オンプレミスシステムのリプレース先としてOffice 365を選択
日本工学院専門学校や、東京工科大学を有する片柳学園は、1947年に創立された絵画科と洋裁科を擁する「創美学園」を祖とする学校法人だ。現在は創業の地である東京都大田区の蒲田に加え、東京都八王子市と北海道登別市にもキャンパスを設けている。
片柳学園法人本部ネットワークセンターは、東京工科大学の一部および日本工学院専門学校、日本工学院八王子専門学校、法人事務部門のシステムを受け持つ部署になります」と自己紹介をしてくれたのは八王子キャンパスネットワークセンター 鶴田 龍治氏だ。
教育用アプリケーションやハードウェアの管理・運用や、ネットワークの運用・保守等を担当する部門だった法人本部 ネットワークセンターで、Office 365の導入・運用を担うチームが動き出したのは2015年7月頃だったという。
「当時はメールシステムやポータルの刷新を考え、クラウドサービス活用の検討を開始しました。Googleのサービス等とも比較しましたが、先行して東京工科大学がOffice 365を導入していたこともあり、最終的には教育機関向けのOffice 365 Educationがあることから、Office 365を選択、検証を経て2015年12月に導入を正式決定しました」と鶴田氏は導入の経緯を語る。
2016年の年明けから構築が開始された新ポータルは早期に限定公開され、さらに2016年9月には八王子キャンパスで、ついで12月には蒲田キャンパスで旧システムとのメール並行運用が開始された。本番運用開始は2017年2月と、十分な並行運用期間を設けることでスムーズな移行を実現したという。
安全な外部利用と見やすい予定表をネクストセットのアドオンで実現
従来は教職員向けにオンプレミスでのメールサーバ運用を行っており、このサーバのリプレース時期が近づいていたのが検討開始のきっかけだった。ポータルには個人の予定表があるほか、通達文書などを掲示する役割を持っていたという。これらの管理を手放すのがクラウドサービス活用の狙いだった。そのため、利用開始当初は学内の業務PCからのアクセスに限定していたという。
「当然個人所有のPCやBYODからの利用という要望はありましたが、情報漏洩の恐れがあります。どうにかセキュアに要望へ応じられないかと検討していた時に出会ったのが、ネクストセットのシングルサインオンとセキュアブラウザでした。ほかのラインアップを見てみるとポータル運営に便利そうなアドオンがいくつも見当たり相談しました」と鶴田氏は語る。
コスト面でも折り合いがついたことから、シングルサインオンとセキュアブラウザの利用が決定された。さらにネクストセットのアドオンが活用されることになるきっかけは、Office 365が標準で持つ予定表への抵抗感だった。
「Outlookは元々利用していたのでメールの使い心地には問題がなかったのですが、予定表はどうも見慣れないということで不評でした。従来は内部で簡単なグループウェアのようなものを構築していたのですが、そういう見た目がいいと言われたのです。見やすいものをということでいくつか検討したのですが、オーバースペックなもの、コストがかかりすぎるものが多く、シングルサインオン等と一緒に組織カレンダーを使うのがぴったりだということでネクストセットのアドオンを利用することにしました」と語るのは、八王子キャンパスネットワークセンター 齊藤 克英氏だ。
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左から:片柳学園 法人本部 ネットワークセンター
八王子キャンパスネットワークセンター
齊藤 克英氏、宮本 愛子氏
「組織ワークフロー」で電子申請をじわじわ拡大中
また、ネクストセットの「組織ワークフロー」の利用もネットワークセンターへの申請に限定したスモールスタートが2018年7月から開始され、現在他部署にもじわじわ広がりつつあるという。
「以前は紙で申請だったのですが、我々が使い始め、業務上の申請をしてくる部門の方々に利用方法を覚えてもらいました。これは魅力的だ、と使うことで気づいてもらい採用を広げたいと考えてのさりげないアピールだったのですが、これが上手く行きましたね。電子申請によるペーパーレスに取り組みたいと考えていた八王子キャンパス総務課がまず手をあげ、さらに蒲田キャンパスでも、人事課でもと広がってきています」と鶴田氏。
導入にあたっては、代表的なワークフローを3つほど作って利用方法を教えているという。その後は、GUIで簡単にワークフローを作成できる「フォームレイアウトビルダーと承認ルートビルダー」機能を利用し、現場で運用できているという。
「現場で特別なスキルが無くても使えるフォームレイアウトビルダーと承認ルートビルダーの存在はありがたいですね。今は複数のワークフローを組み合わせて一括のワークフローにするような使い方ができたらいいなと考えています。たとえば身上異動届の時、複数の書類提出が必要になり、煩雑になりますが、複数の書類を1つにまとめたフォームを作るというのも合理的ではないので、関連のあるフォームそれぞれを紐付けることができると便利かと思います。今後に期待したいところですね」と鶴田氏は満足感と期待を語った。
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左から:片柳学園 法人本部 ネットワークセンター
八王子キャンパスネットワークセンター
鶴田 龍治氏、石川 一孝氏
導入・運用はスムーズ! 個人PCやBYODのサポートには苦労中
Office 365もネクストセットのアドオンも、導入自体に難しい部分はなかったようだ。ただし、管理側の苦労はそれなりにあったという。
「我々は特にOffice 365やクラウドに詳しいわけではなく、従来はネットワークやハードウェアなどそれぞれ別の専門を持った人間の集まりです。そのため管理サイドのトレーニングが大変でした。すべては検証し、学習しながら、という状態でしたね。開始後のサービス提供自体はスムーズでした」と齊藤氏。
移行期間を長くとったこと、予定表の見やすさや個人所有のPCおよびBYODからの利用といった要望へ迅速に対応したことなどから、現場からの抵抗も少なく、移行もスムーズに行えた。
「メーリングリストの構築など、以前は管理側で行っていた業務の一部を現場に預けることができるようになり、お互い便利になりました」と齊藤氏は成功を実感していると言う。
運用が開始されてからの問い合わせは、簡易なものと対応が難しいものの両極端になっているようだ。
「単純なのは、パスワード忘れです。PC本体へのログオンパスワードと、シングルサインオンのパスワードが別になっており、今の所はそれぞれ定期的な更新を義務づけています。シングルサインオンのパスワードを忘れてしまった、間違え続けてロックしてしまったという問い合わせがわりとあります。一方、難しいのはセキュアブラウザの利用ですね。個人所有のPCやBYODからの利用については仕様がそれぞれなので対応が難しいです」そう話すのは、八王子キャンパスネットワークセンター 宮本 愛子氏だ。
セキュアブラウザのバージョンアップで解決できることが多いというものの、それ以外の原因は管理側で探りきれないという。BYODの利便性を選択したゆえの問題は、なかなか解決が難しそうだ。
クラウド化で管理部門を統合、属人化の排除にも成功
片柳学園では、ネクストセットのアドオンとして「シングルサインオン」、「セキュアブラウザ」、「組織カレンダー」、「組織ワークフロー」の他に、「組織アドレス帳」と「掲示板/回覧板」も利用している。さらに今後は「拡張フォーム/アンケート」の利用も考えているという。
「不定期ではありますが、アンケートをとる機会はよくあります。そこに使えそうな気がしています。利用中のアドオンに関しては十分な効果を感じています。今となっては、アドオンがないと困りますね。サポートもメール対応などはストレスなくやってもらえています」と鶴田氏は語った。
機能面やサポート面での満足感を語るとともに出たのは、マニュアル類への要望だ。「Web公開されているマニュアルは、内容面では十分なのだと思います。しっかり読めばきちんと情報がある。ただ、Web画面の見づらさや情報量で諦めてしまうのか、ユーザーから問い合わせを受けることが多いですね。PDFにする、簡易版と詳細版に分けるなどちょっとした工夫で十分だとは思うので、ぜひお願いしたいです」と八王子キャンパスネットワークセンター 石川 一孝氏は語った。
現在、1000アカウントを保有し、700人程度でOffice 365を利用しているという。この管理は、全て八王子ネットワークセンターで結成されたOffice365サポートチームが受け持っている。
「以前は法人本部に加えて、拠点ごとに情報システム部門があり、それぞれで運用を行っていたため属人化している部分もありました。現在はクラウドで持たないシステムにできたことで、解決できました」と鶴田氏。
今後は、東京工科大学側とのワークフロー共用や、AI/RPAといった技術の活用にも目を向けて検討して行く予定だという。
「知識のないところから自力で探りつつやってきましたが、何とかなっている状況です。もちろん、ゼロからいきなり100点を狙うのは無理ですから、スモールスタートで自分たちのスキルアップもしながら広げてきたのがよかったのだと思います」と鶴田氏は導入を振り返ってくれた。
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