コロナ禍で世界が振り回された2020年度、政府によって一斉休校が要請された。教育機関では、ICT環境の整備を余儀なくされ、学びの遅れを最小限に抑えるためにも、校内ネットワーク環境の構築や児童生徒へ1人1台の端末配備などが急速に進められた。こうして前倒しされた「GIGAスクール構想」だが、本稿では、株式会社サテライトオフィスの執行役員 岡 裕明氏に、GIGAスクール構想の現状と課題についてお話をうかがったので、その内容をお届けしよう。
1人1台の端末配備はほぼ完了したが、壁が多い活用への道のり
公立小中学校の多くは、2020年度末時点で1人1台の端末配備を完了している。いくらか遅れの出ている地域でも、急ピッチで作業が進められているため、2021年度早々には環境が整う学校がほとんどであるようだ。しかし、校内のネットワーク環境を整備し、端末を必要台数揃えたものの、それらを使いこなせるノウハウを現場が持っていないのも現状ではないだろうか。
授業におけるICT活用をようやく本格的に始めようとする段階で、課題としてよく挙げられるのがセキュリティ対策である。たとえば校内の利用だけでなく、家庭を含めた校外からインターネットを利用させることを視野に入れた場合、児童生徒の安全をいかに守るかという問題では、適切なフィルタリングが必要になるだろう。端末導入に精一杯でそこまで目が届かなかったために、そもそも現状のセキュリティ設定が適切なのかどうかわかっていないといった実情が、本格的な活用を前に浮き彫りになっている。
また、児童生徒だけでなく教員も端末を課題のやりとりや成績管理に活用することになる。より機密性の高い情報を取り扱う教員用端末のセキュリティはどのように対策するのが正しいのか。そして、境界防御ではなく、場所を問わない使い方を前提としたセキュリティ対策はどのようなものなのか。企業ではこれらの課題に対してすでに対策を打っているところが多いが、教育現場ではあらためてニューノーマル時代に合わせたセキュリティ対策が模索されている。
一般企業とは違い、学校だからこその課題もある。小中学校では年度が替われば教員・児童生徒に企業でいう”異動”が発生する。まず児童生徒に関していえば、最上級生の卒業や新入生の入学に加え、在校生にもクラス替えが発生する。公立小中学校の教員は校内だけでなく、市区町村の中で大きく異動する。初期導入を手がけたベンダーがそうした大規模な異動にまで対応してくれるとは限らない。さらに、これは今年度に限った話ではなく、長期的に端末を使い続けることを考えたときに、どのように運用していけばいいのかという課題が重くのしかかる。
導入の先にある運用課題
また、公立小中学校に専任技術者が常駐しているケースはほとんどなく、ITに少し詳しい教員やICT導入を手がけたことのある教員が本業の片手間で運用している。そうした中で、教員全員が機器を完璧に使いこなせるわけでもなく、専門性の高い設定や運用はもちろん、日常的な児童生徒のサポートだけでも現場には非常に大きな負担がかかっている。しかし、導入支援を行ったベンダーに運用面で頼りきれるかといえば、そうでもない。
GIGAスクール構想対応端末としては管理面での扱いやすさや端末コストという面からChromebookが採用されることが多く、現在圧倒的に高いシェアを持っている。Chromebookを導入した現場では「Google Workspace for Education(旧G Suite for Education)」も利用されることがほとんどで、Windows端末やiPadを導入した学校でも、ソフトウェアはGoogle Workspace for Educationを使う例も多い。しかし日本でChromebookやGoogle Workspace for Educationが使われるようになったのはごく最近のことで、多彩な経験やノウハウを持っているベンダーはそれほど多くない。
「導入についてはベンダーの支援もあて問題なく進められたが、運用できるリソースがない」「使い始めてみて困ったことが出てきたが、誰に相談したらいいかわからない」といった助けを求める声が集まってきているのは、多く教育現場へのICT導入・運用サポートの経験を持つ、株式会社サテライトオフィスだ。
GIGAスクール構想のこれからを支えるサポート&アドオン
サテライトオフィスでは、GIGAスクール構想以前から私立高校や大学を中心とした教育現場へのGoogle Workspace for EducationやChromebook導入と、設定・運用サポートを手がけてきた。また、企業向けのGoogle Workspaceについてはさらに長年の経験を持っており、日本の組織が不足に感じる機能を補う各種アドオンも数多く提供している。
こうした経験を活かしサテライトオフィスでは、導入支援を手がけていない学校も対象としたサポートプログラムを提供している。具体的には、管理者向けトレーニングやサポートプログラムを用意しているほか、先行して導入を進めていた学校を紹介して現場見学の機会を設定するなど踏み込んだ対応も行っている。
また、企業向けに用意しているアドオン群の中には、セキュリティを強化するものや、予定管理と連絡をサポートするものなど、教育現場でも活用できるものが多い。すでに端末やソフトウェアの導入が完了している場合も必要に応じて手軽に追加できる。
これらはGIGAスクール構想以前から企業向けや先進的な教育機関向けに提供してきたサービスだが、世界を大きく変えたコロナ禍においても役に立つ場面が多いことだろう。端末配備が済んだものの、うまく活用できていないことを実感している教育現場の方々には、運用・サポートのプロとしてサテライトオフィスをぜひ頼ってほしい。
監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。Google Workspace(旧称:G Suite)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。
サテライトオフィス
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さまざまなビジネスモデルに最適なソリューションパッケージを開発し、ユーザー目線に立った戦略の企画・提案を行っています。業界No.1の導入実績を持つGoogle Workspace(旧称:G Suite)やMicrosoft 365、LINE WORKS、Workplace by Facebook などクラウドコンピューティングに関わるビジネスの可能性を追求しています。
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