パソコンの性能に一番影響する「CPU」。Central Processing Unit(中央演算処理装置)の略で、まさにパソコンの頭脳と言えるパーツだが、その種類は非常に多く、見分け方も難しい。今回は、CPU選びのポイントと性能が処理速度にどう影響するのかチェックしてみたい。

  • パソコンの頭脳と言えるCPU(写真はデスクトップ向けのインテル® Core™ i7-10700K プロセッサー)

    パソコンの頭脳と言えるCPU(写真はデスクトップ向けのインテル® Core™ i7-10700K プロセッサー)

デルのパソコンにもさまざまなCPUが採用されているが、今回はインテル製CPUの見分け方を紹介しよう。大きなポイントになるのはグレードと世代だ。

  • デルのノートパソコンでは複数のCPUが選べるモデルも多い

    デルのノートパソコンでは複数のCPUが選べるモデルも多い

インテルのCPUは、グレードが高いほうからインテル® Core™ i9 プロセッサー/インテル® Core™ i7 プロセッサー/インテル® Core™ i5 プロセッサー/インテル® Core™ i3 プロセッサー/インテル® Pentium® プロセッサー/インテル® Celeron® プロセッサーとなっている。インテル® Core™ i9 プロセッサー/インテル® Core™ i7 プロセッサーがハイエンド、インテル® Core™ i5 プロセッサーがミドルレンジ、インテル® Core™ i3 プロセッサーがエントリー、インテル® Pentium® プロセッサー/インテル® Celeron® プロセッサーがローエンドという分類と考えておけばよい。

グレードの後ろには数字とアルファベットに組み合わせが付くが、最初の数字で世代が判断できる。例えば、「インテル® Core™ i5-8265U プロセッサー」なら最初が「8」なので第8世代のインテル® Core™ プロセッサーとなる。「インテル® Core™ i5-10210U プロセッサー」なら、最初が「10」なので第10世代のインテル® Core™ プロセッサーだ。なお、例外もあってインテル® Core™ i7-880 プロセッサーなど、数字が3桁だけなのが初代インテル® Core™ プロセッサー。インテル® Core™ プロセッサーは世代が進むごとに改良が加えられ、性能は向上している。

なお、ノートパソコン向けのCPUには末尾にアルファベットが付くが「B/HK/H」と付くのがハイエンド向け、「U/Y」と付くのが省電力向けと区別できる(古い世代ではもっと色々なパターンがあった)。

第11世代と一部の第10世代からは少し表記パターンが変わった。例えば「インテル® Core™ i7-1185G7 プロセッサー」では、最初の「11」が第11世代を表すのは同じだが、末尾の「G」と数字の組み合わせでCPUに内蔵するグラフィック機能のグレードを示すようになった。末尾の数字が大きいほうがグラフィック性能が高くなる。

注意してほしいのは、インテル® Pentium® プロセッサーとインテル® Celeron® プロセッサーに関してはこの方法で世代が判別できない。インテル® Pentium® プロセッサーは7000番台が第11世代、6000番台が第10世代、5000番台が第8世代、インテル® Celeron® プロセッサーは5000番台が第10世代、4000番台が第8世代だ。これが非常にややこしいところだ。

ちなみに自分のパソコンに搭載されているCPUはスタートメニューから「設定」を選び、「システム」をクリック。左側のメニューから「バージョン情報」をクリックし、表示される画面の「プロセッサー」で確認が可能だ。

  • バージョン情報

    スタートメニューから「設定」→「システム」→「バージョン情報」とクリック。プロセッサーの欄で搭載CPUを確認できる

CPUの性能をチェックする上で型番だけではなく、動作クロック、コア数、スレッド数も重要だ。動作クロックは1秒間に動作する回数を示す。そのため、クロックが高いほど処理性能は高い。コア数は内部のプロセッサー数と言える。この数が多いほど同時処理に強くなる。スレッド数は、1度の処理できる命令数のことで、インテルのCPUには1つのコアで2つの処理が行えるインテル® ハイパースレッディング・テクノロジーという技術が導入されているものが多く、例えばインテル® Core™ i5-10210U プロセッサーなら4コアだが8スレッドまで同時処理が可能だ。

最近のアプリケーションは多くがマルチスレッドに対応しており、基本的にはコア数、スレッド数が多いほど性能は高くなる。

  • デスクトップ向けのCPUでは10コア以上のCPUも多く登場している

    デスクトップ向けのCPUでは10コア以上のCPUも多く登場している

CPU選びは、グレードが高く、世代が新しく、動作クロックが高く、コア数とスレッド数が多いほど高性能と覚えておけばよい。では、CPUの違いでどこまで処理速度に差が出るのか。ここからは、それを試してみたい。

用意したのは、デルの「Latitude 3410」のインテル® Core™ i5-10210U プロセッサー搭載モデルとインテル® Core™ i3-10110U プロセッサー搭載モデル。どちらもメモリは4GBだ。

  • New Latitude 3410のインテル® Core™ i5 プロセッサーとインテル® Core™ i3 プロセッサーを用意

    Latitude 3410のインテル® Core™ i5 プロセッサーとインテル® Core™ i3 プロセッサーを用意

インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーは4コア8スレッドで動作クロックは基本1.6GHzで最大4.2GHz、キャッシュは6MB、インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーは2コア4スレッドで動作クロックは基本2.1GHzで最大4.1GHz、キャッシュは4MBだ。

まずは、CGレンダリングでCPUのパワーをシンプルに測定する「CINEBENCH R20」を実行しよう。インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーはマルチスレッド処理となるCPUが1396pts、CPU1コアだけの処理になるCPU(Single Core)が408pts、インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーはCPUが745pts、CPU(Single Core)が322ptsとCPUではインテル® Core™ i5 プロセッサーのほうが約1.87倍も上回る。コア数とスレッド数の違いによる性能差がハッキリとわかる結果だ。

  • インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーのCINEBENCH R20の結果

    インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーのCINEBENCH R20の結果

  • インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーのCINEBENCH R20の結果

    インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーのCINEBENCH R20の結果

続いて、パソコンの総合的な性能を測定する「PCMark 10」のStandardテストを実行してみよう。PCMark 10はビデオ会議/Webブラウズ/アプリ起動性能を見る「Essentials」、表計算/文書作成の性能を見る「Productivity」、写真や映像編集の性能を見る「Digital Content Creation」で構成されるが、そのすべてでインテル® Core™ i5 プロセッサーが上回っている。とくにCPUパワーが効きやすい写真編集の「Photo Editing Score」では顕著に差が出ているのが分かる。

  • インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーのPCMark 10 Standardの結果

    インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーのPCMark 10 Standardの結果

  • インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーのPCMark 10 Standardの結果

    インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーのPCMark 10 Standardの結果

もう1つ、PCMark 10でMicrosoft Officeの処理速度を測るApplicationsもテストした。こちらも同じくすべての項目でインテル® Core™ i5 プロセッサーが上回った。とくに処理が重めのPowerPointの「Export PDF」では大きな差が出来ている。

  • インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーのPCMark 10 Applicationsの結果

    インテル® Core™ i5-10210U プロセッサーのPCMark 10 Applicationsの結果

  • インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーのPCMark 10 Applicationsの結果

    インテル® Core™ i3-10110U プロセッサーのPCMark 10 Applicationsの結果

そのほか、文書のリサイズやコピーといった細かな処理での差は小さいとはいえ、それが積み重ねられれば最終的には大きな作業効率の差になると考えられる。とくに最近では、本格的とまではいかないまでも、PowerPointのスライド作りのために、簡単な写真編集や動画編集をすること機会も多い。負荷の大きい処理ほどCPUの違いは効いてくる。

もちろん、インテル® Core™ i3 プロセッサーでも十分業務はこなせるが、上位のCPUを使うほど作業効率は高くなるという点は覚えておきたい。

原稿/撮影 芹澤正芳

監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
   広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也

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