昨年10月5日に正式版が公開されたマイクロソフトの最新OS「Windows 11」。前回は大幅に変化したインタフェースを紹介したが、今回は一新された設定アプリや新たに加わった機能に注目。Windowsをより便利に使えるものがそろっている。

分かりやすくなった設定アプリ

Windows 10の設定アプリは、「システム」、「デバイス」、「個人用設定」などカテゴリー別に用意された13項目をクリックし、左側に表示されるカテゴリーごとの設定項目から必要な目的のものをクリックすると、画面右側に設定画面が表示されるという流れだった。Windows 11ではその設定アプリが一新され、カテゴリーは11項目に整理され画面左側にズラッと並ぶ形に変更。カテゴリーごとの設定項目が画面右側に表示される形になった。設定項目をクリックすると、画面右側が設定画面に切り替わるという仕組みだ。

メインとなるカテゴリー一覧が画面左の固定されたことによって、複数の設定を一度に行いたい場合の利便性は向上したように感じる。その一方で「簡単操作」が「アクセシビリティ」になるなど、名称が変更されたカテゴリーや設定も存在するので、Windows 10に慣れた人は最初多少戸惑うかもしれない。

  • 設定アプリは11のカテゴリーが画面左側に並び、カテゴリーごとの設定項目が画面右側に

    設定アプリは11のカテゴリーが画面左側に並び、カテゴリーごとの設定項目が画面右側に

  • 設定項目をクリックすると設定画面に切り替わる

    設定項目をクリックすると設定画面に切り替わる

ウィジェット機能が復活

Windows 11では、Windows Vistaや7で搭載されていた「ガジェット」が「ウィジェット」として復活する。ウィジェットはさまざまな情報を表示できるミニアプリと言える機能。タスクバーの「ウィジェット」ボタンまたは「Windows」キーと「W」キーの組み合わせで呼び出せる。

  • タスクバーの「ウィジェット」ボタンから呼び出せる「ウィジェット」

    タスクバーの「ウィジェット」ボタンから呼び出せる「ウィジェット」

  • 左上の「…」ボタンを押すとサイズ変更などのオプションを呼び出せる

    左上の「…」ボタンを押すとサイズ変更などのオプションを呼び出せる

ウィジェットはWindows Vista/7のようにデスクトップ上に直接配置できるわけではなく、ウィジェット内だけに配置できるので大きく異なるところ。ウィジェットの追加や表示する情報はユーザーが自由に変更可能など、原稿執筆時点では「天気」や「ゲーム」、「写真」など、種類はまだまだ少ない。今後増えることを期待したい。

  • ウィジェットはユーザーが自由にカスタマイズ可能だが、その種類はまだ少ない

    ウィジェットはユーザーが自由にカスタマイズ可能だが、その種類はまだ少ない

ウィンドウが整列しやすくなった「スナップ」機能

Windows 10には、ウィンドウを画面の横や隅に移動させると自動的に整列する「スナップ」機能が用意されているが、ウィンドウを移動しているときに意図しないタイミングで整列が行われたりと、使い勝手の面で不満を感じている人もいただろう。実際にスナップ機能をオフにしている人も多いハズだ。Windows 11ではその使い勝手が大幅に進化している。ウィンドウの右上にある最大化ボタンにカーソルを合わせると、選択できるスナップのタイプとサイズが表示される。スナップの種類はディスプレイのサイズと解像度で変化するようで、24型の4K解像度液晶では6種類から選択できた。

  • 最大化ボタンに合わせると表示されるスナップの種類とサイズ。表示したい場所とサイズを選択する

    最大化ボタンに合わせると表示されるスナップの種類とサイズ。表示したい場所とサイズを選択する

  • 選択した領域に合わせてウィンドウのサイズが調整され、指定した場所に移動する

    選択した領域に合わせてウィンドウのサイズが調整され、指定した場所に移動する

スナップの便利なところは、複数のアプリを重ねることなく表示できること。テレワークでは、ビデオ会議の画面、チャットツールの画面、資料の画面など複数のアプリを開くことが多い。そのとき、スナップを使えばウィンドウをサッとキレイに並べられる。大画面ディスプレイと組み合わせることで、より便利に使える機能と言えるだろう。

  • デスクトップを決められた領域に区切って、そこにウィンドウをキレイに配置できるのがスナップの便利なところだ

    デスクトップを決められた領域に区切って、そこにウィンドウをキレイに配置できるのがスナップの便利なところだ

  • スナップで配置したウィンドウは「グループ」としてタスクバーにまとめられる。いくつかのウィンドウを最小化していても、グループをクリックすれば一気にデスクトップ上に表示できる

    スナップで配置したウィンドウは「グループ」としてタスクバーにまとめられる。いくつかのウィンドウを最小化していても、グループをクリックすれば一気にデスクトップ上に表示できる

マルチディスプレイがより使いやすく

テレワークでは、移動時はノートPCとして使い、自宅や会社では外部ディスプレイに接続して、画面を広く使うというスタイルも多い。Windows 11では外部ディスプレイに表示させていたアプリのウィンドウ位置やサイズを記憶する機能が追加された。ノートPCと外部ディスプレイの接続を切って、再度接続した場合、該当するアプリのウィンドウが自動的に外部ディスプレイに表示される。チャットツールやブラウザなど、外部ディスプレイ側に常に表示させたいアプリが決まっている人にとっては非常に便利な機能と言えるだろう。

  • 設定アプリ→「システム」→「ディスプレイ」→「マルチディスプレイ」とクリックし、「モニターの接続に基づいてウィンドウの位置を記憶する」にチェックを入れれば機能が有効になる

    設定アプリ→「システム」→「ディスプレイ」→「マルチディスプレイ」とクリックし、「モニターの接続に基づいてウィンドウの位置を記憶する」にチェックを入れれば機能が有効になる

Androidアプリが動作可能に

10月5日に公開されるバージョンには含まれていないが、Androidアプリの動作もサポートされる。Microsoft StoreからAndroidアプリがダウンロードできるようになる予定だ。

  • MicrosoftのWebサイトではMicrosoft StoreでAndroidアプリを配信する予定であることが紹介されている

    MicrosoftのWebサイトではMicrosoft StoreでAndroidアプリを配信する予定であることが紹介されている

Teamsが統合される

Windows 10では標準的なチャットツールとして「Skype」が採用されていたが、Windows 11では同社のコミュニケーションツール「Teams」に置き換わる。もちろん、Skypeもアプリがダウンロードできるので引き続き利用可能だが、Teamsはタスクバーの「チャット」としてOSに統合される予定だ。

  • Teamsはタスクバーの「チャット」ボタンから呼び出せるようになる

    Teamsはタスクバーの「チャット」ボタンから呼び出せるようになる

第44回では、「Latitude 7420」を使ってWindows 11へのアップグレード手順も紹介しているので合わせてチェックしてほしい。Latitude 7420は、CPUに第11世代 インテル® Core™プロセッサー、ストレージに高速なNVMe SSDを採用する高いスペックを備え、選択できるWebカメラの種類が豊富と、Windows 11を快適に使えるスペックを持ち、テレワークにも最適な1台だ。

  • Latitude 7420。プレミアムモデルの価格は209,981円から(2022年3月末時点)

    Latitude 7420。プレミアムモデルの価格は209,981円から(2022年3月末時点)

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原稿 芹澤正芳

監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
   広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也

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