東京近郊のとある都市で医師の木村さんが個人経営するKクリニック。看護師は4人いるものの、医師は木村さん1人だ。1日に80人ほどの診察をしているが、来院者は高齢者が多く、診察はとりわけ午前に集中する。ちなみに電子カルテは導入済みだが、診療明細、処方せんなど印刷の需要は多い。そんなKクリニックが感じていた課題と、解決策を見てみよう。

狭い場所で活躍する機種を求めて

 午前9時、Kクリニックの診察時間が今日も始まる。
 商店街の一本脇。住宅街ながら比較的広い通りに面した扉をベテラン看護師の吉川さんが開けるのは、毎日決まって診察開始30分前だ。いつも開けるとすぐに数人のおじいさんやおばあさんが入ってきては、診察が始まるまでの間、待合室で世間話に花を咲かせる。クリニックの日常の光景である。
 顔見知りのお年寄りたちとひと言ふた言会話をかわして、受付に戻った吉川さん。カウンターの中は狭く、2人が座るともう一杯になる。看護師たちはさまざまな事務作業もこのカウンター内で行うので、とてもではないが自由に動き回れる広さとは言いがたい。
 受付のスペースがここまで狭いことには理由がある。Kクリニックの床面積自体がさほど広くないことが根本的な原因だが、それに加えて来院者に少しでもくつろいでもらえるようにとの配慮から、待合室を可能な限り広くとっていた。そのあおりで、受付スペースは自然と狭くなってしまったのだ。

 最初の診察が終わり、80代のおじいさんが出てきて会計を済ませる。吉川さんは診療明細や処方せん、次回の予約書、支払いの領収書を、振り返った壁際の机の上を占拠するプリンターで印刷した。
 購入してからもう5年を過ぎたプリンターは、サイズがやや大きく、受付内の壁際の狭いスペースで大きな顔をしていた。しかもトナーカートリッジなど消耗品を交換する際は、壁際からいったん動かさなければならない。その作業が面倒で、消耗品交換のたびに看護師たちはため息を漏らしていた。
 そもそもこのプリンター、パソコンで印刷を指示してから実際にプリントされるまでの時間が長すぎる。これは年月を経て遅くなったのではなく、もともとの仕様だ。個人経営の小さなクリニックで、プリンターもそれほど高級なものを買ったわけではないので仕方ない。仕方はないものの、業務にはやはり支障が出る。
 Kクリニックは午前中に高齢者の診察が集中する。受付と会計、次回の予約処理などをスピーディーにこなさなければ、カウンター前に行列ができてしまう。時間に余裕のあるご近所のお年寄りばかりのときならまだいいものの、出勤途中に寄ったとおぼしきサラリーマンが腕時計にチラチラ目をやっていたりすると、当然ながら看護師たちも印刷に時間がかかって申し訳ないと恐縮する。

「木村先生、このままでは患者さんに迷惑をかけてしまいますし、私たちの業務も効率化する必要があると思います。そろそろプリンター、新しくしませんか?」
 昼休みの食事どき、とうとう吉川さんが切り出した。
「たしかに、そろそろですね。どんなプリンターが希望ですか」
「やっぱり、ここ狭いですから、コンパクトであれば言うことなしですね。それと、いま使っているプリンターは印刷されるまでの時間が長すぎるので、最初の一枚の印刷は速いに越したことはありません」
 診療明細、処方せん、領収書などなど、クリニックで日常的に印刷する書類のほとんどは基本的に一枚モノ。複数ページにわたる書類は滅多にない。だからこそ、印刷を指示してからなるべく速く印刷が始まるプリンターが有利……というのが現場で事務を司る吉川さんの主張だ。
 実はKクリニックにはもう一つ、課題があった。率直にいえば、紙が多すぎるのだ。
 カルテ自体は電子化されているのでいいのだが、来院者に問診票や検査の同意書などを書き込んでもらったあと、しばらくは患者ごとにファイリングし、保管しておかなければならない。しかしながらただでさえ狭いスペースのこと、格納するキャビネットの拡張には限界がある。できれば紙の状態ではなく、電子データとして保存したいという切実な願いがあった。
 吉川さんからニーズをひとしきり聞き取った木村院長は、こう決断を下す。
「そういうことなら、プリンター単体機ではなく、印刷に加えてスキャンができ、コピーやFAX機能まで備えた複合機がよさそうですね」

小型で初速のはやい複合機をチョイス

 検討の末にKクリニックが選んだのは、キヤノンのレーザー複合機「Satera」シリーズだった。Kクリニックの場合は業務上、モノクロ印刷がほとんどであるため、モノクロタイプを選択した。
 Kクリニックにとって「Satera」にはどんなメリットがあるのだろうか。まずは最初の課題である省スペース性。プリント・スキャン・コピー・FAX機能をすべて備えるモノクロレーザーの「Satera」は幅、奥行き、高さのいずれもコンパクトで、とりわけ高さが抑えられている。このため、Kクリニックでは受付カウンター下の足元に設置することにした。
 カウンターの下というと、トナーカートリッジ交換や用紙補充の際に不便ではないかと思われるかもしれない。その点、「Satera」はフロントオペレーションが徹底されているため、用紙やトナーカートリッジを交換する場合も、紙が詰まった場合も、すべて前面から簡単かつ効率的に作業することができる。もちろん電源ボタンや操作のための液晶タッチパネルも前面に備えられているので、背面や横側に大きな面積を必要としない点も、ワークスペース確保が重要なKクリニックにとってはありがたかった。

 

電源ボタンや操作パネルだけでなく、用紙のセットやトナーカートリッジの交換まで本体前面からの操作で行えるフルフロントオペレーションを実現

 次のポイントは印刷始動時間だ。「Satera」はパソコンからの印刷指示でスリープ状態からすぐにプリントを始める仕様なので、ファーストプリントが速いという特徴を持っている。モノクロタイプの場合、6秒以下で最初の一枚のプリントが完了する。これは一枚モノの印刷が多いKクリニックでとくに大きなメリットを感じられる点だ。
 そしてもうひとつのポイント、ペーパーレス化。「Satera」ではパソコンを使わず本体の操作から紙の書類をスキャンして簡単に電子データ化できるのはもちろん、スキャンしたデータを指定した共有フォルダーに直接保存することもできる。ショートカットボタンにフォルダーをあらかじめ登録しておけば、本体のボタンひとつで自動的に保存できるので、データ管理が格段にやりやすくなる。同様に、スキャンデータをEメールに添付して送信することも可能だ。

パソコンを介さず「Satera」の本体操作のみでスキャニングし、そのままデータを送信できる機能が「SEND Lite」

 このほか、医療データは個人性・機密性が高いもので、取り扱いにはとことん慎重を期さなければならないが、一部機種は本体での認証を行わないと印刷できないセキュアプリント機能を備えている。これは万が一の情報漏洩防止に役立つことだろう。
 Kクリニックに「Satera」がやってきて1カ月。いまでは午前中の忙しい時間に受付カウンター前の列ができることもなくなり、吉川さんはホッとしている。狭い受付内のスペースも、コンパクトな「Satera」のおかげで有効活用できるようになった。ペーパーレス化も徐々に進んでいる。来院者に快適さを提供しつつ、看護師の働き方も効率化しながら、Kクリニックは今日も地域の医療を支え続けている。

Point of interest
01 ちょっとしたスペースに設置でき、FAX・コピー・プリンターがオールインワン
02 領収書や診療明細などの一枚モノにはファーストプリントが速いプリンターが有利
03 スキャン機能を使用して電子化、患者ごとのフォルダーを作成して一括管理が可能

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