デルでは、ビジネス向けデスクトップPCとして「OptiPlex」シリーズを展開している。その中でサイズ、予算、必要とするスペックに対して柔軟に対応できるのが「OptiPlex3090」だ。ここでは、その中から「タワー」、「スモール フォーム ファクター」、「マイクロ」の3タイプを紹介する。それぞれメリットは大きく異なる。デスクトップPCの導入を検討しているなら、ぜひ参考にしてほしい。

  • 「OptiPlex3090」。左からタワー、スモール フォーム ファクター、マイクロでサイズは大きく異なる

    「OptiPlex3090」。左からタワー、スモール フォーム ファクター、マイクロでサイズは大きく異なる

フルサイズの拡張カードが使える「タワー」

OptiPlex3090は、デルの中で“ビジネス向けエントリー デスクトップ”と位置付けられている製品。CPU、メモリ、ストレージとも組み合わせが幅広く用意されているのに加え、「Dell Endpoint セキュリティ」や「Dell Endpoint Security Additional Offers」といったウイルスや改ざん、データ漏洩などセキュリティに関する対策の選択肢も豊富にあり、ビジネスの現場におけるさまざまニーズに応えやすくなっている。

まずは、「タワー」タイプを紹介したい。サイズは幅155mm×奥行き292mm×高さ324mmで最小重量は5.10kgだ。今回紹介する3タイプの中で一番大きいが、タワー型として見た場合はコンパクトな部類と言える。

  • OptiPlex3090の「タワー」タイプ

    OptiPlex3090の「タワー」タイプ

  • 幅88cm、奥行き45cmのデスクに設置したところ。タワー型の中ではコンパクトな部類で、小さめのデスクに設置しても圧迫感はない

    幅88cm、奥行き45cmのデスクに設置したところ。タワー型の中ではコンパクトな部類で、小さめのデスクに設置しても圧迫感はない

CPUは第10世代 インテル® Core™プロセッサーのCore i5/i3や第10世代 インテル® Celeron™ G5905、第10世代 インテル® Pentium™ G6405から選択が可能。OSはWindows 11/10のHomeとProのほか、Ubuntuも選択できる。メモリは4GBから64GBまで用意され、ストレージもNVMe SSDとHDDの2台構成も可能だ。無線LANやビデオカード、光学ドライブ、USBやシリアル、パラレルポートの追加も行えると、このあたりの柔軟性はさすがデスクトップPCというところ。

珍しいのは電源も選べること。パソコンの電源にはコンセントから供給される交流入力からパーツへの直流出力に変換する効率を示す80Plusという規格があり、タワー型には通常だと電源効率85%の80Plus Bronze規格の260W電源が採用されているが、電源効率92%となる80Plus Platinum規格の電源も選択が可能だ。消費電力を少しでも減らしたいというニーズにも応えられる。

  • CPUやメモリ、ストレージの選択肢は幅広い

    CPUやメモリ、ストレージの選択肢は幅広い

  • 電源として80Plus BronzeとPlatinum規格を用意している

    電源として80Plus BronzeとPlatinum規格を用意している

しかし、選択できるパーツやサービスに関しては後述する「スモール フォーム ファクター」のタイプとほとんど同じだ。「タワー」最大のメリットはフルサイズの拡張カードが使えることにある。例えば業務でビデオキャプチャーボードが必要になった場合にも、スムーズに追加できる。「スモール フォーム ファクター」タイプだと、搭載できるのが拡張カードかロープロファイルサイズに限られるので、選択肢が非常に狭まってしまうのだ。設置場所は必要になるが、拡張性やメンテナンス製の高さは「タワー」タイプの強みと言える。

  • フルサイズの拡張カードが利用できる

    フルサイズの拡張カードが利用できる

  • タワーだけに内部には余裕があり、メンテナンス性は高い

    タワーだけに内部には余裕があり、メンテナンス性は高い

  • 前面にはUSB 2.0×2、ヘッドセット端子がある

    前面にはUSB 2.0×2、ヘッドセット端子がある

  • 背面にはUSB 3.0などのほかDisplayPort出力が2基あり、2つのディスプレイへ同時出力も可能だ

    背面にはUSB 3.0などのほかDisplayPort出力が2基あり、2つのディスプレイへ同時出力も可能だ

  • 標準ではワイヤレスキーボードとマウスのKM5221W(日本語)が付属。有線キーボードのKB216(日本語と英語から選択化)やキーボードなしも選べる

    標準ではワイヤレスキーボードとマウスのKM5221W(日本語)が付属。有線キーボードのKB216(日本語と英語から選択化)やキーボードなしも選べる

次は「スモール フォーム ファクター」を紹介しよう。幅92.60mm×奥行き292.80mm×高さ290mmで最小重量は3.76kgだ。「タワー」に比べて奥行きはほぼ同じだが、幅と高さが一回り小さくなり、設置スペースをかなり削減できる。

  • OptiPlex3090の「スモール フォーム ファクター」タイプ

    OptiPlex3090の「スモール フォーム ファクター」タイプ

  • 幅88cm、奥行き45cmのデスクに設置したところ。幅がそれほどないためデスクを広く使える

    幅88cm、奥行き45cmのデスクに設置したところ。幅がそれほどないためデスクを広く使える

「スモール フォーム ファクター」の強みは、このコンパクトなサイズで選べるパーツやセキュリティのサービスが「タワー」タイプとほとんど変わらないこと。CPUやメモリ、ストレージを選べるのはもちろん。ビデオカードや光学ドライブも搭載できる。電源も80Plus BronzeとPlatinumから選択が可能だ。背面のレバーを引くだけで、左側面のパネルを取り外し可能とメンテナンス性も高い。

  • CPUやメモリ、ストレージなどの選択肢は「タワー」タイプとほぼ同じ

    CPUやメモリ、ストレージなどの選択肢は「タワー」タイプとほぼ同じ

  • 背面のレバーを引けばパネルが外せるとメンテナンスもしやすい

    背面のレバーを引けばパネルが外せるとメンテナンスもしやすい

その一方で、先ほども触れたが「スモール フォーム ファクター」タイプは拡張スロットのサイズがロープロファイルになる。そのため、搭載できる拡張カードがフルサイズに比べて限られてしまうのがウィークポイントだ。逆に、拡張カードを使う予定がなく、設置スペースを取りたくない場合は、こちらのほうがよいだろう。

  • 搭載できる拡張カードはロープロファイルサイズに限られる

    搭載できる拡張カードはロープロファイルサイズに限られる

  • 幅がないだけに内部はやや詰まった印象だ

    幅がないだけに内部はやや詰まった印象だ

  • 前面にはUSB 2.0×2、ヘッドセット端子がある

    前面にはUSB 2.0×2、ヘッドセット端子がある

  • 背面はUSB 3.0やDisplayPort出力×2など「タワー」と同様だ

    背面はUSB 3.0やDisplayPort出力×2など「タワー」と同様だ

最後は「マイクロ」タイプだ。幅36mm×奥行き178mm×高さ183mmで最小重量は1.16kgと小型で軽いのが最大の特徴と言える。その小ささを活かして、ディスプレイの背面やデスクの下、壁に固定できるマウントオプションも豊富に用意されており、設置スペースを取らないのが強みだ。

  • OptiPlex3090の「マイクロ」タイプ

    OptiPlex3090の「マイクロ」タイプ

  • 幅88cm、奥行き45cmのデスクに設置したところ。小型なので場所をほとんど取らない

    幅88cm、奥行き45cmのデスクに設置したところ。小型なので場所をほとんど取らない

  • ディスプレイの背面などに設置できるマウントオプションを豊富に用意している

    ディスプレイの背面などに設置できるマウントオプションを豊富に用意している

小さくても選択できるパーツは幅広い。CPUは末尾に「T」が付く消費電力の低い、第10世代 インテル® Core™プロセッサーのCore i5/i3や第10世代 インテル® Celeron™ G5905T、第10世代 インテル® Pentium™ G6405Tを選択が可能。メモリは4GB~32GB、ストレージはNVMe SSDと2.5インチHDDの2台搭載も選べる。ビデオカードと光学ドライブこそ搭載できないが、HDMI 2.0bやシリアルポートの追加が可能、選べるセキュリティ関連も「タワー」や「スモール フォーム ファクター」と同様という充実ぶり。拡張性を必要としないならば、場所を取らず、持ち運びも手軽な「マイクロ」タイプは有力な選択肢になってくれるだろう。

  • 背面のネジを外して前にスライドさせるだけと内部へのアクセスは簡単だ

    背面のネジを外して前にスライドさせるだけと内部へのアクセスは簡単だ

  • コンパクトな本体だけに中は詰まっている

    コンパクトな本体だけに中は詰まっている

  • 前面にはUSB 3.0、ヘッドセット端子、スピーカー出力がある

    前面にはUSB 3.0、ヘッドセット端子、スピーカー出力がある

  • 背面はUSB 3.0やDisplayPort出力×2などを搭載

    背面はUSB 3.0やDisplayPort出力×2などを搭載

  • 電源はACアダプタだ

    電源はACアダプタだ

このようにOptiPlex3090は、スペックやセキュリティ関連のサービスが充実したデスクトップPCだ。テレワークやフリーアドレスのオフィスが増えたことで、ノートPCに注目が集まりがちだが、デスクトップPCはスペックの柔軟性が高く、業務にマッチした性能やストレージ容量を構築しやすく、ディスプレイやキーボード、マウスも自由に選択できるので、個人個人の使いやすい環境を作りやすいというメリットを持つ。さらに、OptiPlex3090なら本体サイズの選択肢も広い。デスクトップPCを求めているなら、ぜひともチェックしてほしい。

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原稿 竹内亮介

監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
   広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也

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