ここ最近、「ChromeBook」と呼ばれるノートPCが、ビジネス市場でも徐々に勢力を拡大しつつある。Windows 10やWindows 11をインストールした一般的なノートPCと比べ、どんな特徴があるのだろうか。またビジネスで利用する上で、一般的なノートPCとはどこがどう変わってくるのだろうか。
デル・テクノロジーズは高性能なChromeBookをラインアップ
ChromeBookは、Googleが開発したパソコンやタブレット用のOS「ChromeOS」をインストールしたノートPCのことだ。ChromeOSは、Windows 10やWindows 11と同じく、PCを利用するための基本ソフトとなる。デル・テクノロジーズでも、いくつかこうしたChromeBookをラインアップしている。
法人向けでは「Latitude Chromebook Enterprise」シリーズとして、14型液晶を搭載した「Latitude 5400 Chrome」や「Latitude 7410 Chromebook Enterprise」を用意している。また教育市場向けでも、低価格なChromeBookシリーズを展開している。
こうしたChromeBookで利用されるChromeOSの特徴は、比較的スペックの低いハードウエアでも快適に動作することだ。世代が古かったり、Celeronシリーズなどグレードの低いCPUを搭載したりしているモデルも多く、搭載メモリは4GB~8GB、ストレージの容量は32GB~128GBとWindows 11搭載ノートPCと比べるとスペックは低い傾向がある。
というのも、ChromeOSは「Linux」というPC向けのOSとしては軽量で、負荷の低いものをベースとして設計されている。そのため、前述したようなCPUやメモリ、ストレージなどのスペックが低いPCでも快適に利用できるようになっている。
もちろんWindowsと同様、スペックが高ければ高いほど操作性や応答性は向上し、快適に利用できる。デル・テクノロジーズが扱うビジネス市場向けのChromeBookは、CPUにハイスペックな「インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」を採用しており、ChromeBookのなかではかなり高性能なモデルとして仕上げられている。
Webブラウザ上で動作する「Webアプリ」を利用
このように低価格なノートPCを作りやすいChromeOSだが、もちろん難点はある。最大の問題は、Windows向けのアプリを利用できないことだ。一般的なWindows向けのアプリを、ChromeBookにインストールすることはできないし、利用することも不可能だ。そもそもOSが違うため、これは当たり前の話ではある。
ただ、だからといっていちからアプリをすべて最初から買い揃えなければならない、というわけではない。ChromeOSでは「Webアプリ」というもの利用してさまざまな作業を行う。このWebアプリとは、ChromeOSで利用できるWebブラウザ「Chrome」上で利用するアプリのことだ。こうしたWebアプリは無料で、追加コストは必要ない。
GoogleではこうしたWebアプリとして、ワードプロセッサの「Google Document」、表計算ソフトの「Google SpreadSheet」、プレゼンテーションソフトの「Google Slide」など、ビジネスでよく利用されるアプリを提供しており、いずれも無料で利用できる。
またマイクロソフトも、WordやExcel、PowerPointなどのアプリをWebアプリとして提供している。こうしたWebアプリ版のOfficeソフトは、Windows版のOfficeソフトに含まれるアプリとは異なり、機能的には簡略版と言える作りではある。
しかし高度なマクロを駆使して作成した物でない限り、Windows版で作成したファイルを読み込んで開いたり編集したりすることはできるし、体裁も崩れることはない。
また各種SNSやMicrosoft Teams、Slack、Zoomと言ったコラボレーションアプリは、Webブラウザ経由で利用するためのインタフェースを用意している。社内で利用している在籍管理用のツールや予算、稟議書などを管理するアプリも、最近はWebブラウザ経由でアクセスして利用するものがほとんどだろう。
こうしたサービスやツール、アプリは、ChromeOSのWebブラウザであるChromeから問題なく利用できる。もちろん社内の検証状況によっては「Chromeでは動かない」というものもあるので、そこは社内のIT部門と相談する必要はある。
要するにWebサイトからアクセスして利用できるサービスなら、ChromeBookでも問題なく利用できるということだ。またこれらのWebアプリやWebブラウザ経由で利用するツールは、基本的に無料だ。利用するユーザーに合わせた導入コストを検討する必要もない。
また最近は、こうしたWebアプリのほかにも、スマートフォンやタブレットなどで利用されるOS「Android」用のアプリをインストールして利用できるようになっている。Googleが無料で提供しているAndroid用のビジネス向けアプリはもちろん、Android向けのさまざまなアプリやサービスが利用できるので、非常に使い勝手のよい環境になってきている。
企業向けのバージョンではセキュリティにも配慮
企業で利用する場合、セキュリティやPCの管理機能も重要になってくる。Windows 11でも企業向けの管理機能を備えた「Windows 11 Enterprise」や「Windows 11 Pro」などのエディションを用意しており、企業内ではこうしたエディションをインストールしたPCを利用している。
ChromeOSでも、「Chrome Enterprise」というバージョンを用意しており、ChromeBookのユーザーやグループごとのポリシーの設定、導入、管理などを簡単に行えるようにしている。
例えばURLを指定したホワイトリストやブラックリストの作成、企業内ネットワークで利用できるアプリの指定、キーとなる重要なWebブラウザChromeのバージョンアップ管理など、さまざまな管理機能をサポートしており、ChromeBookをビジネスでも安心して利用できる環境を整えている。
そしてこれはChromeOSの特性とも絡む話だが、Webアプリはインターネットへの接続が必須だし、作業後のファイルもインターネットストレージ上に保存する。ユーザーが利用するPCに重要な情報を保存しないことを前提に作られているため、情報漏洩の危険性も比較的少ない。
機能面やコスト、セキュリティ面を考えるなら、低価格なChromeBookを検討するのも一つの選択肢といえるだろう。
原稿 竹内亮介
監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也
インテル® Core™ i7 プロセッサー
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