣れている場合、急に使い勝手が変化したことを不快に思うスタッフも出てくるはずだ。
Cisco Sparkは、Microsoft Exchangeと連携することで、Microsoft Outlookから会議室の作成をコントロールできる。具体的には、会議室の場所としてCisco Sparkを選択するだけでよい。
「もちろん、これらの連携はマイクロソフトのクラウドサービスでも問題ありません。つまり、Azure Active DirectoryやMicrosoft Exchange Onlineを利用しているユーザーも、Cisco Sparkとの連携が可能というわけです。積極的にクラウド化を進めている企業には非常におすすめです」(中村氏)
APIで進化し続けるCisco Spark
シスコシステムズでは、Cisco SparkのREST APIを公開し、エコシステムの形成にも力を入れている。国内での例はまだ少ないが、すでに米国を中心にサービスの開発がスタートしており、先鋭的なソリューションが提供されつつある。あるソフトウェアのコンテストでは、Cisco Sparkとの連携が大人気で、シスコシステムズが考えもしなかった仕組みが登場していたとのことだ。
谷水氏によれば、人と人だけでなく、人と機械とのコラボレーションを図ろうとする取り組みが始まっているという。
「例えば、発生したエラーをCisco Sparkで受け取り、その結果を担当者に通知するといったソリューションが考えられます。IT・OTとの融合は製造業における大きな課題の1つですが、その基盤を作るだけでも莫大なコストと手間がかかります。Cisco Sparkをコラボレーションプラットフォームとすることで、その負担を大幅に軽減できるのです」(谷水氏)
ダイワボウ情報システムでは、日本のCisco Sparkディストリビューターとして、さまざまなアプリケーションベンダーを支援して、日本全土からすぐれたサービスを提供していきたいとしている。ますます進化を続けるCisco Sparkに、今後も注目していきたい。
次回は、Cisco Sparkの特長的な最新機能を幾つか取り上げて、細かに解説しよう。
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https://support.ciscospark.com/customer/ja/portal/topics/580829
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