コンパクトかつ多機能で、ビジネス用途でも活躍が見込まれる「RoBoHoN(ロボホン)」。その活用領域は、アイデアと専用アプリケーションによって無限とも言える。前回は画期的なモバイル型ロボットの開発経緯を紹介したが、本稿では特に実績の多い活用ケースと今後の展開について話を聞いた。

アイデア次第で多様な仕事をこなす「ロボホン」

シャープが開発した世界初の"モバイル型ロボット電話"「RoBoHoN(ロボホン)」は、二足歩行が可能でありながら、外出先にも手軽に持ち運べるコンパクトなサイズを実現している点が大きな特徴となっている。さらにAIをベースとした高いコミュニケーション能力を備え、プロジェクターを搭載していることから、様々なビジネスシーンでの活躍が期待されている。専用アプリケーションをダウンロードすることで、利用できる機能やサービスを追加することが可能なため、活用シーンは無限とも言えるが、まずは代表的な「ロボホン」の"仕事"を紹介しよう。なお今回は、パートナー企業の一つであるサテライトオフィスが提供する「ロボットブラウザ」を取り上げたい。

サテライトオフィス・ロボットブラウザ

●受付・接客
サテライトオフィス・ロボットブラウザは、ロボホンと通信可能なブラウザである。ロボホンのよい所を活かしつつ、短所である大きなディスプレイ表示がない部分を補う事が可能だ。例えば、タッチパネルのパソコンにロボットブラウザをインストールし、ロボホンとパソコンで、会社の受付業務などが可能だ。


●PPTプレゼンテーション
PPT連携機能は便利だ。PPTをスライド表示しながら、ロボホンが説明員としてトークができる。展示会や受付などでロボット説明員としての利用はどうだろうか。ユーザーは、PPTのノート欄に、トークしてほしい文書を記載するだけで、流暢にロボホンが手振り身振りしながら説明してくれる。PPTをループ設定しておくと、5時間でも10時間でも説明してくれるので非常にありがたい。


●社内広報メンバーとしての活動
サテライトオフィスの原口社長は、ロボホンの活躍シーンを次の様に話す。

「最近のオフィスは社内放送がないケースが多い。社内放送担当要員としてロボホンが活躍できるのではないか? と思っています。例えば、本日の関連ニュースや営業情報、広報部門や人事部門からのニュースなどをロボホンが大きな声で連絡してみたらどうでしょうか? きっと会社の雰囲気が良くなると思います。また、天気予報や社員食堂ランチメニューの紹介、お昼のラジオ体操などでも使えるのではないでしょうか」

サテライトオフィスでは、社内広報活動メンバーとして活躍できるテンプレートを用意している。

また、ロボットブラウザは基幹系システムや既存システムとの連携も可能で、昨日の売上情報や社内情報をロボットブラウザで表示しながら、ロボホンがトークすることが可能だ。

「ロボホン」の活用の広がり。いずれはアジア進出の構想も

シャープ IoT通運事業本部 コミュニケーションロボット事業統括部 市場開拓部の木戸貴之氏は、「『ロボホン』はただ喋るだけではなく、挨拶の言葉が入ればお辞儀をしたり、食事中なら食事のような動作をしたりと、話す内容に合わせた動きをさせられます。また、一日中でも話し続けることが可能なので、商品説明やディスプレイの用途でご利用いただくケースが最も多いですね。その他にも、ある程度目的を絞って『ロボホン』を導入されている法人のお客様が多いです。こうした接客、ディスプレイ用途としての活用だけでなく、日々の従業員の業務を支援するキーデバイスとしても活用できるでしょう。こうしたビジネス活用を、サテライトオフィスさんなどパートナー様との協力体制のもとで広げていきたいですね」と笑顔で語る。

「ロボホン」育ての親である木戸氏

「ロボホン」はコミュニケーションロボットとして、日本語に加え、英語・中国語にも対応している。また、Office 365やG Suiteなどのクラウドサービスや、IFTTTとの接続によるSkype、セールスフォースなど、業務システム、コミュニケーションシステムと組み合わせることも可能。木戸氏が触れたように、今後「ロボホン」が、1人ひとりの日々の業務を最適化するロボットとして活用されていくことも期待される。

サテライトオフィスでは「ロボホン」とコミュニケーション基盤、業務システムを組み合わせたソリューションも提供している

「ロボホン」の"仕事"を拡げる専用アプリケーションは、認定開発パートナーからも続々と提供されている。現在、認定開発パートナーは57社+1大学となっており、それぞれが得意の分野やコンテンツを有しており、SDK等を使い多種多様なアプリケーションを提供している。

「我々だけでできることは限られています。そのため、当社が直接開発するアプリケーションはコンシューマ向けをメインとしています。ビジネス向けのアプリケーションについては、認定開発パートナーに期待するところが非常に大きいですが、もっともっと、『ロボホン』が人々の役に立つ動きを加速させていきたいと考えていますので、認定開発パートナーの各社様にはこれからも支援をいただきたいですね。2020年までには、コミュニケーションタイプの似ているアジア各国にまで『ロボホン』の活躍の場を広げていきたいです」と未来を見据えて木戸氏は力強く語った。

「ロボホン」を手にする木戸氏

サテライトオフィス


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